CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】窓から逃げた100歳老人

2014-11-24 15:34:13 | 読書感想文とか読み物レビウー
窓から逃げた100歳老人  作:ヨナス・ヨナソン

荒唐無稽な、面白冒険小説でありました
題名と、日本版のあおり表現からして、
100歳の老人がスーパーマンみたいになるのかと
SF的娯楽小説を予想していたところ、
そうではなくて、本当に100歳の老人が
ただ、窓から逃げ出して、その先々で、事件を起こしたり、
巻き込まれたりを繰り返しながら、
平行して、この老人の生涯、つまり、そこから100年前までの
彼と歴史をたどるという面白いお話で、
困った爺さんだなと思ってた最初とは異なり、
彼の半生が見えてくるにつれて、
とんでもない爺さんだなとも思えたりして
非常に面白く読めたのであります

倫理的にどうかしらと思う部分も
多々見られるものの、そんなことはどうだってよく、
景気よく、体制や政治を茶化しているような
皮肉にまみれたステキな仲間たちと、
ノンポリであるという生き様をクロスさせて、
100年間の社会批判までぶっているように
読めなくもないというのがステキでありまして、
まぁ、この100年は、
結局のところ、社会主義やら、共産主義やらと
そうではない人たちや世界との
わけのわからない喧騒にまみれていただけだったと
そういうことを思い知らされる
ワールドワイドな100年史でもありました
非常に面白かった

あまり肩肘張ったり、ここから何かしら教訓を得るとか
そういう偉そうな試みはさせない雰囲気もあり、
ただただ、100年過ごした老人の生き様と
ケセラセラのような、人生はどうとでもなるという
その達観にも似た、傍観的な生き方は
なんとも楽しく、読み手としてもリンクしやすいというところが
ステキでステキでと、ほのぼのしながら
結構さらっと読みきれてしまったのであります

たとえとして悪い気もするが、
フォレストガンプ的なものを
さらっとやってのけた
そういう風にも読めるのでありました