かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ブッダが説いた幸せな生き方

2021年08月23日 | Books

昨日の、横浜市長選は、民意がかなりはっきり出た。
今の政治へのNOだ。
IRの是非はともかく、利権がちらつく。
新型コロナ対策が難しいのはわかるが、あまりの無策。
ただ、YESの政治にできるかは、これから。
民主党時代のようなことが起こらないことを祈るばかり。



本書は、岩波新書の5月の新刊。
よくあるテーマの本で、あまり期待していなかったのだが、なかなかしっかりした内容でびっくりした。
著者は、大谷大学卒業後、フランス国立科学研究センターで、長年仏教の研究をされ、その間にブータンに、国立図書館顧問として、10年過ごしたという。
仏教の研究に、人生を捧げた方だ。
特に、ブータン10年はすごい。
そこで、師と仰ぐ僧侶にも出会った。

本書を読んで感じたのは、日本の仏教と本来の仏教とのずれと、仏教と他の宗教との根本的な違い。

仏教の経典は、漢訳まではなされたが、その後日本語への翻訳はなされず、漢訳された経典により日本に伝わった。
しかし、漢文を読める日本人は、限られるため、その真髄が伝わりにくく、生老苦死に代表される暗いイメージの宗教と思われるように。
本来は、苦を乗り越えるための、前向きな宗教だったはず。

仏教の論理性は、最近こそ語られるようになったが、従来は、他の宗教と同じ土俵での議論が多かったように思う。
フランスでの研究経験から、その独自性に着目した研究を続けられた。
フランスには、ユマニスムという言葉があるそうだが、仏教の考え方に共通する。
キリスト教の世界とは、異質の考え方。
一神教は、どうしても、不寛容になりがちだが、仏教は、逆。

高尚な議論だけではなく、仏教の様々な教えについての、現代に置き換えての解釈なども、興味深いし、納得感が得やすい。
教えを実践することが重要と説く。
ブッダの生涯等、押さえておきたい基本的なところにも言及されており、全体的にバランスがよく、仏教とは?と思われている人に打ってつけの良書と思う。

コメント
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