時代は、いわゆる軍国主義時代。
暗い過去といいたい時代だが、領土問題が、大騒ぎになっている今、過去の歴史は、常に、頭に入れておく必要があるだろう。特に、中国、韓国は、決してこの歴史を忘れないから。
本書は、教科書で学んだ政治の視点からではなく、庶民の目で、軍国主義に走る日本を見ていて、ユニークだし、よりリアルだ。そして、今だったら、どうなるだろう?と、想像を巡らすこともできる。そういえば、大正時代は、デモクラシーの時代だったはずなのに、なんで、こんなことに....
日清、日露以降の日本は、特に軍隊は、かなりひどいことが本書でも説明される。戦争とはそんなもんだと言ってしまえば、それまでだが、今世界各地で起きていることは、我々と無縁ではないのだという考えは共有した方がいいだろう。いつ我々が、またそういう世界に突き落とされるか、誰もわからない。
意外だったのは、台湾は、親日というイメージがあったのだが、明治以降、日本は、結構攻め入っているし、統治してからは、特に少数民族の人々に対して、ひどい仕打ちを行っている。
その後の、中国から逃げてきた国民党が、もっとひどかったため、忘れてくれた(忘れたふりをしてくれている)ということなのかもしれない。もしくは、戦後、中国共産党に対抗するため、米国側についたため、戦後の日本をよく理解してくれたということなのかもしれない。
関東大震災に際しての、朝鮮人に対する仕打ちにも、恥じ入るばかりだ。黒沢明監督も、子供ながらに呆れたという。
第一次世界大戦において、日本は何もせず利益を得たような印象があったが、地中海に戦艦を送って、犠牲者も出しているのだそうだ。日露以降、完全に世界の列強の一員気取りになっていたことがわかる。
自虐思考に陥るのは、本末転倒だが、常にこれらの過去を理解し、よく整理して、様々な事象を考える必要はあるだろう。そうすることにより、彼らが、何故そのような行動をとるのかが、見えてくることもある。