久しぶりに小説読みました
かなり古いものになりますが
山田詠美 ジェシーの背骨
以前にひよこの眼の感想文を書いた覚えがありますが
わたくし大好き山田エイミーの初期作品であります
初期だからなのか、わかりませんが
私が知ってる日本人の女と黒人男性という
カップリングではなくて、日本人ではない男女の
ラブとラブアフェアとメイクラブのお話
で、その男女間のやりとりと
どういう男がモテるのか
どういう女があさましいのか
またその逆もどうなのかといったことを
主人公の視点で描いていくという手法で
物語のはじめがあるのですが
ここに、連れ子というアクセントがつくことで
大童になるというお話
結構というか、相当ヘビーな肉体的ダメージ描写が
えげつなく続いて、しらふで読んでると
結構引いてしまうような生々しさが
異常に新鮮というか、ガキの手加減しらないとがりっぷりが
すげぇよく出ていて驚いてしまいます
ガキというのは、大人が想像している子供という
偶像ではなく、リアルに狡猾で
信じられないようなことをする異物であるという
強烈な認識をずっと続けることで
その生き物が、最終的には男というよく見知った
そしてすばらしい生き物に成長していくということ
これを見せております
主人公のココ(女性)は、リックというさえない男と
そういう関係になるのだが、その子供であるジェシーという
生き物と、おっかなびっくり触れ合っていき
最初、ココが今までしてきたとおりのことを施すと
全て、今までされたこともねぇような仕打ちにあうという
人生を根底から覆されたような恐ろしい眼にあうところから
ずいずいと後半近くまで進みます
途中、なんとか二人の距離がちぢみつつあるという
すてきな展開になるのだが、ここでエイミーは裏切る
あっさりその糸を切ってしまう
手法に関しては読んでいただきたいところだが
分かり合えるかもと思っていたのが
とても簡単に壊されるのであります
いや、壊れるのであります
ココとしては壊されるというイメージから
またジェシーを憎むことしかできなくなり
やがて、ジェシーをココが考えられる内容だけで
ひどいものだと決め付けていってしまう
ところがだ、登場人物たちはひとつも物語らないが
このジェシーの背骨という本自身は
そういうココの生き方も否定というか
それは違うという風に見せて、
ココにとっては思いも寄らぬ(当然読者も)結末になる
それはすっきりもしてないし
解決になっていないかもしれないという具合なんだが
ココほどの女でも、やっぱり
人間同士がわかりあえる、相手がこんあ奴だと
一方的に決め付けられるわけじゃない
それぞれがそれぞれ個人として確立してるみたいなー
と、そんな具合に思ったんだが
ずいぶん上等な感想になってしまいましたが
なんだろうな、エロい描写が入ろうとも
そんなのはどうだっていい、もっと
心理的な鬱屈さと窮屈さがあって、面白かったのであります
萌えるとか、ステキとか
そういうのを最近小説に求めていましたが
それとは違うところから、ああなるほど、と思えたので
この小説は立派だと思いました(偉そうだ)
面白いオチも見つからなかったので
このくらいにしておきますが、
エイミーのステキ分野である
女子の心理が、少なめなのがちょっと残念でしたが
読んで損はしない小説です
かなり古いものになりますが
山田詠美 ジェシーの背骨
以前にひよこの眼の感想文を書いた覚えがありますが
わたくし大好き山田エイミーの初期作品であります
初期だからなのか、わかりませんが
私が知ってる日本人の女と黒人男性という
カップリングではなくて、日本人ではない男女の
ラブとラブアフェアとメイクラブのお話
で、その男女間のやりとりと
どういう男がモテるのか
どういう女があさましいのか
またその逆もどうなのかといったことを
主人公の視点で描いていくという手法で
物語のはじめがあるのですが
ここに、連れ子というアクセントがつくことで
大童になるというお話
結構というか、相当ヘビーな肉体的ダメージ描写が
えげつなく続いて、しらふで読んでると
結構引いてしまうような生々しさが
異常に新鮮というか、ガキの手加減しらないとがりっぷりが
すげぇよく出ていて驚いてしまいます
ガキというのは、大人が想像している子供という
偶像ではなく、リアルに狡猾で
信じられないようなことをする異物であるという
強烈な認識をずっと続けることで
その生き物が、最終的には男というよく見知った
そしてすばらしい生き物に成長していくということ
これを見せております
主人公のココ(女性)は、リックというさえない男と
そういう関係になるのだが、その子供であるジェシーという
生き物と、おっかなびっくり触れ合っていき
最初、ココが今までしてきたとおりのことを施すと
全て、今までされたこともねぇような仕打ちにあうという
人生を根底から覆されたような恐ろしい眼にあうところから
ずいずいと後半近くまで進みます
途中、なんとか二人の距離がちぢみつつあるという
すてきな展開になるのだが、ここでエイミーは裏切る
あっさりその糸を切ってしまう
手法に関しては読んでいただきたいところだが
分かり合えるかもと思っていたのが
とても簡単に壊されるのであります
いや、壊れるのであります
ココとしては壊されるというイメージから
またジェシーを憎むことしかできなくなり
やがて、ジェシーをココが考えられる内容だけで
ひどいものだと決め付けていってしまう
ところがだ、登場人物たちはひとつも物語らないが
このジェシーの背骨という本自身は
そういうココの生き方も否定というか
それは違うという風に見せて、
ココにとっては思いも寄らぬ(当然読者も)結末になる
それはすっきりもしてないし
解決になっていないかもしれないという具合なんだが
ココほどの女でも、やっぱり
人間同士がわかりあえる、相手がこんあ奴だと
一方的に決め付けられるわけじゃない
それぞれがそれぞれ個人として確立してるみたいなー
と、そんな具合に思ったんだが
ずいぶん上等な感想になってしまいましたが
なんだろうな、エロい描写が入ろうとも
そんなのはどうだっていい、もっと
心理的な鬱屈さと窮屈さがあって、面白かったのであります
萌えるとか、ステキとか
そういうのを最近小説に求めていましたが
それとは違うところから、ああなるほど、と思えたので
この小説は立派だと思いました(偉そうだ)
面白いオチも見つからなかったので
このくらいにしておきますが、
エイミーのステキ分野である
女子の心理が、少なめなのがちょっと残念でしたが
読んで損はしない小説です