かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

京阪満願の旅 その3 永観堂

2011年05月11日 | Kyoto・Osaka・Shiga ( Japan )


永観堂は、南禅寺の北にある。五木さんの百寺巡礼に取り上げられており、今回初めて訪れた。紅葉の美しいお寺としても知られる。
元々禅林寺という、真言密教のお寺として開かれた。永観律士によって大きく発展したそうで、永観寺と呼ばれるようになり、今は、浄土宗のお寺である。



奥の山の中に見えるのが、多宝塔。



多宝塔へ上る石段を見下ろしたところ。



多宝塔からは、京都盆地を一望にできる。



有名なみかえり阿弥陀様は、この御影堂の右奥の阿弥陀堂の中にある。中から、廊下伝いに行くことができる。
永観律士が念仏行道中、阿弥陀如来が先導し、「永観、遅し」と振り返ったという。1082年2月15日のこと。このお姿は、特異である。
開山は、その200年ほど前の、平安前期だという。
4/25に、御忌会(ごきえ)が行われたばかりのようだ。



放生(ほうじょう)池。落ち着いた佇まいでよい。



鴨がすいすい。
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京阪満願の旅 その2 平安神宮

2011年05月10日 | Kyoto・Osaka・Shiga ( Japan )


京都市美術館近辺には様々な施設が、広がる。その中でも、一番大きいのが、何と言っても、平安神宮だ。
まず目を引くのが、この大鳥居。日本でも、有数の大きさだと思う。



そして、平安京の応天門を模した楼門。ちょっと縮小されているらしい。



大極殿と左右に広がる樓。

平安朝最初の桓武天皇と、最後の孝明天皇を祀っているが、元々は、明治時代に、平安京遷都1100年を記念した博覧会のパビリオンだったらしい。1894年のことか(鳴くよ鶯平安京)。
平城京遷都1400年を記念して再建された、奈良の大極殿のようなものなのだろう。
空が、曇り(かつ黄砂いっぱい)なのが、残念だが、朱色が奇麗だ。



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京阪満願の旅 その1 法然展と親鸞展

2011年05月09日 | Kyoto・Osaka・Shiga ( Japan )
今回の京都・阪南への旅は、いろいろな目的があったが、そのいずれも達成することができた。ということで、満願の旅と名付け、端折りながら、旅路を紹介したい。



まず、行ったのが、5/8まで、京都国立博物館で開催されていた法然展。法然上人八百回忌を機に開催された特別展だ。東京でも、秋に、法然と親鸞展が開催されるから、たぶん重複する展示も多いと思われる。



何と言っても見所は、NHKでも特番があった法然上人絵伝。わかりやすく、美しく、繊細に、法然上人の生涯(亡くなられてからの話もある)が描かれている。結構混んではいたが、かなりの部分が公開されており、比較的しっかり見れた。すばらしかった。
その他にも、法然に因む様々な展示があり、気合の入った特別展になっている。
七箇条制誡という書物には、当時の弟子たちの署名が並んでおり、その中には、親鸞の若かかりしころの名前である綽空の署名も見える。



それから、北上し、やっと裁判のごたごたも解決した、五木さんご用達の”一澤帆布”で、鞄、帽子等をGET。流石有名店で、決して安いものではないが、大繁盛だった。
お店も新規開店だそうで、記念の携帯ストラップもいただいた。



さらに東に行き、京都市美術館で開催されている親鸞展に行った。こちらは、5/29までやっている。こちらは、法然上人絵伝のような目玉はないが、これまた親鸞上人七百五十回忌にふさわしい充実した展示になっている。
特に、親鸞さんの残した書の多様さに驚かされる。型破りのお坊さんであった親鸞さんだが、その学のレベルは、並大抵ではなかったんだなと再認識させられた。その親鸞さんが、その学を振り回すことなく、万人に受け入れられる浄土真宗の開祖になったのだから、それまた凄い。
その他、親鸞さんが尊敬した聖徳太子や、本願寺所蔵の絵画類が展示されている。
上下にストーリーを展開させる絵伝も展示されるが、正直細かくて、ストーリーは追いにくい。

東京で、合わせて展示された時に、もう一度訪れたい。
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写楽展とブッダ展

2011年05月08日 | Culture・Arts
この週末は、いろんなニュースが飛び込んできた。

一つ目は、PMの婚約。全然知らなかった。結婚は、3回目。報道によれば、結構長く付き合っていたらしい。最初のジェーンアッシャーさんとの婚約を入れれば4回目。特に、2回目の結婚では、相当痛い目にあったのに、怖いもの知らずである。

二つ目は、平泉の世界遺産。前回は、涙を飲んだが、今回、震災直後のタイミングでの朗報となった。行かれた方は、わかると思うが、世界遺産の価値は十分にある地域だと思う。
金が陸奥で採れたことと関係があるのかわからないが、京都から遠く離れた平泉に、800年以上も前に、きらびやかな浄土の世界が広がっていたのだ。

三つ目は、セベ・バレストロスさんの訃報。ゴルフ界のスーパースターだった。シカゴ駐在時代、USオープンを見に行って、彼が打ったボールが、目の前に転がって来たのを覚えている。ノーマンさんと共に、まだまだ人気があった。もちろんニクラウスさんは、別格として。あまりにも、若すぎる。ご冥福をお祈りする。



今日は、上野の国立博物館で開かれている企画展二つに行ってきた。

一つ目は、写楽展。浮世絵や、歌舞伎は、そんなに得意分野ではないのだが、それでも十分楽しめるすばらしい展示になっている。"役者は揃った。”という、キャッチコピーもいい。

前半は、写楽さんの浮世絵を題材としたお勉強展示。同じ歌舞伎役者について、写楽さんと、その他の絵師が描いたものが、並べて展示してあったり、同じ絵が、印刷されている内に、版木が擦り切れてデザインが変わったり、保存状態により、色が全く変わってしまったり。写楽さんの絵を中心として、浮世絵のイロハが学べる。

後半は、まさに写楽さんのオンパレード。世界中に現存する写楽さんの絵のほとんどが展示されているというすごい内容だ。知っている絵は、もちろん全てある。
展示されなかったのは、たった4枚(震災で、さらに数枚展示できなかったが)。所蔵者を見ると、世界中からかき集めてきたことがよくわかる。
写楽さんの活躍したのは、たった10ヵ月。活動を4期に分けて展示しているが、我々がよく見る大首絵は、ほとんど1期目に描かれている。まさに、鮮烈デビューだったろう。その後、急速におとなしい絵になっていく。
不思議だ。版元というか、プロデューサー的な立場の方の影響もあると思うが、それにしてもという感じ。

題材は、ほとんど歌舞伎役者の絵だが、相撲取りの絵などもある。当時の大童山文五郎という肥満児が人気だったようで、その楽しい絵も残されている。
それにしても、人の顔の特徴を巧みにかつ大胆にとらえた大首絵の迫力は凄い!



続いて行ったのが、本館の方で開催されているブッダ展。本館なので、無料かと思ったら800円だったのは、想定外だったが、マンガと仏像とのコラボという、前代未聞の企画だった。
今度映画が公開される、手塚さんの”ブッダ”の原画と、そのヒントになった物語に因んだ仏像が交互に展示されている。
正直、仏像関係の展示は、ほとんどが、見たことがあるもので、目新しさはなく、マンガと、仏像とのコラボという一点に、この特別展の意義があるのだろう。もちろん、原画目当ての来訪者も多いのだろうが。
普通の仏像展にない客層が、この展示のユニークさを、象徴していた。
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日本復興計画

2011年05月07日 | Books
浜岡原発の停止要請がなされたという。唐突であるし、どこまでその影響に対する配慮がなされたのかは不明だが、方向的には、正しい選択と言わざるをえない。福島原発よりも危険な原発であることは、明らかだからだ。大地震の確率にしても、津波の確率にしても。



大前研一さんが、"日本復興計画(Japan; The Road to Recovery )" を緊急出版された。
大前さんの本は、すぱっとわかりやすいし、私は、今でも、大前さんのいろんなアドバイスを実践させていただいている。

もちろん本書のテーマは、すぐ実践できるほど簡単なものではないが、方向感は、的を得ており、核心を突いているように思えるのだ。

本書に説得力のある一つの理由は、大前さんが、原子核工学で博士号をとられ、原子力推進派であったからだ。

大前さんは、震災直後から、ユーチューブでメッセージを発信し続けていて、最初の発表から、制御不可能になることを予測したという。今回の事故は、大前さんの常識を越えるものであり、その深刻さすら、政府や、東電は理解していないことがわかったからだ。

何故、我々庶民はわからなかったか。
TVに現れる解説者は、学者ではあっても、技術者ではないので、実態がわからないまま解説せざるを得なかったのだ。
ちなみに、大前さんは、MIT時代被曝しており、現在の放射能の危険性に対する政府発表は、概ね正しいという。

東電に対しても手厳しい。隠蔽体質は昔から言われていたが、今回のケースは、隠蔽ではなく能力不足ではないかという。技術畑の人は、原発のこれまでのトラブルで、東電には、いなくなってしまっていたのだ。現場の知恵は、失われていた。

大前さんは、これで、日本の原子力輸出政策は終わったという。日本で、原発を作ることも事実上不可能にもなった。反対運動の署名活動なども行われているが、署名活動を行わなくても、これから原発を作ることにOKと言える地方自治体長が、もはやいるとは思えない。スリーマイル島後、原発を30年造らなかったアメリカと同じ。アメリカは、クリーンエネルギーとして、原発再開を宣言したばかりだが、そのタイミングでこの事故は起こった。オバマさんも頭が痛いことだが、日本とアメリカでは、原発をとりまく環境が全然違うことは、十分理解する必要がある。

日本ほど、リスクの高い原発は、少ないという。津波リスクのある原発は、日本以外では、アメリカ西海岸のみであり、元々こんなに地震の多いところでの原発は、日本だけなのだ。
もっといえば、使用済核燃料の処理方法も決まっていない。自分で出した汚物を、全部自分で貯め込んでいる状態と表現している。水洗施設のないトイレと同じ状態なのだ。当初スタートした時は、どうにかなると思っていたのだろうか?
こう見ていくと、日本の原子力政策推進の際、日本の特殊事情が考慮されていたのかという疑問に突き当たる。

既に、今回の事故や、点検中で、原発の50%は稼働していないそうなので(壊れていたり、点検中だったり)、とりあえず、節電と既存の火力等をフル稼働しながら、リニューアブルエナジーへの転換を急ピッチで進めていくということだろう。原発の寿命は、いずれにしても、40年程度だから、それらのシフトが進むころには、今稼働中の原発も寿命を迎えることになる。

電力需要の分散については、4月からのサマータイム(もう5月だが)、週五日制の選択営業、夏の甲子園中止を提言。甲子園については、よくわからないが、前二者は、検討されていいだろう。計画停電については、経済活動への悪影響から、絶対反対の立場だ。

復興財源としては、期間限定の消費税を提言(例えば、2年、2%)。返済財源のない国債発行については、絶対反対。財政が破たんしたら、全てが、パー。

興味深かったのは、何故、こんなに危険な原発がOKだったのかということ?そこには、ラスムレッセンという人の確率理論があったという。リーマンショックの時の、ブラックスワンと全くいっしょ。格納容器神話も、もろくも崩れた。格納容器があっても、冷やし続けられなければ、OUT。

もう一つ興味深かったのが、国と東電の関係だ。今回の事故では、東電が主に悪者になっているが、本書では、元々国の原子力利用政策があって、東電は、その執行者にすぎないという。元々国がやるべき仕事を、一株式会社である東電が、やらされていたという構図だ。果たして、一株式会社が取れるリスクだったのか?
今後は、東電は、配電会社にするべきで、原子力発電は、国の事業にせざるを得ないとの考え。水道や、ゴミ処理は、公営だ。ガスと電気は、民営。その根拠は、定かではない。

日本の復興については、日本の復興計画をもたらすための道州制と日本人のメンタリティの変革を唱える。

ちょっと長くなったが、他にもいろいろな提言がたくさん。
これから復興段階に向かう前に、是非一読をお勧めしたい本。コンパクトなので、すぐ読める。
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