かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

シルクロード 仏の道をゆく

2021年08月02日 | Books


本書は、日経の書評で知りゲット。
今日経で連載中の安部さんの本だから取り上げられたのかもしれないが、写真満載のシルクロード紀行で楽しめた。

シルクロードは、なかなか行きにくく、それがロマンとなって、憧れのエリアになっている。
私も一度行ったが、すばらしくて、また行きたいと思っているのだが、それから15年、まだその機会に恵まれない。

安部さんは、小説のネタ探しを口実に、出版社の編集者とコロナ前のシルクロードを2度に分けて訪問。
その記録が本書。

ひじょうに読みやすい。
我々が書くだろう紀行文を、ディープにした感じ。
時間が取れれば、また、有能なガイドが得られれば、本書は、たぶん書ける。

しかし今となっては、難しい。
まずは、コロナ。
どこで、どう広まっているか、特に中国国内では、わからない。
そして、新彊ウィグル地区の問題だ。

私が、行ったころは、チベットは、かなり制限を感じたが、ウィグル地区は、あまり制限を感じなかった。

ところが、この紀行では、ウィグル自治区でも、たびたびトラブルに遭遇している。
事前に許可を取っているのにも関わらず、通過できなかったり、通過するのに、数時間かかったりというトラブルが多発する。
ウィグル地区への、海外メディアの侵入を妨げようとする中国当局の意向を忖度した地方役人の怠慢か、いやがらせかと思われる。
ここに中国の現実を見た。

紀行文部分については、うらやましい限り。
特に、ウルムチ以西については、異邦感が強い。
それこそ、私が、NHKのシルクロードを見た時の衝撃のエリアだ。
将来の小説のネタばれにならないことを祈る。
編集者は、鳩摩羅什の小説を書いてもらいたい意向らしい。
なかなか、情報が少ない方で、たいへんだとは思うが。

中国は、漢民族の国と漠然と思っていた常識が覆された。
インドほどでもないが、特に、北方民族は、中国の支配側にもなっている。
内モンゴル、チベット、ウィグル。
なかなか、難しいが、他民族国家は他にも多くあり、どうにかならないかと感じるのは、私だけではないだろう。

本の話は、あまりできなかったが、シルクロードの魅力をコンパクトに感じたい人向け。
より専門的かつ、わかりやすい本は、多い。
コメント
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