かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

日本の先史時代

2021年08月26日 | Books
今日は、まさにうだるような猛暑の中ゴルフ。
栄養ドリンクと、氷嚢で、どうにか乗り切った。
スコアもまずまず。
ラフはきついが、玉はよく飛ぶ。



本書は、今月出たばかり。
普段よく読んでいる古代史の前の時代についての本。
前の時代と言っても、1万年以上前からの歴史だから、期間は、とてつもなく長い。
著者は、歴博の教授。
先史時代研究の第一人者。
先日、リニューアルなった歴博に行ったばかりで、まさにその展示の細かい解説書みたいな内容だった。

あまり先史時代を専門的に扱った本は読んでなかったが、それにしても、この50年間の、先史時代研究の内容変化は凄いというか、完全にそれまでの常識を塗り替えてしまっていることがわかる。
気温の推移、降水量の推移なども明らかになっており、今は、氷河期の入口?

本書は、その研究の歴史にも触れているが、最初は、縄文も弥生も、どちらが先かわからなったという。
我々が勉強した歴史では、発掘が進み、流石にその前後関係は明らかになっていたが、旧石器→縄文→弥生という変遷が、段階的に進んで来たと学んだ。
ところが、その後の研究、特に、土器等炭素を含んだものの絶対年代がわかるようになってきて、そんな単純なものではないことが分かってきたのだ。

それを、地域別、様々な指標別に分析していくと、かなり複雑な変遷であったことが、わかってきている。
全国、曼荼羅模様のようだし、一方向の動きでも必ずしもない。
青森以北、鹿児島以南は、全く違う流れ。中央部との境は、ボカシと称しているが、どっちつかず。
それを、研究を進めることによって、整理し、数万年に渡る日本列島の発展の姿を明らかにしようとしているのが、現在の研究であるし、その姿をなるべくわかりやすく説明しようとしたのが本書である。

それにしても、以前考えられていたよりも、かなり長い、かつユーラシア大陸よりも先行していたかもしれない縄文時代というのは、どのような時代だったのだろうか。
少なくとも、SDGsの観点からは、理想的な社会だったと言えるのかもしれない。
土器が出てくるまではよいとして、金属類が出てきてから、農業、工業の発展が加速し、古代、中世と、発展を続け、産業革命があり、近代、現代、あわただしい世の中になり、その行き過ぎが、今の環境問題、SDGsの議論につながっている。
氷河期のタイミングも考えると、温暖化というよりは、環境破壊という言葉の方が、妥当だろう。

前回歴博に行った時は、まず行かなくちゃという感じだったので、次回は、本書片手にもっとじっくりと味わいたい。
日本の先史時代を知りたかったら、まず1冊目にしてもいい良書。
コメント
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