今、やっとジャイアンツが負けた。いくらなんでも勝ちすぎ。ちょっとは、ペナントレースのことも考えて欲しい?
本書は、1年ぐらい前に出た本。AMAZONで見つけた。
武井武雄さんのことは知らなかったのだが、このこけしの絵には見覚えがあった。
家にこけしの本がたくさんあって、その表紙の絵を描いた人に違いない。
そして、本書を読んでみたわけだが、凄いマルチな才能を持ったスーパーマンであることわかった。
元々倦蛯ナ、西洋画を専攻したが、卒業後、児童向け挿絵を描き始め、様々な本を制作。一方で、郷土玩具を収集し、特にこけし収集に力を入れ、”愛蔵こけし図譜”などを著した。
本書は、その武井さんの作品の中で、こけしにちなんだものを中心に、紹介している。
特に”愛蔵こけし図譜”は、全頁を収録している。デフォルメしているように見えるが、寸法など、正確に測定し下絵を作成し、そこから、感覚的修正を加え、肉筆版を完成。それを、版画にしたのだという。
すごい手間をかけているが、これが何と戦時中。そして、題材となったこけしは、戦災ですべて焼けてしまった。何ということだ。
収集は、昭和初期が中心ということで、こけしが芸術として認められだしたころのことだ。単なる子供のおもちゃだったこけしを、民芸品のレベルまで押しあげた功績も大きい。
その他の、さまざまな分野の作品が、ポイントを押さえて紹介されており、武井さんの活動のレベルの高さと、幅の広さを思い知ることになる。
岡谷市に、イルフ童画館があるという。”イルフ”というのは、武井さんの造語で、古いの逆=新しいを意味するのだという。いつか、訪れてみたい。
本書をまとめることになったのは、3.11がきっかけだったという。
こけしファン、童画ファン、希少本の収集家向け。