CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

指の戯れ

2005-09-14 08:27:41 | 読書感想文とか読み物レビウー
指の戯れ 山田詠美

というわけで、また山田エイミーの小説を読んでしまいました
これまた古い作品で、前回読んだジェシーの背骨の1個前、
そのせいか、そのためか、そうだからなのか
露骨な性描写やら、なかなかエキセントリックな展開が
ひとつの恋愛にまつわるお話になっていたように思います

しかし、わたくしこのごろ読み返すまで
全然意識してませんでしたが
山田詠美も姉作家なのだなとつくづく
そしてSM要素が重要なのかしらというほど
女がS、そして男はドMでないといけないような
そういう具合であります

表層的には、肉体関係を結ぶ行為において
どちらかが奉仕し隷属するという
上下のはっきりした関係を記されております
主人公のルイ子は、これまで数々の男を
まさに蹂躙してきており、行為の最中に
唾をはきかけて、罵声を浴びせたり
殴りかかったり、無理やり奉仕をさせたり
決して男がやりたいと言ってもやらせないという
女王っぷりを発揮しておったのですが
リロイジョーンズという田舎者を相手にしたとき
その立場が逆転してしまう

もっとも、一度振った後に現れたら
逆転するほどの魅力を備えていたのだが

今度は隷属する側へとまわったルイ子の
あわれであさましい姿と、その感情が
恋愛なのか報われない愛情を欲する行為なのかと
結構重たい調子で進むわけであります

まぁ、集約すると最後の性交シーンで
両腕両足を縛られ、男の足の指で犯され
ファックミーと叫ぶあたりで
なんというか、ああ、俺が見た洋物のあれこれは
こういうことだったのかとか
感慨深く読めたという(最低だな)
まぁ、冗談はこれくらいにしつつ
身体を欲するというのは、肉体的な快楽におぼれるよりも
相手を許容したいというか
相手の愛情を請うときのひとつの感情なのだと
そういう具合だったように思います

ラストはやっぱそうかと思うような
そうでもないような、流れるような終わり方で
ルイ子の一人の女として、それまで培った活き様を
守るために色々失った
失った以上、本当は守れていないのかもと
そういう具合でありましたが
まぁ、ともかくだ、エロいので困るなぁと
身も蓋もないことを感想としておきます

DCというまぬけな男がとてもいい具合だなと
つくづく思うのであります
上等な女はそういう行為で、行為自体に身をよじらず
行為という空間をあくまで擬似的にとらえて
その中で最高級の自慰にふけることなんだなと
そういうことが書かれていたように思う
ステキだ、本当だとしたら

そんなことを思う、姉好きのMにおすすめです