CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

ヒルクライマー

2010-08-21 19:40:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
ヒルクライマー 作:高千穂 遙

自転車競技の小説でありました
サクリファイスにすっかり感化というでもないですが
自転車競技って面白そうだと興味をそそられたところ
これが名著だと聞き及び、読むにいたったのであります

サクリファイスから入ってしまったから
何か、なぞときでも出てくるかと
どきどき身構えておりましたが
なんのことはない、きっちりすっきり
徹頭徹尾のスポーツ小説でありました
こういうのは大好きであります、すがすがしい

自転車で上り坂、いや、山道を走るというのが適切なのか
そういう競技があるそうで、それがヒルクライム
それをやる人が著名となるわけですが
主人公が素人から、それにのめりこんでいく感じ
そして、まぁ、物語上しかたないとはいえ
その天才性がじわじわと発揮されていくというのは
すごく面白いのであります、現実には
そんなわけが的なことを思うんでしょうが
知らないだけに盛り上がれる、これもまた
スポーツ小説のよいところでありますね

もちろん、ただ、自転車に乗っているだけでなくて
それを通じてというのか、そもそも
自転車に乗り始めることが、生きることと直結すると
なにやら哲学めいてしまいますが
スポーツマン、違う、アスリートの性質から
その楽しさにひきこまれていく
そして、それがわからない人物がいくつか絡んできて
そこにとても素敵な物語があるといった具合で
小気味のよいテンポでありました

ただ、思った以上にストレートにそのあたりが描写というか
入ってくるわけでありまして、若干荒いというか
おいおい、性急だなと思ってしまうような展開も
みられたのでありますが、そんなことは些細なこと
ただ、自転車に乗っていくことが
とても楽しそうに見えてくる、これが重要であると
感心したのでありました

だからといって、自分で乗ろうとまでは
なかなか思わないのでありますが
金がかかるということも予め教えてくれたことが
素敵でありますと感じつつ
今度は、マラソンとかそういう関係の小説でもないかと
スポーツ小説あさりをしてしまいそうになるのでありました

面白かった