かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ぶらりインドその38 マトゥラー考古学博物館その3

2011年11月27日 | India・Sri Lanka・Nepal・Bhutan・Uzbekistan


Colossal Bodhisattva, Mathura, 1AD
菩薩像



Rail Post with a lady in act of putting on her garmet after bath, 2AD, Mathura
手すり柱の女性像。猿に乗っているのか?湯上り美人。



Buddha in the pose of imparting protection, 2AD

この仏像は、1984年、日本で開催されたインド古代彫刻展の図録に載っていたので、その解説を載せておく。

仏立像
クシャーン時代、1-2世紀
マトゥラー出土
赤砂岩 84X44X19cm

班の入ったマトゥラー産の赤砂岩に彫出された仏立像。正面を向き蝸牛型の肉髷に明快な、鼻立ち、両手を肩のところまであげて、右手は施無畏印、左手は衲衣の端を持っている。両肩を覆う衲衣は身体に密着して下の肉体の起伏を暗示しているが、波紋型の流水状ひだの造りが、マトゥラー派の表現形式の一つとして特色づけられている。

本図録には、まだ多くのマトゥラー考古学博物館の収蔵物が載っているが、デリー博物館同様、収蔵物のごく一部しか展示されていないようだ。



Graceful young lady standing on a dearf looking in to the mirror to adjust her appendant and reverse depicting a jataka story

この柱は、見た時から、ユニークなものだと思っていた。
官能的な女性像と、その裏側に明らかにジャータカ図が描かれているのだ。

それについて、たまたま「ブッダと仏塔の物語」で、この柱の解説を見つけた。

「このレリーフは、頬についた男の愛撫の爪跡(歯形)を鏡で見ている女の図である。」



「その裏側には、三段のパネルが見れる。まず上段には、中央にかなり大きみに、結跏趺坐をし、左手を膝に置き、右手を上に上げて対話の仕草をする人物、両脇にそれぞれやや小さめに人物がつきそっている。中央hじゃ、破損して鮮明でないが、獣を前にし庵の前に座った者が他の者と向き合い話し合っている光景、下段には獣(ライオンのように表されている)に襲われ、首のあたりを噛まれている人物が認められる。」

私は、この下段の図が、法隆寺の厨子でも有名な捨身飼虎の図でジャータカとわかったのだが、この話は、南方パーリ語の伝承にはなく、大乗仏教に近いジャータカマーラという、菩薩物語を集めた本にしか認められないのだそうだ。つまり、南方仏典に、大乗仏典の話が混じり出したころの、貴重なケースなのだ。

「さらに注目すべき天は、物語の中で菩薩が礼拝および帰依の対称とされていることである。実は上段の図がほぼ同じ頃に出現した菩薩像と酷似し、見逃せない。」

まさに、仏像が生まれたマトゥラーならではの逸品であった。



Woman carrying a wine pot & Holding Bend of grapes revrse shows the story of Rishi Sringa, 2AD
ワイン壺を運ぶ女性像。



前の欄干の裏側。
写真が不鮮明で、よくわからないが、ジャータカの話か?



Naga Court, Salabhan Jika, Salabanjika on Crocodile, 1AD
竜王の宮殿と言ったところか。左右女性像は、女神か?
コメント
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