今日もいい天気。
西日本では、まだ雨が続いているとのことで、気を付けて欲しい。
本書も、本屋で見つけた。
著者のみのさんは、全然知らなかったのが、YouTuberであり、ミュージシャンでもありという方のようだ。
1990年生まれとあるから、まだお若い。
本書は、いわゆるポップスの歴史を、コンパクトに簡潔に、1冊にまとめた本。
というと、簡単そうに見えるが、100年に渡るポップスの歴史を1冊にまとめるのは、結構難しい。
それを、うまくポイントをピックアップしてまとめてある。
みのさんは、相当、頭のいい人かもしれない。
もちろんそのためには、相当の部分を端折らなくてはいけないし、端折ってあるのだが、幹の流れは、しっかりとらえていて、かつ、日本の音楽シーンの流れまで、取り上げているのだから立派。
さらに、ちょっとだが、トリビア情報も交えて、音楽通の読者を、にやりとさせるところもある。
ポップスの歴史は、たかが100年なのだが、実際、我々が目にしているのは、その一部に過ぎない。
本書のデータによれば、歳を重ねるにつれ、音楽の関心は、薄れ、特に新しいタイプの音楽への関心は、なくなっていくそうだ。
私の場合、音楽への関心は薄れてはいないが、新しいタイプの音楽には、ほとんど関心がない。
本書でいえば、4章までは、興味津々だが、5章以降は、へーぇって感じ。
みのさんは、それではいけないから、本書を著したというが、そういった意味では、その期待には応えられていない。
ただ、5章以降で取り上げられている分野の音楽も、4章以前の音楽からの流れからとらえることができることにも、気づかされる。
日本の音楽と、洋楽との違いも明らかにされ、今の日本の音楽は、J-POPとして括られつつあるが、それも平成歌謡とも呼べるものかもしれず、民謡からの流れを汲む歌謡秩序の中にとどまっているのかも。
ポップスの歴史は、たかが100年、日本史、世界史の長さと比較すると、かなり短い。
かつ、大きな流れは、結構研究されており、本書で説明されている幹を意識しつつ、いろんな音楽を聴けば、全体像が、よりリアルに把握できるものと思う。
一方、日本の音楽史があまり研究されていないと本書は説くが、たぶん一時的なブームや、洋楽のマネで終わるケースも多く、音楽の流れというよりは、ミュージシャン、作曲家、作詞家の流れで、説明せざるを得ないところにその原因があるような気もする。
ポップスの全体の流れを、まず押さえたい人にお勧め。