CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

民宿雪国

2011-08-13 17:00:58 | 読書感想文とか読み物レビウー
民宿雪国  作:樋口毅宏

サスペンスなのかしらと思ったりしながら、
前半はすこぶる面白く読めた小説でありました
なんだ、何が起きているんだ、短編集なのか?
いろいろ考えたりというか、わくわくをもてあましながら
つらつらと次を追ったという具合であります
叙述トリックというと聞こえがいいのですが、
考えてみると書き方がずるいだけだろうかと
思わなくもないところで、ふりまわされつつ、
わくわくを抱えて読む続けていくにつれて、あれ?とか思って

なんというか、終わってみると、なんかしょんぼりだったかもだよ
とか、そういうことを思ってしまったのが残念でありました

舞台は新潟県で、なんか複雑なといっていいのか
わかりませんが、出自やなにやらから、追いつめられた一人の人間の狂言というのか、
それを描いた作品であったように思われるのであります
二重構造でもないのですが、その秘密というか物語を暴くというスタイルでありながら、
暴く方法が、物語内での小説というか、文章という体裁をとっているせいもあって
もう、何が本当のことなのかさっぱりわからないというところが
なんとも、残念というか、後半ぐったりになってしまったところ
しかし、前半のところは、かなり引き込まれて
前半というでなく、序盤でありましたが、非常に面白かった
どんなことになってしまうんだろうかという
抜群の期待感をもたせてくれる作りになっておりました

結果として、最初に抱いたところと
着地点が、あまりにもよくわからないというか、解き明かしていくにつれ
なんだかしょんぼりだなというのが本当に残念でありましたが、
割とさくさくと読めたのでありました

なんか、書き手として、いろいろつめこみたいメッセージというか、
テーマがいっぱいあったんだろうなと、なんとなし
読んでいて感じたのでありますが、それがなんだったのか
漠然としているというのか、不明瞭だと感じたのも
なんともなところでありますが、
とりあえず読んだのでメモっておく
そういうお話でありましたとさ