本書は、本屋で見つけた。
山下氏と、相倉氏との対談を編集したものだが、今につながる日本のジャズの歴史を見事に浮かびあがらせている。
一昨年の末に、ピットインの50周年コンサートに、二日続けてフルにいったが、本書を読むと、行って本当によかったと思う。
相倉氏は、本当はそのイベントの司会をやるはずだったのだが、残念ながらその前に亡くなられて、本書にたくさん名前が出てくる菊池氏が司会になった。
本当に残念なことだった。
そのイベントには、戦後の日本のジャズを引っ張てきたジャズメン達が総出だったが、本書は、その実態が赤裸々に語られていて、その試行錯誤の歴史がわかる。
バークリーに行ってオーソドックスなジャズから入るのがいいのか、山下さんみたいに、知識なしに耳から入るのがいいのか。プレイスタイルは、まとまったほうがいいのか、どこに飛んでいくのかわからないのがいいのか。
正解ないまま、ジャズが進化を続けていることがよくわかる。
今の山下さんからは、想像もつかないめちゃくちゃな半生。
それを、さまざまなステージで支えてきた相倉氏。
まさに、題名にふさわしい貴重な記録だと思う。