CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

MIHOミュージアム 赤と青のひみつ

2018-08-23 21:24:19 | 陶磁器を探す旅と名物
何年ぶりだろうかしら、信楽にあります
MIHOミュージアムに行ってまいりました
特にこの名物がというわけでもなかったのだけども
夏休み特別展をやっていたので
そちらを見てきたのでありました
思ったよりも楽しめて満足なのであります

タイトルの通り、赤いものと青いものを
それぞれお宝として集めて、
考古学的な視点も交えて解説していて
なかなか興味深いのでありました

赤いほうでは、辰砂の作り方や
赤というものに人がどれほど願いや期待をかけたか
そのあたりが丁寧に解説されていまして
子供向けの内容ながらも、なるほどなと
思わず見入ってしまうところでありました

一方青いほうでも、ラピスラズリに始まって
青の顔料、染料の元となるものがあって
鉱石だとか、美術館のそれというよりも
やっぱり科学館めいた楽しさがあって
新鮮でありました、考古学と鉱物化学とで
理系的な楽しみがある展覧会でありました

名物としても、若冲のダルマ絵が出ていて
こちらの赤がまた見事であり、
そうかと思えば、しれっと乾山の器が並べられていたりと
興味深いものも多くて見ごたえたっぷりでありました

まぁ、何せ美術館であるし、
美術品も並べられているけども
その内容については、やっぱり、考古学的な趣向が強くて
美術館というよりも、科学館という感じ、
子供さんが居たら、さぞ楽しかろうと
勝手に感じ入ったりしたのでありました

個人的には、現地ラスター彩陶が
いくつも展示されていたところがよくて、
眺めて、にやにやしていたのでありました
もっと発色のいいのが見たいけども
これはこれで満足である

桜の時期は混雑が酷くて近寄れないけども、
展示品そのものがよいものだと思えたのでありました
いくつかは怪しいといううわさもあるけど
それはそれとして、これだけ楽しめれば
十分だとも思ったりするのであった

横山大観展

2018-07-12 21:28:33 | 陶磁器を探す旅と名物
久しぶりに美術館めぐりであります
京都近代美術館でやっていた、横山大観展を見てきたので
もさもさっとレビウしておく

鑑定団で、出てきたら大体ニセモノと相場が決まっているほど
高い人気を誇る横山大観の展覧会であります
正直、有名だと名前は知っているが
じゃぁ、代表作はといわれて、絵を見たら、
ああこれ見たことあるといえるものの
その作品名やら、そもそも、その絵が大観かどうかはわからんと
その程度の知識でありまして
いたく反省しながら見たのでありますが、
凄い面白かった、明治、大正、昭和でだいたい作品を分けていまして
とりわけ、大正の頃のが面白かったというか
見事だと感じたのであります
写実的とはちょっと違うが、かなり精緻な日本画だけども
徐々にシンプルに、ちょっとしたデザイン化していくというのが面白くて、
今回のでもポスターに使われて非常に有名な
群青富士なんかが、見事でありまして
あれ以外にも、様々にイラスト化したみたいなシンプルなものが面白かったのであります

個人的にかっこいいというか、感銘を受けた作品は、
群青富士、焚火、飛泉の三作品でありまして
いずれも、かなり省略されたというか、
強い印象を受ける、ポップなそれこれで面白かったのであります

特に焚火については、3幅の軸なんだけれども、
左右に焚き火を囲む人物、真ん中に焚き火という構図になっていて
それぞれ一枚一枚でも面白いんだが、
三枚並んでいるときの、独特の間合いというか、
なんか印象が凄く好きなのでありました
あれが飾ってある部屋というのがあれば、
それは本当、いいなぁなんて思い描いてしまう魅力があったのであります

もう一本、飛泉というのも凄く印象的な作品でありまして
瀧の図なんだろうけども、遠くから見て、本当にそこが瀧のようにも見えるほど
特に精緻さや、精彩さがあるわけでないのに
強く印象づけられる迫力があってステキであります
ひところ写真で滝を撮る練習をしていたけども、
まさにあの感じを絵で、いとも簡単に記しているというのが
あの表現が滝にとって一番よいとわかって描いているんだなと
しみじみ思い知らされたのでありました
これもシンプルになっている、墨だけなのに
奥深い、なんだったら、音が聞こえてくるような
みずみずしさみたいなのを感じたのでありました

このほかも、通常展示のほうでも、大観が結構飾られていて
案外というか、かなりの作品が作られたんだなと思いつつ、
落款だとかあれこれ見てまわれば、
あまりにも種類がいっぱいありすぎて
ひょっとすると、どれかはニセモノなんじゃねぇかと疑ったりしたり
なんだかんだ、楽しく過ごせたのでありました

通常展のほうで、まったく別物ながら
マティスとピカソの展示をしていて
ちょうど原田マハさんの短編を読んでいたので
タイムリーに楽しめたのもよかったのであります
そうか、こういう展示のもっと凄いのを
あの作品では思い描いていたんだななんて追体験みたいなのができて

まぁ、特に素養があるわけでもないが
美術鑑賞を楽しんだのであります

ターナー展 風景の詩

2018-05-10 21:03:01 | 陶磁器を探す旅と名物
京都文化博物館なる場所でやっていました、
ターナーというイギリスの画家に関する絵画展であります
絵画、それも洋画なんてまったく知らない分野でありましたが
知り合いから無料チケットを貰ったという
ゲスな感じで見てきたのでありますが
いや、驚いた、凄い人気なんでありますね
先日のゴッホ展といい、絵画への興味が様々な人で高い様子で
今回のこれも、相当の賑わいの中見てきたのであります

まるで写真のような美しい風景画を描く画家のようで、
海や山の風景なんかが、相当の写実性を持って再現されていました
正直写真じゃないかと思ったのもいくつかあったんだが、
独特のといえばいいか、いかにも絵画ならではの省略が
かっこいいというか、ステキな絵だなと
素直に感動するものばかりで驚いたのであります

画家として、生前から大成していた人物のようで、
さらには自分の作品を版画にして、幅広く楽しんでもらうように
版画工を育成したり、そういうプロデュースもしていたんだそうで
実業家としても立派だったのではないかと思われるところ、
小説や、詩の挿絵なんかも手がけていて
その作品がこれまた、創造的で素晴らしいと感じたのであります

かなり細やかな水彩画が多かったのでありますが、
印象に残ったのは、チケットやポスターになっていた絵ではなく、
むしろ抽象画みたいな作品で、
ある種このターナーらしくないものだったかもしれないそれでありました
と、どんな作品だったか、作品名を探そうとしたんだが
ホームページとかに目録がないんだなこれが、
ともかく、画面下が薄ぼんやりと黄色く塗られていて、
どうも、海岸べりみたいな雰囲気で、ともかく全体的に淡い、
一見すると、ただ絵の具を薄く延ばしただけじゃないかと思うような
不思議極まりないそれであります
写実性から随分遠のいたように感じたんだが、
なんか、海岸っぽいなと思うと、そう認識できそうなぎりぎりの感じが、
その作品を見るまでに、写実的なそれこれを見たことも手伝って、
自分の中で想像できるみたいな作品で、
そんな意図はないのだろうけども、興味深い体験だったと思うのであります

まぁ、何せ、抜群に上手かったんだそうで、
17歳くらいで、既にとんでもない写実性の高さの作品を発表していたり、
取り入れている技法もかなり熟練熟達しているんだそうで、
職人といえばいいか、技についても天才肌の画家だったようでありました
また、彼の風景画が、当時旅行をする人の心を沸き立たせていたようで、
そう考えると、日本における浮世絵、東海道シリーズとかに通ずるものでもあるのかなと
ちょっと感じたりしたのであります
この絵をもって、どんなところか想像し、行けないまでも楽しんだことが
当時の人の間にあったのかもしれない

なかなかに感動しつつ、楽しく見終えて、
洋画家の名前を一人覚えた、そんな春なのであります

【読書】アジア陶芸史

2018-02-21 23:51:44 | 陶磁器を探す旅と名物
アジア陶芸史  著:出川 哲朗、中ノ堂 一信、弓場 紀知ほか

学術書に近い読み物でありました
だいぶ長かったが、ほとんどが年号と場所なので、
かなり読み飛ばしとなってしまったのでありますが、
アジアにおける陶芸の成り立ちが
よくよくわかるもので、非常に楽しく読めました
こんな本が読めるほど、おっさんになったんだなと
しみじみ感激しているのである

さておき、中国、朝鮮、日本を主にして、
東南アジア方面もカバーしつつ、
それぞれの地域で発達し、また影響を及ぼしてきた
陶器、磁器それぞれについてが
つまびらかにされておりまして、
中国での磁器生産の趨勢なんかが、非常にわかりやすく、
これでようやっと、故宮博物院で見てきたそれこれが
なんとなくわかったように思えて
なかなかに満足だったのであります

どの窯が先立ち、それがどのような政治背景によって
発展、そして技術を革新してきたかという部分が
大変に面白くてよかった
いつだって、技術は求められて上達するものでありまして
その影響の大きさというのが、興味深いのでありました
輸出品として、経済の中核を担うものでもあった陶磁器生産というのが
よくよく考えてみれば、もっとクローズアップされて
しかるべきだよなとも思わされて、
グローバル経済のさきがけといっても差し支えないのではないかと
その技術の良し悪し、そして、それに魅了される世界中の人々というのが
なかなか面白く読めたのであります

中国の影響を受けたり、また独自の技術を発展させたりと
様々なことがあった、朝鮮磁器についても面白く、
白磁と青磁のそれぞれの成り立ちがありながら
近代に、やたら青磁が多かったのが
日本による懐古主義の押し付けであったというのが興味深いところ
それによって、技術が復活したり、永らえたりしたという事実もあるというのが
なかなか不思議というか、歴史だなと思わされたりしたのでありました
これもまた、芸術家というジャンルがからむものであるからして、
カウンターも生まれて、より発展を促していくのも
頷けるところなのでありました

日本の歴史については、流石に詳しくて
六古窯の成り立ちから、美濃瀬戸での陶器の発展、
そして磁器が有田や様々な地域で作られるようになるといったところから
近現代に至るまでがわかりやすく解説というか、並べられていたので
勉強にほどよいと感じたのでありました
知ったふりをしている部分が、補完されたようでもあるが
全部をすんなり覚えられたわけではないので
また、どっかの機会でこれを読み返さないといけないかもとも思ったりするのである

惜しいのは、写真が結構いっぱい載ってるのに
白黒ばかりというところでありまして、
いくつか、本物見たなと思い出せるものもあったのだけども、
色つきで見たかったなと感じたりなんだったり
思ったりしながら、結局こういうものは
実物を足しげくかよって見るべきものだわと
結論づけたのであるが
座学に適した本でありました

国宝展 第4期

2017-11-24 21:44:49 | 陶磁器を探す旅と名物
一ヶ月前に続いて、第四期の国宝展を見てきました
今回は空いているのではないかと期待して
夕方からの拝観を試みたんですが、
いやもう、全然無理、凄い人数がいてやんの
どうなってんだ京都、いや国宝
そうげんなりしながらも、京都に久しぶりに戻ってきた尾形光琳やら
大井戸茶碗なんかも見て、なかなか楽しく過ごしたのでありました

第四期の見所は、源頼朝の図でありました
ああ、あの教科書にのってるやつ
そういうのの定番中の定番といっても過言ではないそれ
しかも、あれは三幅あって、そのうちのひとつだったと
今回見て初めて知ったのでありました
平重盛と藤原の何某が同じような図案でかかれていて
頼朝だけが、右向きになっているのが不思議でありましたけども
一番凛々しいというか、保存状態と顔の造詣がイケていたように思うのであります
やはり天下人ゆえんだろうか

大好きな陶磁器関係については、あまりなくて
東洋陶磁美術館の油滴天目がにぎわいをみせていたくらいで
通期展示していた卯の花垣、冒頭の喜左衛門井戸くらいでありました
御物あずかりの青磁もあって、思わず顔がほころんでしまったのでありますが
あれは宋としか書いてなくて、汝窯っぽい色だけども
南宋官窯あたりなんだろうかなと素人なりに思ったりしてたのえありました

そんな中、今回一番目を見張ったというか、
初めて見たと興奮してしまったのが、あの、円山応挙、
鑑定団で出てきたら9割がた偽者といわれる、あの円山応挙の雪松図屏風でありました
これが、流石近世といっていいのか、それまでの歴史を感じさせるそれと
異なるように見られる、見事なあでやかさ、白と黒だけなのに、
目に鮮やかな松と雪の姿が見事で、遠くから眺めるとまた
一段と素晴らしいできばえで惚れ惚れとしたのであります
本当に凄い一品だった、テキスタイルと呼んでもいいのか、イラストのようでもあり
見事だったのであります、大興奮

あとは、中国と日本の孔雀明王図が見られたことと、
火炎型土器のNo6なる、前回みたのより小ぶりのものが見られたのが
感動の一端でありました
これらは、まぁ、なるほどなというくらいだったんだけども
心躍る体験だったのは間違いないと感じたのであります

見たものすべてが国宝だというのが
この展覧会の一番凄いところなんでありますが、
自分の趣味に合致したものはいわずもがな、
そうではないものでも、言い得ぬ迫力を味わうことができて
なかなか充実した鑑賞になったと
勝手に感心、感動している次第でありました
非常に面白かった、死ぬ前に見ておけてよかったなんて
思うような冬間近であります

国宝展

2017-10-25 20:05:18 | 陶磁器を探す旅と名物
京都国立博物館の開館120年記念の特別展覧会
その第二期に行ってきて、いたく感激したので
そのメモを置いておこうと思うのであります

目的というか、一番見たかったのは
耀変天目茶碗、それも大徳寺耀変天目であります
世に3つの耀変天目が知られる中で、
このひとつだけ見たことがなかった
おそらく外に出てくる機会がほとんどない一品だと思われる
これが見られるというのなら、
そりゃ見に行くしかなかろう
そう信じたというか、それをしたいがために行ったのであります
実際にそれを見て、この感動、なかなか筆舌に尽くしがたい

見込みに見事な青色が浮く、
白い星は小さく、不規則なのに、星空のように浮かぶ
星の色もただ白いのではなく、浮くような不思議な色を持ち、
青色の光とともに、世の中で一番いわれている小宇宙の様相を作っている

この迫力というか美しさは、ほかにどうとも言い表せない
実に凄いものを見たと感激ひとしおだったのでありました
凄い、すばらしい、稲葉天目の星に近いけども、
それよりも小さくつつしみ深い感じが見事と思えたのであります

展示も気を使われていて、間近で見られる機会と少し遠くから見られる機会と
そう案内されたのでありますが、こればかりは間近で見ないといけない
あの見込みにある青は、じっくりとそばで見ないとわからない
何よりも、星の光が違うなんて、興奮さめやらぬ感じで
見終えてきたのでありました、本当にあれは凄いものだ

と、これ以外も国宝がぞろぞろと展示されていまして、
個人的にいいなというか、これまでなかなか見る機会がなかった
土偶のシリーズに感激ひとしお、それぞれ異名がつけられていて
縄文の女神、仮面の女神、縄文のビーナスと3体が展示されていて
とりわけ、縄文の女神がかっこよかった、
いや、3つとも現代アートの陶人形だといっても差し支えないほど
スタイリッシュで、かっこいいのでありました
縄文の女神が、ベルボトムのジーンズをはいているかのような
足の造詣がステキで、いや、全体のバランスが見事な
根本的な何かが、かっこいい、と思わせてくれるスタイリッシュさに脱帽だったのであります

さらには、雪舟の絵が本邦初の6点同時展示やら、
教科書、美術本さまざまな写真で見てきた
仏像、絵図、掛け軸ありとあらゆる国宝が見られるということで
まぁ、楽しいことこのうえないのでありました

4度の展示替えがあるということで、
本来なら全部見たかったと物凄く残念に思うところでありますが
この展示会の盛況っぷりも、なかなか筆舌に尽くしがたいところで
一気に全部見られるというのも素晴らしいことだけども
やっぱり、いいものをじっくりと静かに見たいものだなと
美術館鑑賞について、改めて思い知ることもあったりして
なかなか充実した展覧会経験をしたと思うのでありました

俵屋宗達の風神雷神の本物も始めてみましたが、
そのコーナーにひっそりと、志野茶碗「卯の花垣」もあって、
大変満足できたのでありました
陶磁器のほうでは、さらに、飛青磁と万声の龍泉窯の一級品も居て
非常に満足だったのでありました
様々なものと一緒にみる陶磁器の国宝というのは
また違う魅力に気付かせてくれるようでもあると
感嘆したのでありました、以前に見たよりも卯の花垣が大きくというか
迫力をもって見られたのも不思議なところ
以前見たときは、近世の志野茶碗と並べてみたから小さいと感じたと思うんだが
実際は、ほどよいサイズでもあるなと感じたりして
そもそも、風神雷神と並べて、時代を感じながら見学するというのも
ロマンあふれていて、よかったと思うのであります

ともかく、感激と感動を催した
実によい展覧会を見たとメモしておくのでありました
よかった、もう一度、二度と見たいと思える
ステキなそれこればかりであります

京都国立博物館  海北友松展

2017-05-04 22:18:11 | 陶磁器を探す旅と名物
物凄い久しぶりに京都国立博物館へ行ってきました
リニューアルしてから初だったので、
いったい何年ぶりだという感じであります
知り合いのすすめで、まったく予備知識なく見てきたのでありますが
とても素晴らしいというか、京都の寺社は、やっぱりあれこれ持ってるなと
改めて思い知らされた品が勢ぞろいだったと思うのであります

海北友松(かいほうゆうしょう)
桃山時代に、狩野永徳、長谷川等伯に並び尊ばれる絵師だそうで、
正直さっぱり知らなかったんですが、
建仁寺に、龍を書いたといえば、ああ、あの龍かと
思い起こされるそれこれの作者でありました
復元された天井絵のほうではなく、
今回は、建仁寺からちゃんと秘蔵の掛け軸として、
本物の龍が来ていて、凄まじい迫力だったので
それをまずメモっておくのでありました

一番の見所は、前述の通り、建仁寺の雲龍図であろうと思うのですが、
それ以外にも、様々な巨大絵を描いていまして、
いずれもお寺に奉納されていて、まずもって、見ることが叶わない名品ばかりであります
龍にまつわるシリーズが何点かありましたけども、
現在の建仁寺でさらっと見られる、コピーの襖絵の数々の元絵が
この人の作品だったようで、
ああ、見たことあるなと思うようなのが何点も出てきて
興味深いところでありました

もうひとつ、これはと思わされたのが猿図でありまして、
たしか、こんな感じの猿の絵って、南禅寺に長谷川等伯の筆でなかったかしらと
思わされるような猿の、大きな絵だったわけでありますが、
これが、よりコミカルというか、この作者は
全体的に動物がコミカルで、マンガというか戯画チックなところが
見所だと感じたのであります
平たくいうと、そんなに上手いとか思うようなそれとは
ちょっと路線が違うと感じたのであります

植物の絵も、ある種定型化しているようで、
今回展示はどれも似た構図で、決まっているようにも見えて
非常に興味深いところでありました
今回新たに発掘された新作というのも展示されていて、
追っかけている人には垂涎のそれだったのでありましょうけども、
私のような素人には、その妙がわかるはずもなく、
一点だけ展示されていた、ゆかりの品で、瀬戸肩衝の茶入が
非常に魅力的でよかったと思うのであります

秋には、国宝展をやるんだそうで
また見に行かないといけないねと思ったりしつつ
久しぶりに堪能したのでありましたとさ

幸兵衛窯 引き出し黒の技

2016-06-08 21:23:06 | 陶磁器を探す旅と名物
去年のことをいまさらという具合です
すっかり贔屓にというと、すげぇ買ってるようですが
当方そんな生活余力があるはずもないので、
ひっそりと眺める専門で生きているわけですけども、
美濃焼では、一等と個人的に思っています市之倉界隈、
そこで名門なんていうとまた違うんだが、
年に一度は訪れてしまう、幸兵衛窯のお話であります

秋の蔵出し市が開催されていたとき、
一帯がやんやの陶器市で賑わい、
あらあらまぁまぁステキねぇなんて、
鼻息あらく、あれこれと見て回っていたわけであります
いつものとおり、幸兵衛窯も見てまいりました


ラスター彩陶の大皿
加藤卓男さんの作でありまして、このラスター光が、
本当に見事というか、いつまでも見ていたいと感激ひとしおだったのであります
いつものとおり、このほかにも、
様々な展示品を見ては、いいなぁ、欲しいなぁと
指をくわえてみてただけだったのですけども
今回運よく、窯だしイベントに遭遇、

窯だしをしていたのは、亮太郎さんでありまして、
簡単な説明とともに、「引き出し黒」の実演というわけで、
にわかに活気付いてくるというか、ちょっと、
真剣に凄い場面に遭遇したと慄いた次第

「引き出し黒」については、文献で知った風でありますから、
実際のところはよくわかっていなかったというか、
出来上がりの風合いとか、そういうのは見たことあると
その程度だったわけであります
窯から出した後、急速に冷えていく過程で釉薬が黒くなると
まあそういうお話だったと思うところ
温度とともに、コツがあったと記憶していますが
そのあたりの説明をしていただいたあと、
まぁ、能書きなんぞどうでもよいといわぬばかりに
その場面に魅入られたのでありました、凄かった


窯から出てくる茶碗
赤いというか、黄色いというか、まさに灼熱であります
長めのやっとこみたいなのでつまんで出てきたところ


そしてこの対比、先に出されていた茶碗との色変化が
まぁ、なんというか見事、美しい、素晴らしい


やがて冷えてくると、色が落ち着いて
引き出し黒となるのでありました、凄い、
真剣に震えたのであります
さらに、この冷えていくときに、釉薬が割れる、
いわゆる貫入が入るときに出る音が凄まじく美しい、
高い金属音にも似て、楽器を奏でるような音が、
キンキンキンキン・・・・なんて、ずっと鳴っている、
この音の繊細さというか、初めて聞く音色に感動したのでありました


ずらずらと、その後もたくさん出てきて
下の敷き藁に燃え移ったりと大迫力でありましたけども
大変貴重なものを見たと、自慢話がてら
書こうと思って忘れていた話題を一つ
さらしておくのでありました

「引き出し黒」と書いてみたものの、実際そうなのかは、
専門家に任せるところでありまして、
話によると、水冷するパターンのがそれだとかそうでもないとか、
そうなると、今回のはまた違うのか?よくわからんなと
勉強足らぬところでありますが、
この陶芸の美に魅了されたのは本当なので
したためておくのでありました、凄いよかった、本当にもう

細見美術館  春画展

2016-06-02 21:30:18 | 陶磁器を探す旅と名物
随分前になりますが、話題になっていた春画展を見ておりました
京都は細見美術館で催されていたわけですが、
あんなに混雑してる美術館は、初めてだったというくらい
とんでもない行列、そして、行列のまま美術品を流れてみにいく
しかも、エロ本(注:春画)
なんともいえぬシュールな体験だったわけですが、
俄然面白かったというか、話題になるだけあるなと
改めて感心しきり、堪能したのでありました

まず、客層に驚く
思いのほかというか、男女比が、4:6くらいで女性が多い、
しかも女性が若いというのに驚愕でありました
男性については、40が見えてきたくらいの自分がまだ
若手に数えてもいいんじゃないかというくらいで
年季の入った先達が、われもわれもと並んでいるのが衝撃でありまして
この雰囲気からして独特だなと息を呑んだのであります

展示内容は、どれくらいの名品なのか
正直知識がないので、まったくわからなかったものの、
かの有名な、蛸と海女があったり、有名な版画師の作品がいくつも見られたので
これはひょっとせんでも、凄いものだったんじゃないかと
興奮でありました
内容はただのエロ絵なわけでありますが、
やっぱりネームバリューのある人のは違うというか、
エロ絵なのに、上手いなぁと、素直に感心といえばいいか、
感動とも違う、ああ、うまい、とつぶやいてしまう説得力があったのであります

とはいえ、やはりテーマはエロ絵であります
上手い下手よりも、もっと重要な、そこに情熱が宿るかどうかというのがありまして、
これについては、昔の日本人はすげぇなと感心しきりといえばいいか、
なんだろうか、二週くらい回った感じで、面白いとか、笑えるという
陰鬱ではなく、根明な感じで見てられたのが印象的でありました

さほどのうまくないといっても差支えが無い筆で、
文字通り乳繰り合う男女が描かれているのは
とんでもなく微笑ましく、
おっさんが、おねーちゃんの乳首をつまんでいる図という、
もうこれだけで笑ってしまうのがあったんだが、
すっげぇうれしそうな男の顔と、
ものすごく「まんざらでもない」感じが出ている女性と
本当、素晴らしいとしか言いようが無い
江戸時代の頃から、すでにおっぱいに何かしら思うところがあったのも
衝撃といえば衝撃でありました、
おっぱいについては、西洋からの風習だと思ってたんだが違うもんだな

そのほかにも、日露戦争時に兵隊さんが持っていったエロ豆本だとか、
いや、これについては日露の頃まで、この絵柄がエロかったんだと
それも衝撃だったわけでありますところ
あとは作家さんによっての味というか、癖なんかも見えるほど面白く、
鎧武者の襖で、前立て部分をめくると、陰部が見える仕掛けとか
誰がどう楽しもうと考えたのか、頭を垂れたくなる品々に
感激というか、本当、先達の創意工夫に度肝を抜かれたのでありました

もっとあれこれあったんだが、そちこち書きなぐるのもどうなのか
とりあえずこのあたりでとどめておくけども、
また別の展覧会があったら、見たいなぁと思うのでありました
凄く面白かった

佐川美術館  没後400年 古田織部展

2015-11-05 21:05:19 | 陶磁器を探す旅と名物
先日の熱田神宮宝物館に続いて、
古田織部展であります
今回は、滋賀県守山にあります佐川美術館にて

見所は、「勢高肩衝」「御所丸茶碗」「九州島津の茶入」
このあたりでありましょうか、暗にしてというか
もろにといっていいのか、漫画「へうげもの」で見たそれこれが
これ見よがしに展示されておりました
いずれも非常に楽しかった
勢高と、御所丸は別で見たことがあったけども、
九州の高取、唐津の茶入はちょっと感激してしまいました
本当にあんな感じだったのか、
熱田神宮にあった、織部焼の背が高い茶入れを本歌にしたのかわからんが、
大変興味深いそれこれでありました

結構な数の唐津焼の器もあれこれとありまして、
興奮冷めやらぬ感じで見てまわり
最近、じっと目を鍛えようと努力しております
黄瀬戸も、数点あったので、あの油揚げ手というやつを
じっくりとっくり目に焼き付けたりしたのでありました
大変眼福である

茶碗については、へうげをイメージしているからか、
いわゆる歪みの沓茶碗メインでありまして、
これもまぁ、最近見過ぎたというか、
ちょっと食傷気味ではあるなと、感想を抱いてしまったのでありますけども
一点、古織自ら、花押を入れている茶碗というのが
ちょっと驚きというか、そんなのあるのかと
目を見張ったのでありますけども、
なかなかどうして、歴史を見たようで楽しかったのであります

茶碗や、茶道具ばかりではなく、鎧なんかも飾られておりまして、
面白い兜シリーズとかは、見ていてほしいと思うような
ステキな品揃えで満足、
振り上げた拳に仏器を握り締めてるやつは、
斬新だといつも思うんだけど、あれを大河ドラマとかで
誰かつけてくれねぇかなと、本当、あのデザインには参ってしまうのでありました

そのほか、これを受けたわけでもないでしょうが、
楽吉左衛門館でも、織部をイメージした
アフリカンシリーズという器が展示されておりまして、
それに混じって、桃山陶もあって、なかなか
見所たっぷりでございました
照明の具合だけで、古いというか、桃山陶も、
現代美術めいて見えてしまうというのが
私の目の腐っているところだなと満足であります
こういう、わかったふりをしているところを
痛快にぶち破られるのが、最近楽しいと思ったりである

そんなわけで、すっかり楽しんできたのでありましたとさ
しかし、人気があると見えて、結構な混雑ぶりに
陶磁器の魅力を改めて思い知るのでありました

観峯館 華麗なる清朝後期の書画

2015-10-29 21:15:07 | 陶磁器を探す旅と名物
滋賀県は能登川にあります書に関する美術館であります
知り合いにチケット貰ったと
まぁそういう他愛のない理由で見に行ったのですが、
滋賀県にこんなところあったのかと、
ちょっと驚いたのでありました

創設というか、記念されている
原田観峰氏というのが日本習字の創始者に連なるだとかなんとかで、
習字の立派な先生というところでありましょうか、
悪い癖でネットの評判なんぞ見ていますと、
かなりあしざまに叩かれたりしているあたり、
しっかりした実業家というか、習字というのを広めた人なんだろうなと
おぼろげながらに思ったりしたのであります

字が下手すぎる自分にとっては、
そもそも筆で書かれている文字というだけでありがたいので
まぁ、見ていてなるほどなぁなんて、
わかったようなふりしつつ、じっと眺めて、
趣味というか、とめはねっで学んだ隷書だけは
みっちりと見ていきたいと、その写しなんかを
ありがたく拝見したのでありました

結構な大きさの展示館でありまして、
先生が収集した中国の書画に加えて、
面白げな豆本やら、お手本なんかがありあり、
そうかと思えば、中国趣味の骨董品が様々においてあって
正直、こっちのほうが凄く興味あったりだったのであります

玉をちりばめた置物だとか、中国趣味、それも
清朝くらいのそれこれが、なんというか、
とても楽しく見られるので、これはこれで随分と楽しめるのでありました

あとは、なぜかわからないが、
西洋アンティークまで展示してあるブースがありまして、
中に、西洋アンティークといいつつ、T型フォードとか、
もう何がどうなってるか、わからない感じの
とりとめない美術館、いや、これは博物館といったほうがいいのか
そういう雰囲気で、なんだかんだ楽しめたのでありましたとさ

隷書については、玄宗皇帝の筆を写したものがありまして
それが大変ありがたいと、じっと見てきたのでありましたとさ
見ていて上手いと思うけど、自分では絶対書けないのが不思議でなりませんね

熱田神宮宝物館 利休を超えた織部とは?

2015-10-10 23:35:34 | 陶磁器を探す旅と名物
というわけで、企画展にいってまいりました
京都の本能寺にきたときに見ようかと思ってましたが
機会があって、熱田神宮で見られたので
そのことを少々

最近、NHKやら、方々の展覧会やらで
めっぽうクローズアップされている古田織部にまつわるそれこれ
その嚆矢といっていいのか、織部好みを集めた
なかなか面白い展覧会でありました

結構な数の古田織部美術館所蔵のそれこれでしたけども、
それ以外にも、解説によると相国寺の立派な人のコレクションが
相当数集まった貴重な機会になっているのだそうで
興奮さめやらぬというところであります

織部好みにクローズアップしているため、
実際に織部にちなんだものも多くありますが、
それ以外にいわゆる、ひづみ、ゆがみ、たわみといった
変形のそれこれがこれでもかと集められておりまして、
桃山陶も多くて垂涎のそれこれでありました
茶入のいわゆる背高の形があんなにいっぱい出てくるとは
ちょっと期待以上によかったのでありました

しっかりじっくりとなめるように見ることができなかったので
さらっと流しただけの観賞になってしまったのですが
それでも、大振りの水差し数点はどれもこれも
ゆがめつつも面白いそれを残していて
これは確かに、一つ共通する趣があるななどと
玄人ぶったことを思い知ったりした次第

あとは、書がかなり充実しておりまして、
さすが熱田神宮といったらいいのか、
信長、秀吉、家康まではともかくとしながら、
信雄、秀頼、秀忠の書が並んでいたり、
さらには、細川藤孝のそれがあって目を見張ってしまった
一人だけ、抜群に上手いでやんの
さすが幽斎と、うなってしまったのであります
圧倒的達筆でありました、恐ろしい

戦国物が多かったのもあるのでしょうが、
全体的に大振りというか、ともかく大きい茶碗が多くて、
昔の人は大きかったんじゃなかろうかと
そう思わされるような、顔なんぞ当然隠れて
頭くらいの大きさの沓茶碗の数々に、うなってきたのでありました

織部、志野、そして唐津の個人所蔵品も多くて、
渋い、いい展示会だと感心しきり
堪能したのでありましたとさ
しかし、タイトルの通り、すでに利休を超えた扱いになっているのが
一番面白いところだと思ったのだけども
なんというかな、流行というやつかしらと
思ったりするのです

幸兵衛窯のラスター彩陶器を見る

2015-09-24 20:53:32 | 陶磁器を探す旅と名物
ここ二週間くらいで、ラスター彩陶に
魅入られて振り回されてと過ごしたので
メモっておく次第であります

先々週くらいだったと思いますが、
とあるオークションで、
加藤卓男さんのラスター彩酒器が出ておりまして、
これ本気で欲しいな
などと思って、じっと眺めていたら、
あれよあれよと予算の倍ほどの値段になって
品ではなく、肩を落としたと
まぁそんな具合だったわけでありますけども
本当、いいなぁとつくづく思いつめて
こりゃ久しぶりに本物を見に行こうなんて
ぶらり市之倉は幸兵衛窯までいってきました

近々蔵出し市が行われるので、
それはそれで見に行く予定なのでありますが
空いているときに見ておこうと
幸兵衛窯の展示品を見てきたのでありました
七代さんのラスターも販売されておりまして、
これもいいなぁなんて思ってたわけですが、
個人的な趣味でいうと、
やっぱり卓男さんの絵が好きだなと
なんとも気が抜けたような、
ちょっと棟方志功を彷彿とさせるような
実に素晴らしい姫絵を思ったりするのでありました

さて、展示品
数年前に見たときと、
ほとんど変化はないのでありますけども
かなり目が鍛えられた現在、
ラスター彩陶をあらためて見て
ああ、これは本当にいい
なんて、嘆息見舞ってきたのでありました

二階のスペースに展示されている品々でありますけども、
やっぱりこれはと思うのが、水差しであります
いかにもペルシャという造形に、
私の好きな姫絵が鮮やか、いつも思うんだが、
凄くいい品なのに、屈折するガラスの向こうに展示されてるから
そのよさを満喫できないのが
つくづく残念であります、でもよかった
あれ本当にいいものだな

それとは別に、まだ卓男さんが
ラスター彩の作成方法を見つける前に、
こんなのを作ってみたいなぁと金彩で作ったという、
プロトタイプの盃が数点展示されてまして、
これがまた、ほとんど現在のラスター彩と同じ色でありまして、
さらにいうと、テスト版だからか、
よりいっそう手を抜いたかのように
するする描かれた姫絵が見事、これ本当に欲しいなと
生唾を飲んでしまったのであります
今回、一番の発見はこれであります
あれ見に行くだけに、また訪れてもいいかもしれない

そのほか、以前にも感心しきりだった
古い陶片も、今だからわかるというか
見方、見立てというのを自分なりに工夫して眺める
これを覚えておけば、怪しい骨董に惑わされることも
なくなるだろう、なくなって欲しい
なんて思ったりしたのであります

高麗青磁と白磁も少々ありましたが、
これについては、東洋陶磁美術館で目を鍛えたせいか
そこまでではないなんて、偉そうなことを覚えたものであります

と、まぁ、なんだかんだ300円で満喫してきた次第でありますが
ラスター彩は数が少ないということも含めて
一つ欲しいなぁと、もだえるように書いておくのであります
あぶく銭がわいてこないかしら

2015年常滑焼祭

2015-09-02 20:52:34 | 陶磁器を探す旅と名物
8月の終わりほどでありましたけども、
昨年いけなかった、常滑焼祭にふらっといってきました
今年は、今までになく初日の花火を見て
二日目に焼き物めぐりをするという感じで、
これまでと違う楽しみを味わったのであります

まず花火

ちょっと馬鹿にしていたといいますか、
1500発は少ないんじゃないかしらと
やや風が強いなか、常滑は空港近くの広々とした場所から見ていたのですけども
これがちょっと驚いた、思った以上に凄い、いや
はっきりいうと感動してしまったのであります

花火見るのが、だいたい久しぶりだなと思ったのですが
まぁ、ちょっと見ていない間に、スターマイン以外にも
様々な綺麗な花火ができているものでありまして、
これが、テンポよくというか、
この花火を揚げるというワザ自体もレベルが上がってんじゃないか
そう思うほど、リズミカルというか、
見ていて飽きない美しさと華々しさに
拍手喝采してきたのであります
いいものを見た、来年はあのあたりに新しい建物が建つだろうから
もう見られないと思うけども、花火あなどりがたし

初日はCBCも力を入れていたと聞いていましたので
混雑を避けて花火だけで終えたわけであります

そして二日目に、いよいよ本番とばかりに
焼き物探しに邁進、まずは本会場へいったのですが
こちらが、なんだろう、年をおうごとに縮小しているかのような
なんか感動とか、感激が少ないと感じてしまったのでありました
実際、出ている作家さんの数が減ってんじゃないか
面白いのは面白いのだけども、
なんとも、消化不良な感じだったのでありました
伝統工芸士コーナーが縮小してたような気がしてならんのだが
どうなんだろうかしらね、残念であります

とはいえ、あれもこれもと楽しく見てまわり、
新人作家さんエリアは、新しい人がまた増えていたので
それこれをじっくりと堪能したのでありました

そして足早にセラモールに移動移動
こちらは、これまたずいぶんの人手でありまして、
本会場より圧倒的に小さいのはわかってるけども
なんか、いつになくごった返していたという印象でした
しっかり安くなっていたので、ついつい、
引越し控えているにもかかわらず買ってしまったりと
頭を抱える自体になったのもよい思い出でありますところ

今回は、方円館さんで個展を開いていました
山本淳平さんという作家さんが見事でありまして、
私がいったときには、すでに大半が売約済みになってるという
なんだろう、個展でこんなに人気のある人
初めてみたんじゃないかしら、そう思うほど驚いたのであります
年のころは同じくらいか、もっと若いかといったくらいなのに
実に独特の世界観で、陶板や陶人形を芸術に昇華したそれこれで
大変興味深く拝見したのであります
ちょっとこれまで見たことがない、
陶芸家というよりも、完全に芸術家という感じでありました

実際は常滑ではなく、河和の方だと聞いたのですが
非常に注目の作家さんではないかと
メモっておくのであります
今年一番の収穫であります

東洋陶磁美術館 黄金時代の茶道具展

2015-07-16 20:51:08 | 陶磁器を探す旅と名物
少し前になりますが、数々の茶の湯の名品が集まるということで
なんとしてでもと見てまいりました
久しぶりにいってきたけども、やっぱり面白い
いいものを見たと、
眼福このうえないこと、とてつもなく堪能したのであります

内容は、大阪の陣400年記念事業とのことで、
何がどう記念なのかわかりませんけども、
いわゆる戦国時代に聞こえ伝わる名品たちが
ずらずらと並んでおりまして、
へうげもの読者としては、大変楽しめたのであります

特に今回は、ずっと見たいと思いつつ
わざわざ、根津美術館までいけないと
袖をかんで悔やんでおりました
狂言袴の引き木がやってくるということで、
もうこれだけでも十分だと
本当、まさにこれをと見てきたのであります

狂言袴については、もう一点、金森だったか、遠州だったかが
持っていたというそれもありましたけども、
やっぱり、引き木であります
実物を見て感嘆しましたけども、
あんなに背が高いというか、あれだと
茶碗に見立てたにしても、茶を点てることができたんだろうかと
不思議に思うほどの異形というか、背高で
興奮しきりでありました、面白い、いいなぁ

そのほかにも、荒木高麗、柴田井戸、耀変天目等々、
一等の茶碗が勢ぞろいといったところで
非常に満足だったのであります
後期展でいったため、灰被天目、青磁香炉の千鳥なんかが見られなかったけども
十分に楽しめたのでありました

あとは、秀吉が持っていたという
青磁の筒状の花生がこれまた見事で、
あれは初めてみたけども、宋のそれだったのか
見事な色だとあっけにとられたのでありました

このほか、通常展のほうでも
ずっと見たかった、唐三彩宝相華のツボだとか、
李朝青磁の洗だとか、やっぱり
青磁白磁については、こちらを見るべきよなと
つくづく感心したのでありました
今回、白磁はほとんどなかったのが残念でありましたが
やっぱり、青磁について、龍泉窯のそれこれは
たまらんなぁと嘆息見舞ってきたのであります

定期的に通わないといけないと
思ったりしつつ、大変よいものを見たという
報告だったのでありましたとさ