かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

万葉集から古代を読みとく

2017年05月25日 | Books


これまでも、何冊か読んだ上野さんの新作。

万葉集関係の本は、少し読んでいたので、重複する部分も多いかなと思っていたが、結構斬新な内容で、面白かった。
なんせ、昨年ヒットの「君の名」は、から話は、始まる。私は、まだ見ていないのだが。

万葉集の中の一句一句を分析するというより、万葉集ができた時代の、文字とは?、日本人の考え方とは?、当時の世界情勢は?、日記や、物語との関係は?、さまざまな観点から考察を加えられていて、たいへん興味深い。

当時の人々の考え方が、万葉集を深く読むと、現代人よりも奥深い思考ができた人々だったのではとも思えてくる。
そして、それを後代に残すための努力。まったく日本語と違う言語で使われていた漢字を、試行錯誤しながら、日本語に当てはめていった工夫。浦島や、虫謔ネど、さまざまな分野で、共通するテーマの存在の影に見える当時の日本人の思想。万葉集を読み込むと、ここまで、いろんな発想が湧くものだろうかと感心してしまう。

現在も、さまざまな発見があり、木簡や、土器に記された漢字から、新たな文字の使用法が発展していく姿が浮かび上がってきている。

▼語れば、その瞬間から消え去る
▽記せば、その瞬間から古くなってゆく

文字は、過去の人々との会話を可能とした。万葉集は、まさにその走りだった。
本ブログも、その流れの中にある?
自分のためだけだけど。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする