かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

皇居三の丸尚蔵館

2023年12月05日 | Culture・Arts


今月から、リニューアルオープンした皇居三の丸尚蔵館に行ってきた。
結構混んでいて、当初希望日には行けず、今日になった。
久し振りに皇居の中に足を踏み入れた。



大手門。
流石江戸城?



外国人観光客にもわかりやすいように、英語併記。



これがリニューアルなった皇居三の丸尚蔵館。
尚蔵館は、元々平成元年に、皇室の宝物が、国に寄贈されたことをきっかけに、平成5年にできたという。
収蔵品がどんどん増えて、新たに一部開館となった。
隣ではまだ工事が続いていて、2026年に全館オープン予定という。



オープン記念は、皇室のみやび展。
4期に渡って展示されるが、1期は、国宝展。



国宝展の方は、写真撮影可だったので、惜しみなくアップしたい?
これが、一番見たかった蒙古襲来絵詞。
先日行った永青文庫では、カラーと、白黒の模写を見たが、こちらは、本物、国宝。
最初、この絵の主役級の竹崎秀長と縁のある細川家に譲る話があったが、断ったため、宮内庁が買い上げた。
1890年のこと。
色鮮やかに残っており、元寇から間もない頃に描かれた唯一のもので、極めて貴重。



誇張はあるにしても、見事に描かれている。



これまで、あまり公開されてこなかったのではないか。
全館オープンのおりには、もっと頻度高く公開されるかもしれない。



こちらは、若冲4幅。
動植綵絵。
全部で30幅あるそうで、内8幅を宮内庁が所有。
内4幅が今展示されている。
18世紀のものだが、国宝に指定されている。
元々、相国寺に寄進されたが、1889年に、皇室へ献上され、その下賜金で寺地を買い戻したという。
絵の細かさもさることながら、色合い、デザインも若冲だ。

これは、紅葉小禽図。
紅葉の方が主役?



どぎついというか、とにかく個性が光る。
棕櫚雄鶴図。
棕櫚を背景にするなど、ちょっと思いつかない。



梅花群鶴図。
これは、素直に美しい。



貝甲図。
こうならべられると図鑑みたいだ。
相当細かく観察して描いたことがわかる。



これは、また国宝の春日権現験記絵。
鎌倉時代の絵巻というが、色も鮮やか、表現力も豊か。
描いたのは、高階隆兼。
宮中の絵所(えどころ)を統括していた人物という。
明治時代に皇室へ献上された。
この雪山の表現など見事というしかない。



衆徒らの決起と戦いの場面が描かれるが、描写力も見事。



盗まれた鏡が戻る場面では、虹が描かれる。
700年前の作品とは思えない。



これは、藤折枝蒔絵箱で、春日権現験記絵が納められていた鎌倉時代のものだ。
セットで、国宝に指定されている。
現在の物と見紛うばかりの見事なものだ。



最後に紹介するのは、書。
屏風土代と呼ばれ、屏風に描く書の下書きを巻物にしたもので、推敲の跡なども見られる。
平安時代の三跡の筆頭である小野道風の書で、国宝に指定されている。



巻末には、三跡の一人である藤原行成を祖とする定信の奥書があり、12世紀に購入したことがわかるという。
井上馨の手に渡り、大正時代に、大正天皇に献上された。
ということで、規模は小さいが、有数のお宝が惜しげもなく展示されており、すばらしかった。
展示室が小さい分、展示替えが激しいが、今が私の一番見たいものが、展示されている。
年が明けても本展は続くが、また行くか迷うところ。
定家の更科日記など、是非見てみたい。

奥の展示室では、令和天皇の結婚や、即位、愛子様関連の品々が展示されており、こちらも見事だが、撮影は禁止。
なかなか見れないものばかりだ。
令和天皇の、永年愛用されていた天体望遠鏡や、子供の頃に使っていた小さなバイオリンなども展示され、私と同じような時代に育たれたことがわかる。



皇居のお堀は、寒々としており、鴨たちも、固まっている。



こちらは、明かりがお堀に映えて綺麗。



帰りに丸善に寄ったら、ビートルズショップがオープンしていたので、ちょっと本をゲット。
ということで、充実の午後だった。
コメント
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