かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

すべてのことはメッセージ

2022年11月22日 | Music


本書は、本屋で並んでいたので、ゲット。
ユーミンデビュー50周年を記念してというわけでもないだろうが、ユーミンの誕生からデビューアルバム完成までの軌跡を描く。
著者は、1980年生まれというから、もうユーミンが大スターになってからの生まれ。
私は、フォークやロック中心に聴いていたので、よく覚えてはいないのだが、ユーミンを聴き始めたのは、主に苗字が変わってからのように記憶する。
1980年頃に出たリインカネーションや、ボイジャーなどは、カセットテープに落として、ドライブ中によく聴いていた。
学生時代にも聴いてはいたので、45年は付き合ってきた?
コンサートに行くようになってからでも、40年近くになる。
もう20回ぐらいは行ったか?
いや、もっとか?
これだけ、長い期間、第一線で活躍しているミュージシャンはそう多くない。

本書は、フィクションというが、私の知っているユーミンの歴史とほとんど一致する。
ユーミン自身が、本小説を読んでいるのだから、全く事実と異なることは、描かれていないと思われる。
そうすると、本当に凄い少女だったことがわかる。
才気煥発というのは、ユーミンのこと?

とにかく勉強にも、遊びにも一直線。
とことん突っ込み、夢中になったら、わき目もふらず猪突猛進。
それでいて、人の懐に入り込む柔軟性を合わせ持つ。

そして、その経過の中で、見聞きしたことが、初期の曲の着想にストレートにつながっている。
ひこうき雲のサウンドは、立教女学院にあったパイプオルガンと、プロコルハルムの青い影があったからこそできた。
しかし、それは、今までどこにもなかったユーミン独自のサウンドだった。
だから、私も、ユーミンに興味を持つのに時間がかかったということか。
それだけ、新しかった。

本書のさらに面白いところは、ユーミンの幼少期の社会や、成長過程で、出会った人、場所、お店などが、実名でぽんぽん飛び出すところだ。
これは、40代前半と思われる著者には再現不可能なところで、多くの取材と、高い構成力の賜物だろう。

登場する関係者に、既に他界された方も多い。
ユーミンは、先駆者を追っかけながら、自分が先駆者になった。
まさに、日本のポップ史そのもの。
日本のポップに興味のある方に広くお勧めできる。
コメント
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