今日は、比較的穏やかな日。
前から行きたかった日本民藝館に行ってきた。
柳宗悦が、和風の美術館をというコンセプトで、建てた。
1936年にオープン。
民藝というのは、柳宗悦の造語だが、1925年から運動を始め、その収集品を展示する目的で、作られたものだ。
中をお店できないのが残念だが、純和風で、展示も、和風の飾り棚に展示されているものが多い。
ジャンル、年代も、様々で、柳宗悦の直感で、いいと思うものを、集めた。
題して、"美の標準"。
千利休が茶器を自らの感覚で、評価したのと同じなのかもしれないが、ジャンル、年代、国がバラエティに富んでいて、それぞれが、独自の輝きを放っている。
木喰仏、棟方志功の版画、河井寛次郎の陶器、芹沢けい助の染色、濱田庄司の陶器、バーナードリーチの陶撃ニ素描など、集中的に蒐集したものも展示されており、その蒐集品の厚みにも感動させられる。
我が家で、問題になっている柳宗悦は、こけしを民藝と認めたかという問題が、明治時代のこけしが1点あり、少なくとも、全否定でないことが確認できた。
真っ黒で、表情などは、見れなく、形も、太めだが、系統を確定することもできなかったが、宮城県か、山形県のこけしの形に近かった。
まさに柳宗悦の民藝に対する感覚が感じられる、すばらしい展示だった。
この大展示室の突き当りのみ撮影可。
他の展示室は、和風の建物の和室のように細かく分かれている。
この飾り方にもこだわりが。
説明書きはなく、漆の板に、オレンジで、展示品の名が筆で、書かれているだけ。
これも、柳宗悦がこだわった展示方法という。
この独特の展示方法も、見る者に感動を与える。
水曜日と土曜日は、西館と呼ばれる柳宗悦の居宅も見学できる。
そのため、客も多かったように思う。
書斎、寝室、台所など、こだわりの作りになっている。
奥様は、音楽家で、玄関を入った右側が音楽室になっている。
現在、そこは、ビデオ上映をする部屋になっている。
表の門は、1880年築の日光街道沿いにあった長屋門を移築してきたものという。
訪れるのであれば、やはり水曜日か、土曜日をお勧めする。
西館の脇にあった石碑、仏像。
柳宗悦の心に触れるのに、最適の美術館。
その後の日本人の美的感覚に大きな影響を与えている。