かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

復活!公開定例会:解散間際のビートルズを語る

2022年03月24日 | The Beatles



今日は、3/20に行われた対談のアーカイブ映像を見た。
藤本さんが、司会で、川原伸司さん、杉真理さん、松尾清憲さんがゲスト。
このメンバーのトークイベントには、何度かお邪魔している。
当日は、外出中だったので、見れなかったが、最近は、リアル+ネット+アーカイブということで、その気になれば、いろんな方法で、アプローチできる。
リアルが、もちろん理想なのだが、日程が合わないと諦めたケースも見れるようになった。
今回は、そのパターン。
コロナリスクもゼロ。
定例とあるが、2009年、2011年、2017年に続いて、4回目という!



前半は、ゲットバックセッションに関しての討論。
みなさま、総じて良かったというご意見。
その根拠は、やたらに明るくし過ぎなかった、前作からのトラウマからの回収ができた、曲作りの過程が見れた等々。
ドキュメンタリーは、そのままではなく、演出が入るのは当たり前で、本作は、ピーター・ジャクソンのドキュメンタリーととらえるべき。
まさにそうなんだろう。
マイケル・リンゼイホッグは、結構粘っこいが、最終的にルーフトップまでこぎつけた。
ピーター・ジャクソンは、その場にいれば、あれまではできなかったろうとのこと。

お酒を飲みながら曲作りをしているが、通常は考えられないとのこと。
ただ、裕次郎さんは、飲みながら録音していたとのこと。
川原さんのコメントが、当時の様子を一番知る人として貴重。
14曲、2週間で作ってライブで披露するというのは、無理だったのでは?という問いには、後期のビートルズは、曲が湧き出るという感じではなく、何等かの企画、動機付けがないと、前進できない状況だったの見立て。
確かに、後期は、アルバム毎にテーマが作られた。
一人一人は、まだまだ才能があふれ出ている時期で、それがあふれ過ぎて、グループとしては、収拾がつかなくなったのが、ゲット・バック・セッションだったのではないかとの意見も。

普通曲作りは、コード譜、コード展開を作ることから始めるが、歌詞カードを作ることから、始めていることも、発見の一つ。
歌詞の意味よりも、韻、曲への乗せ方を工夫する様子が見られる。

当時のビートルズは、最先端を走っていたわけではなく、ルーツミュージック、グラムロック、ハードロック、プログレ、ウッドストック等様々な分野で、様々なグループが、新たな世界を切り開いていた。
ゲット・バック・セッションは、ルーツミュージックの方向感だったが、4人の思いはばらばらだった。
そういった意味では、当時のビートルズは、必ずしも、時代の最先端ではなかった。
サイケ路線を、もっと追求しても良かったのではという意見も。

川原さんのご意見では、バンド内で、アルバムに入れる曲決めや、シングルカットする曲決めは、ひじょうに難しいそうで、その観点からも、今回のGet Back は興味深いとのこと。
結構辛辣に批評する場面も見られる。
杉さんは、ほめたろうほめのすけだそうだ。
ジョージが、Get Back がシングルだという発言に、ポールがにやりとしたというシーンは象徴的。
映像を見ていると、ジョージは、ジョンを慕っており、ポールは、ジョンをリスペクトしつつも、相棒として見ているようだとのこと。

ルーフトップでの素晴らし演奏は、たぶん前日に猛特訓したのではないかとの見立て。
久しぶりの有観客演奏で、いい緊張感の中で演奏できたのではないかとの意見も。



後半は、1969年にできた曲で、アルバム1枚を作ればどうなるかとの大放談会。
1部よりも、ざっくばらんな感じだった。

ビートルズとしても、ソロとしても、ミュージックメイカーとしても油が乗り切っていた時代だけに、意見大錯綜。
ただ、日本人としての、好みの傾向は似ている。
リンゴ1、ジョージ2という縛りで始まったが、リンゴ1は、ドラミングで活躍してくれていうことで、割愛することになり。
その後、放談会も進み、お酒も進みとなるのだが、一致するのは、ビートルズの曲が、みな個性が強いとのこと。
同じパターン、他の曲を連想させる曲が、極めて少ない。
川原さんの見立てでは、当時、反戦・イデオロギー優先の時代で、ビートルズは、大きくは、方向感を表さなかったが、ジョンがソロで、その方向感を鮮明にした。
Let It Be 、Abbey Road、その他と、バランスの取れた選曲にもなった。

大激論の末のセットリストは以下。

Get Back
Don't Let Me Down
I've Got a Feeling
Two Of Us
ジョンとヨーコのバラード
Oh Daring
Give Peace A Chance

Come Together
Something
Let It Be
Across The Universe
Here Comes The Sun
Two Of Us
Long Winding Road

シングルは、
Give Peace A Chance
You Know My Name

確かに強力。
アビー・ロードのメドレー曲などは、曲数が多くなってしまうので、収録しにくかった。
一方、参加者4名の意見の違いも面白かった。
議論の中で、各曲の制作の背景なども語られた。
最終的には、杉さんの意見がほぼ通る結果になった。

豪華メンバーでの対談だったが、結構本音が出て、楽しい対談だった。

コメント
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