CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

見知らぬ侍

2006-05-09 08:40:42 | 読書感想文とか読み物レビウー
久しぶりに本読んだー

そんな、頭悪い感じでありますが
読書というのは続けていないと、すぐに疲れてしまって
なかなか読むという行為を続けられないのだなと
何事も体力だと痛感したこのごろ
この小説とはまったく関係ありませんが
みなさん、本は読みつづけましょう

見知らぬ侍 岡田秀文

時代小説といえばよいのか、いわゆる
お侍さんや農民やらが出てきて、江戸だか戦国だかの
そういう時代を描いた短編小説集でありました
表題の見知らぬ侍というのがメインで
全体的にミステリーな具合
本物のミステリーを読んだことがないのでわからんのですが
謎があって、それを解明していくような
そういう小説でありました
もしかしたら、鬼平とかも、こんな感じかもと思うところ

基本的に悲劇

そんな感想でありましたが、どうも悲しい
あるいは寂しい終わり方ばかりで
幸福オチ好きにはおすすめできないのであります
ネタバレせずに感想というかレビウーというのは
なかなか骨が折れるというか、おいらには無理という具合ですけども

5本の小説が掲載されており
個人的にステキ、と思ったのがハナにあたる
幻女夢行であります
・ある日、若い侍の夢の中に女が現れる
・その女となんかいい関係になってしまう
・夢に女がいるから、現実に女はいらないや
・しかし現実にもよい女が現れてしまう
・夢の女の嫉妬が始まる
そんなところであります
このなんというかな、おいおいそりゃねぇだろうと
思わせておきながらも、女の嫉妬は怖いのだわと
せつせつ感じさせる内容がステキでした
というか、やっぱ女が絡む話好きなのだ私わ
痛感であります

表題になっている見知らぬ侍も、どきどき感というか
なんだろうね、ネタバレにならなきゃいいと思いつつも
ジェヴォーギンの獣だったか、そんなような
フランス映画の話とよく似てた気がせんでもないです
特異的な文体とそれ自体が巧妙なトリックになっておりまして
読み終わったときに、はぁ?なんで?とか思いつつ
思わず読み返して、なるほどという塩梅でありました
ミステリーを読んでいると、つくづく自分の浅はかさと
踊らされっぷりがわかって切なくなります
でも好きだわ、小説ってステキよね

あと3本あって、どれも、いわくありげな具合で面白かったのでありますが
最初の上記2本がお勧めでありました
時代劇好きの人というか、時代劇が好きで
ミステリーなんかもたしなんじゃう人向けなんでしょう
そんな人、星の数ほどいそうですが、大衆向けなのであります
さらさらと読みつつも、しっかりと時代劇の気分が味わえて
個人的に、よい読み物だったわと思った次第
まぁ、総括すると、よいヨメならば夢の中だろうがなんだっていいじゃない

愛に飢えていると、少々切ない内容でありました
ああ、いい女に言い寄られてみたい(注:そんな話は無い)