今日は、ゴルフ日和。前半はまぁまぁだったのだが。最近いつもこのパターン。体力の衰えか....
本書は、大きな本屋の棚に、そっとあったのをGETした。装丁の割には、高かったので、躊躇したが、読み応え十分。私のような、初心者に毛の生えたような人にぴったりの本だった。
岩波の世界の美術シリーズの内の1冊のようだが、他の本は、見たことがない。かなり、独立色の強い1冊を思われる。著者は、スミソニアン研究所の学者のようだが、名前からすると印度人か。
インダス文明から、仏教美術、ヒンドゥ教美術、イスラム教美術、マハラジャ達の美術、西欧美術、現代美術と、絶妙のバランスで、流れを説明してくれる。
インドの美術は、中国の美術と同様、多岐に渡っており、全体の流れがわかるように、かつ通り一遍にならないように説明するのは難しいと思うが、本書は、それに成功しているように思う。
たとえば、仏教美術については、サーンチー、アジャンタ、エローラなど代表的なところについて、かなり詳しく触れている。
その次のヒンドゥ教美術も凄い。カジュラーホは、8月に訪問する機会を得たが、内陸、南部には、とんでもない巨大寺院が、多数建設された。そのうち、一つだけ見ても驚くだろう。
最初にその類の寺院を見たのは、シンガポールのチャイナタウンだったが、規模が全然違う。
タージマハルに代表されるイスラム美術については、お馴染みだが、そのイスラム支配下で、マハラジャ達は、独自の美術を開花させた。
イギリス統治時代の、巨大な建築も、本国のものに負けない素晴らしいものだ。
印度人にとっては、外国に統治された負の時代の遺産と言えるかも知れないが。
もちろん、本書に載っていない素晴らしい美術が、まだ星の数ほどあるのだろうが、繰り返しになるが、初心者+αぐらいの読者にはぴったりの良書だと思う。