かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ジャズの証言

2017年05月26日 | Music


本書は、本屋で見つけた。

山下氏と、相倉氏との対談を編集したものだが、今につながる日本のジャズの歴史を見事に浮かびあがらせている。

一昨年の末に、ピットインの50周年コンサートに、二日続けてフルにいったが、本書を読むと、行って本当によかったと思う。
相倉氏は、本当はそのイベントの司会をやるはずだったのだが、残念ながらその前に亡くなられて、本書にたくさん名前が出てくる菊池氏が司会になった。
本当に残念なことだった。
そのイベントには、戦後の日本のジャズを引っ張てきたジャズメン達が総出だったが、本書は、その実態が赤裸々に語られていて、その試行錯誤の歴史がわかる。

バークリーに行ってオーソドックスなジャズから入るのがいいのか、山下さんみたいに、知識なしに耳から入るのがいいのか。プレイスタイルは、まとまったほうがいいのか、どこに飛んでいくのかわからないのがいいのか。
正解ないまま、ジャズが進化を続けていることがよくわかる。

今の山下さんからは、想像もつかないめちゃくちゃな半生。
それを、さまざまなステージで支えてきた相倉氏。

まさに、題名にふさわしい貴重な記録だと思う。
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万葉集から古代を読みとく

2017年05月25日 | Books


これまでも、何冊か読んだ上野さんの新作。

万葉集関係の本は、少し読んでいたので、重複する部分も多いかなと思っていたが、結構斬新な内容で、面白かった。
なんせ、昨年ヒットの「君の名」は、から話は、始まる。私は、まだ見ていないのだが。

万葉集の中の一句一句を分析するというより、万葉集ができた時代の、文字とは?、日本人の考え方とは?、当時の世界情勢は?、日記や、物語との関係は?、さまざまな観点から考察を加えられていて、たいへん興味深い。

当時の人々の考え方が、万葉集を深く読むと、現代人よりも奥深い思考ができた人々だったのではとも思えてくる。
そして、それを後代に残すための努力。まったく日本語と違う言語で使われていた漢字を、試行錯誤しながら、日本語に当てはめていった工夫。浦島や、虫謔ネど、さまざまな分野で、共通するテーマの存在の影に見える当時の日本人の思想。万葉集を読み込むと、ここまで、いろんな発想が湧くものだろうかと感心してしまう。

現在も、さまざまな発見があり、木簡や、土器に記された漢字から、新たな文字の使用法が発展していく姿が浮かび上がってきている。

▼語れば、その瞬間から消え去る
▽記せば、その瞬間から古くなってゆく

文字は、過去の人々との会話を可能とした。万葉集は、まさにその走りだった。
本ブログも、その流れの中にある?
自分のためだけだけど。
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サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド

2017年05月24日 | The Beatles


サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドから、もうすぐ50年。
また、お祭り騒ぎが始まっている。

6枚組セットとアナログは注文済だが、本の方も、目白押し。
本書は、その第一弾というところか。

正直、ボリュームの割りに高いが、シンコーさんの渾身の一冊と思いゲット。
完全ガイドと銘打っているが、ある程度基礎知識のある人でないと、難易度の高い本かもしれない。
マニア向けと言っていいだろう。

公演活動を終えてから、アルバム完成までの道のりを、インタビュー、写真、逸話、スタジオの使用状況塔から、組立て、すばらしいドキュメンタリーにまとめてある。
それは、必ずしも、劇的なものではないが、その発想の豊富さと、その発想(夢?)を、現実にしていった製作者達の試行錯誤が、リアルに再現される。

そして、50年経っても色褪せないとんでもない作品が仕上がった。

珍しい写真多数、懐かしい当時のインタビューも多数。今回新たに発売されるアルバムの情報も少々。



これは、完成パーティが行われたブライアンエプスタインが住んでいた家。
バッキンガム宮殿から近いが、閑静な住宅街だった。
2年前に訪れた。

ビートルズファンは、マスト。それ以外の方は、お好みで。
それにしても、高い。
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横浜歴史散歩

2017年05月23日 | Yokohama ( Japan )



本書は、書店で見つけた。
この手の本は、たくさん読んでいるが、本書は、その面白いところを的確に拾っていて、かつ新たな視点からの考察も加えて、非常にいいバランスで、横浜の歴史を紹介してくれている本だと思った。

江戸中期と、今の横浜との地形の変化を対比した冒頭の地図が結構インパクト大で、まさに今の横浜を語るには、まずここを原点にすべきという感じだ。
江戸末期、なぜ横浜が選ばれたか、そして、欧米人が、それをよしとして、ポジティブに捉えたか、本書を読むとよくわかる。

その辺の事情を著した本もいろいろあるが、本書は、直近の横浜の変遷事情まで、裏話を披露してくれている。
もちろん金沢文庫が作られた鎌倉時代の話もあるが、基本的には、開港以降の話の中で、薀蓄になろうトピックをうまく拾っている。

横浜駅が世界で5番目(=日本で5番目)に乗降客が多い駅だと知っている人がどれだけいるだろうか。
日本で、最初のレンタサイクルは元町だった?
東海道線の、横浜と戸塚の間のトンネルは、日本最古の鉄道トンネル?

読めば、必ず、新発見があるに違いない。

ということで、横浜市民には、是非お勧めしたい一冊。

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僕を作った66枚のレコード

2017年05月22日 | Music



ロッキング・オンの松村さんの新刊を本屋で見つけたので、早速ゲット。

雑誌に連載していたものらしいが、私には初めて。
私より、ちょっと年上だが、かなり同時代なので、私を作った66枚と行ってもいいぐらい。
最後の1枚は、JLのダブルファンタジーで、まさに私の大4の時、ポピュラー音楽から一旦足を洗った時期に出たものだ。

ビートルズ関連が流石に多いが、実際それだけ、松村さんの人生を作ったということだろう。今から、見る60年代から70年代と、当時そこにいた我々から見たそれの、景色が違うことにも再三触れているが、これも同感。
ブロンディの初来日の時に行っているそうだが、200人ぐらいしか観客がいなかったという。
頭脳警察とかフォーククルセイダーズなど、懐かしい名前も。

松村さんの個人的な意見と、当時の客観的な情勢と、適度な距離感を持って書かれているのが、読みやすさの所以だろう。
自分の意見だけ、繰り返す人もいるが、読んでていやになってしまうこともあるから。

還暦世代のロックファンにお勧め。
もちろん、ロックファンだったら、誰が読んでも、面白いと思うけど。

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