J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

海外サッカー事情について29

2021-02-28 00:57:15 | サッカー(J3以下・外国・他カテゴリ)

 リスペクトコラムです。
 先日放送されたFOOT×BRAINを観ていたら、元磐田の藤田氏が登場。当ブログ的に日本人として欧州のメガクラブの監督に一番近い人と思っていた人材。当ブログは日本代表で、日本人監督は大反対。世界を知らない監督が世界で勝てる訳がないという考え方なので。実際、森保ジャパンはコロナ禍の陰に隠れていますが、実は史上最低の成績を残している。それでも日本協会は日本人監督路線に固執。ならば「田嶋ジャパン」体制そのものが早く終わるべきと個人的に考えています。という事でリスペクトしてみましょう。 
   
【欧州駐在強化部員とは】
 来月カタールW杯に向け再始動する日本代表。その戦いを支えるキーワードは「欧州駐在強化部員」。日本サッカー発展に欠かせない重要なポスト。今や50人を超える海外組がいる中、その1人1人のプレーやコンディションを日本で把握するのは限界がある。その役目を担うのが元日本代表の藤田俊哉。JリーグMVP1回、ベストイレブン3回受賞するなど輝かしい成績を残した。

2013年:JFA S級コーチに認定。
2014年:オランダのVVVフェンロ(当時2部)でコーチとして指導し、キャリアをスタート。
    クラブのリーグ優勝、1部昇格に貢献。
2017年:イングランドのリーズ・ユナイテッド(当時2部)に強化スタッフとしてフロント入り。
2018年:JFA「欧州駐在強化部員」に就任。

【W杯に召集された海外組】
1998年:フランス/0人、2002年:日韓/4人、2006年:ドイツ/6人、2010年:南アフリカ/4人
2014年:ブラジル/12人、2018年:ロシア/15人
   
【欧州駐在強化部員の仕事】
 基本的には日本サッカーのレベルアップのための仕事。50人を超える海外組がいる中、指導者などサッカーにまつわるサポートがこれまで無かった。増えていく海外組選手が各クラブでどう成長し、どうコンディションが維持できているのかなど、代表選考に欠かせない欧州の日本人選手の情報をリアルタイムで集約し、日本とつなぐ専門職は当時無かった。
 勝つために、最終的に1番いい選手を代表監督が選べる状況を作るのが仕事。日本代表は国際Aマッチデーで、無条件で各クラブから優先的に招集できる。しかし、五輪やコパ・アメリカなどでは拘束力が無い。今まで招集レターベースでやっていた事を、人が現地へ行って話したり、顔を合わせて交渉すれば招集できる可能性が広がる。
 各クラブとのやりとりは大体、紹介してもらったダイレクター等と海外だったらWhats Appで行う。地道な交流をやってきた結果、去年10月の欧州遠征で、コロナの影響があっても初のオール海外組を組めるまでになった。しかし、パイプ役ならでは苦労も。日本代表は飛躍の場だが、怪我をして帰ると、クラブの印象も悪いし、選手も辛いのでワーストケースになる。
 去年、コロナの中で試合をして、欧州の選手だけで移動が少ない中で試合をして帰る。日本で試合がある時は移動も多く、コンディションが悪くなって帰る。呼ぶ場所によってチームの反応について、状況が状況だったので行く方も出す方も今回は繊細だった。出すのを拒んだクラブもあった。ドイツでは「州」によってルールが違うので来れない。その辺もコロナ禍勉強になった。
   
【実際の仕事っぷり】
 現在藤田は自宅のあるオランダ(フェンロー)を拠点に、2人の駐在スタッフ(ドイツ・スペイン)と分担して各クラブを訪問している。一言で海外組といえど、前回招集した選手の視察で回ったのは8ケ国22都市に及ぶ。自宅から近いところは車で、フランスはパリ(約500km)が限界。700kmまで何とか頑張れる距離。去年1月のスケジュールを見てみると目まぐるしく動き回っている。
 視察の際に選手をチェックするポイントは、プレー面ではなくコンディション(体の面と心の面)がどういう状況か、選手がどういう環境下でトレーニング・試合をしているか。あとはクラブスタッフに「クラブ内でどういう存在か」を聞く。
 藤田が選手のメンタル面をチェックするのに大事にしているのが選手との食事。1時間から2時間くらい取る。やはり日本語でしゃべりたいから、自分の気持ちをストレートで伝えられる。大きな事はできないが、話をする、気にかけていると伝える事でも全然違うと思うし、1人でやっている選手達はいろいろな悩みを抱えている。海外に行ったら孤独さがまた違うので、聞いてあげられる存在でもいいし、アドバイスもできる。

【日本サッカーのレベルアップのために気付いたこと】
 コーチ時代から欧州での生活も7年。日本サッカーのレベルアップに繋がる重要なことに気付いたとか。ほとんど欧州を回ると、どこの国に行っても選手の誰かがいる。ドイツの5部まで含めたら大変な事になる。5部でも施設、試合内容、観客もびっくりするくらいに立派。3部で立派なプロという認識。そういうところでプロを目指している選手もいれば、そういうところで指導者を目指す人もいっぱいいる。海外に出ているサッカー人はこんなにいるんだという事が改めてわかったし、そういう人は個人で情報の無い中で頑張っているから、サッカー人同士でコミュニケーションが取れるようなネットワークがあれば、いろいろな問題点やポジティブな面も情報共有できる利点もあるのかもしれない。
 7年やっているが、「今やっていることが7年必要だったのか」と考えた時に、次の人が要らない時間を過ごさなくていいとも考えている。

【7年間世界の第一線に身を置き続けてきたからこそ痛感した厳しい現実】
 日本人はサッカーを考える上で、欧州が凄く近くなっている。一方で欧州の人がJリーグの事を知っているかといったら、思っていたより知らなかった。イニエスタが来ているから日本を知っているとか、アイコンになる選手を追うから、その先のJリーグがある。しかし、J1鹿島がクラブW杯でレアル・マドリードと対戦した時には、自分のサッカー仲間が鹿島のことを質問してきて、柴崎の名前が出てきたりしてうれしかった。Jリーグの名前を世界に知らしめるためには、クラブレベルで世界相手に爪痕を残す必要がある。
   
【国際経験のある監督の必要性】
 海外移籍は選手だけではない。選手は50人近く欧州でプレーしているが、日本の指導者も海外に出て活躍する時代に入ってきた。日本の指導者のレベルは決して低くないし、もっと評価されるべき。Jリーグで結果を残した監督は次のステップはアジア・ヨーロッパ。アジアでは実現しているが、欧州ではライセンスの問題もあり、未だゼロ。W杯で頂点に立つという大きな目標に向かうには、国際経験のある監督が必要になる。ACLは必ずJリーグのクラブがチャンピオンになって欲しい。クラブW杯に出て、メガクラブと決勝を戦って、自分達の力を証明して次のステップを踏む。欧州でチャンピオンズリーグを追う中で、この景色の中で日本人・アジア人の監督が立つ日が来たらどれだけ嬉しいのかな。

【あらゆる面で世界と肩を並べるために必要なこと】
 利益が出た分が、またスポーツに還元されるサイクルが本当にわかりやすい。本当にスポーツ文化、サッカー文化を高めようと思ったら、環境を整えないと人は育たない。欧州を知る藤田が提言する、世界との差を埋めるための方法。
①サッカーカレンダーを世界基準に
②サッカーをもっとビジネスに活用しろ!
 欧州のスタジアムには基本的にラウンジがあり、試合の前後1時間でビジネスの話ができて、そこで接点があれば、自分のビジネスに広がって、利益が出た分がスポーツに還元されるサイクルがわかりやすい。
③歴史をもっとリスペクトせよ!
 クラブハウスの部屋に歴代のレジェンドの名前を付ける。事実、欧州のスタジアムを見ても、至るところにレジェンドに対するリスペクトが見て取れる。写真はたくさん残しておくべき。歴史を繋いでいくと、サッカーの価値が上がり、サッカー文化が根付く。スポーツ人だけでなく、社会の皆がスポーツを大事にする時代を迎えたい。
 世界に追いつくためには日本のサッカー界もスピードアップすべき。Jリーグは27年やって相当レベルアップしたが、欧州や世界もそれなりに上がっているので、なかなかその距離が縮まっていないのも現実。もしかしたら離れたのかもしれない。

 上の3つの提言の中にいわゆる「秋春制」が出てきます。説明は少し省略させていただきました。これは田嶋ジャパンが昔から主張していた事で、世界を飛び回るポストの人にはどうしても映る点なのかもしれませんが、古くからのJリーグサポである当ブログは反対。村井チェアマンも反対です。WEリーグがこの秋から導入されますが、さぁどういう事になるのか。地元岡山の湯郷ベルや吉備国大シャルムが所属するなでしこリーグ2部は春秋制のまま運営される模様。1部と2部でカレンダーが違う、それはどういう化学反応が起こるのかしっかり見させていただきます。

 海外組での人的ネットワーク作り、今後どうしても出てくるキーワードだと思います。すでにSNS等でいくらかやっているとは思います。日本語でしゃべりたいというのは、Club houseを使っていたらよくわかります。乾選手、伊藤選手など海外組が時々顔を覗けます。結構多く、昨日は元鹿島の鈴木選手が来ていました。欧州にいながら日本にいるかのように茶話会ができる事は楽しいのでしょうね。今後もSNSでネットワーク作りが進む事でしょう。

 世界を知る日本人の日本代表監督。欧州にはライセンスの壁があるので、簡単にはいかないでしょうが、現在のように多くの日本人選手が各国リーグで活躍する時代に入ると、そのライセンスの壁も取り払われるのではないでしょうか。
 当ブログではかなり昔から、指導者の海外組の待望論を出してきました。当時は中田ヒデ氏が最も望ましいと思っていました。その後は藤田氏がいいなぁと思っていましたが、田嶋ジャパンに組み込まれていました。
 番組でも名前が出ましたが、長谷部選手とかいいですね。と書いていたら昨日晩にInstagramで、「長谷部選手に聞いてみたいことを大募集」という番組アンケートが登場しました。当ブログはすかさず「指導者の欧州組になってもらって、日本代表で世界を知る日本人監督になる気はありませんか?」と投稿しておきました。3月の放送だそうですが、前の時のように読まれたらいいなぁと思っています。藤田強化部員さん、これからも頑張って欲しいと思います。あと、地上波のサッカー番組冬の時代、唯一の地上波のサッカー番組となるので今後も頑張って欲しいです。
テレビ東京「FOOT×BRAIN」公式HP:https://www.tv-tokyo.co.jp/footbrain/
 〃          該当ページ:https://www.tv-tokyo.co.jp/footbrain/lineup/20210206.html 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする