かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

科学探偵シャーロックホームズ

2021年03月24日 | Books



今日は、昨日に続き、いい天気。



街に、桜並木があるのは、すばらしい。



本書は、書評で見つけて、即ゲット。
面白かった。

本は、昔から相当読む方だが、当初は、もっぱら推理小説だった。
子供向きの半分絵本みたいなものから入って(ポプラ?)、文庫を古本で読みまくった。
その中に、当然、シャーロックホームズもあったが、その他、クリスティや、江戸川乱歩、エドガーアランポーなど、乱読だった。
本書は、その中で、シャーロックホームズにテーマを絞っている。

訳者は、元々推理小説の末メで、ホームズファンの年次総会で、著者と直談判し、本書の末?を取得。
しかし、出してくれる出版社が見つからず、何と東京科学同人という専門書の出版社から満を持しての出版となった。
ただ、しっかりした造りの本で、普通に読める。

前置きが長くなったが、本書で発見したのは、ホームズは、まさに推理小説の走りで、その前には、エドガーアランポーぐらいしかなかったこと。
確かに、江戸時代の推理小説など、聞いたことがない。
今、テレビでは、そのジャンルのドラマばかりだが、ホームズ以前にそのジャンルはなかった。
そして、その中に、当時でいえば、最先端の科学的手法や、科学的知見が使用されたり、披露されたりしている。
150年前の科捜研のようなものというか。

当小説のできた背景、登場人物などから入り、各論になると、ずっと面白くなる。
例えば、指紋鑑定などは、まだ確立された手法ではなかったが、足跡鑑定などは、当時から有用であった。
筆跡、印刷、犬、暗号、化学、天文学、数学、生物学、物理学等、様々な科学的な知見が、小説でどう扱われているか、そこから著者のドイルの知識レベルがどの程度だったかを探る。
化学知識レベルは、低かったという説もあるが、著者は、必死に否定している。
今も有用な手法と、廃れてしまったり、否定されてしまった手法もある。
現代の有名な犯罪に、ホームズで使われている手法がどう使われたかなどの分析も面白い(アメリカ駐在時に、大々的に報道されていたシンプソン事件も取り上げられている)。
今、科捜研で出てくるDeNA鑑定や、歩行分析などは、当然、当時はない。
当時の本の挿絵も各所に使われているが、趣があっていい。

コナンドイルが、実際に、いろんな証拠を捏造したのではという説もあるそうで、ピルトダウン人もその一つ。
コカインは、当時は、薬として信奉されていたが、ホームズ(コナン)は、その常習性を警戒した走りだったのだともいう。
とにかく、ホームズ研究は、止まるところを知らないようだ。

あまりにも感動して、同じ末メのホームズシリーズ全9巻をゲット。
TVシリーズのDVDも持っているし、楽しみ100倍。
名探偵コナンまでは、手を伸ばさないが。
しばらく病みつきになりそう。

コメント
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