かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

仏教図像学

2015年12月28日 | Books


本書は、本屋で見つけた。
凄い本だ。

著者の田中氏は、大学の先生で、教材用に著した本というが、世界的にも、なかなかここまで、仏教関係の美術(特に仏像)について、詳しく分析している人はいないだろう。
後書きによると、写真の版権を取るのが一番の苦労だったという。
確かに、多くの写真群は、本書の理解に大きく役立った。

仏像にはいろいろあり、それぞれ名がつけられているが、実は、明確にわかっているものだけではなく、その姿等から、後に名付けられたものも多い。
本書は、インド、中国に遡り、各仏像の特徴、特に印から、どのように仏像が、作られて来たかを、分析し、その結果として、仏教がどう変遷してきたかを読み解く。

インドに行くと、まだ石窟などに、仏像が残されているが、保存状態は、悪いものが多く、まだ美術館に行っても、解説も不十分。
各々が、何の仏像なのかを特定する気力もなくしてしまうのだが、本書は、それにもチャレンジしていて、感動ものだ。
インドで、撮りためた写真なども、いつかは本書片手に分析したい。

寺院の建物配置、タンカや、軸装仏画まで、話しは及び、トータルな本になっている。
仏教、仏教美術に関心のある方には、是非お勧めしたい。
コメント
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