今日から、年末恒例の伊豆。
いつもの寿司屋が臨時休業だったので、2回目のイタリアン。
庶民的な店だが、味は、一流。
気に入っている。
本書は、本屋で見つけた。
古代世界の本と、ペアで並んでいた。
世界の方も、読み終えたところ。
ブルーバックスの本で、もしかするとブルーバックスは、高校時代以来かもしれない。
文系に決まってから、読んだ記憶はなく、読むきっかけもなかった。
本書は、古代日本の技術について、考察する本で、著者は半導体製造の技術者という。
ふだん気づかなかったことに多く触れられていて、たいへん面白かった。
また、半導体技術者ならではの視点からの考察も面白かった。
三内丸山遺跡では、巨大な柱穴が見つかっているが、穴は、内側に2度づつ傾いているのだという。
今、巨大な掘立柱の建物が再現されているが、その組み立て作業にも立ち会ったという。
古代人は、人力と縄だけで、この作業を行った。
釣り針が見つかっているが、接着剤代わりにアスファルトが使われており、それが新潟産という。
翡翠玉への穴あけ作業も驚異的な技術が使われている。
作りかけの翡翠玉から、パイプ錐が使われていたことがわかったのだという。
誰がこの技術を数千年前に考えたのか。
それとも、大陸から伝わって来たのか、
この調子で書いているとキリがないので、一言コメントだけ。
古墳は、用水供給システムだった?
五重塔には、最新免振技術が使われている?
当時、のこぎりもカンナもない中、手斧で木材を割った上で、槍鉋で削っていたが、この方法だと、木目に沿った加工しかできないため、結果的に木材が長持ちすることとなった?
これは、半導体を作る時のシリコンウエハーをカットする時の考え方といっしょ。
古代瓦は、呼吸しているため、木造の建物の維持に貢献している?
古代の和釘に使われた鉄は、現代の鉄と製法が違い、強く、長もちで、今も日本刀などには、この古代の技術で作った鉄が使われる?
東大寺の大仏に使われた胴は、山口県の長登の胴であったことが分かってきたが、これは含まれるヒ素の量が、最適で、融点が低いく、鋳型に流し込むのに向いている?
?マークを付けているが、たぶんその通り。
現在の技術が、古代の技術に及ばないという結果になったが、これは、技術が退歩したというわけではなく、技術が進歩していくにつれて、古代の技術のメリットが忘れられつつあったということなのだろう。
寺社の再建や、日本刀の制作などには、ずっと古代の技術が使われてきている(ノスタルジアではなく、必要だから)。
文系と理系の融合の本?
たいへん面白かった。