かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

古代日本の宮都を歩く

2023年12月14日 | Books


今日は、ゴルフ。
富士山は、綺麗に見えたが、久しぶりのゴルフで、最後まで調子が上がらず。



本書は、本屋で見つけて即ゲット。
ちょっと難しいところもあったけど、面白かった。
著者の村井康彦氏は、御年93歳。
生きていれば、亡父と同じ年だ。
この本を書き上げる底力には、尊敬するしかない。

内容は、日本ができてから、平安京までの都を丹念に追っていくのだが、自らの目で、現場、文献などを丹念に調査、読み込まれてているので、リアル感が高いのと、単なる解説ではなく、独自の解釈が織り込まれている。
かつ、単なる都の構造の説明だけではなく、その時の、政治背景、特に天皇家を取り巻いていた状況を軸に描いてくれているので、古代史の本として読んでも面白い。

何度も行き来した場所でも知らないことがたくさんあったり、なぜ羅城がないのに羅城門なのかなど、普段見落としている疑問などにも触れてくれる。
そもそも門の先には、都が広がるという前提を踏まえた上で、羅城や、来世につながるのだという。
漢音だとライセを読む。
本書の落ちは、この羅城門を京都の梅小路公園の地に再建してはという提言になる。
平城京では、朱雀門、大極殿、東院など、素晴らしい形で再建されているが、京都でもという話。
大阪万博が控えているので、そこで再建して、京都に移築してはなどと勝手に考えてしまった。

独自の説としては、日本書紀にある田身峰(たむのみね)の場所。
通説は、その読み方から、談山神社のある多武峰(とうのみね)だが、前後の地と様子の描写から酒船石のある峰であると考える。
両方行ったことがあるが、確かに、多武峰は、ちょっと遠いような気もする。

藤原京が本格的な初の都だが、当時の人からは、飛鳥の延長ととらえられていたのではないかとの説も。
遷都と呼ぶかはともかく、普段目にしない小さな遷都の話も。
西の京だけではなく、北の京もあったことを知った。
長岡京や、恭仁京など、まだまだ実態の解明が進んでいない都も多い。

そして、たどり着いた平安京だが、当初の紆余曲折から、武士が都を支えるようになるまでの、変遷も面白い。
平安京は、明治維新まで都であり続けた。

本書片手に、もう一度都巡りをしたくなった。
コメント
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