CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】終わりの感覚

2016-12-15 20:45:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
終わりの感覚  作:ジュリアン・バーンズ

面白いといえるほど、自分で消化できてない
難しいといってもいいのだろうか
私では理解が届かない小説でありました
考えさせられるとか、感動しましたとか、理解できましたとか
こういった感想ばかり書いてきたというか
そういうものを抱くのが感想だと思っていたんだが
そのどれでもない読書であったように
思うのであります

内容は、なんといっていいのか、
老いた男の初恋の懐かしさと勘違いと、青春とを思い返しながら
それまでに重なった年月について、様々思い抱かされるものでありまして
いや、違うな、うまくまとめられてない
哲学的な命題をめぐりながら、生きることと死ぬことに
老年になってやっと気付いたという話、なのかな

と、やっぱり理解できてないので
なんと書いたらいいのかわからないのであります
描かれていた情景だけを見ると
哲学にはまる高校生にありがちな思索と思い上がりが
見事にあてられていて、自分にもそんなところが
あったんじゃないかと、気恥ずかしい気分にもなれたり

そこで、キーマンとなる優秀な少年エイドリアンとの出会いが描かれ
彼の描写がまた素晴らしい、同年代だけどもどこか大人びている
大人が一目置く人物という、これもまた、
若かりし頃に居たなぁ、そういうやつというのが
老年になった主人公が、彼のどこか違うと思っていた部分と
案外、そうでもないものだったんだと気付くというところが
また見事で驚いたのであります
大人になって、子供の頃に折り合いをつけていた人物について
後から俯瞰するという不思議、これは
まだ私には訪れていない感傷だけども、きっといつかやってきそうだと
思わされたのでありました

哲学命題といっていいのか、
生きることと自発的な死、制御できる死というものについて
つらつら、かっこいいことと、真理と思しきそれもあり
読んでいるだけで、思索にふけるようでもあって
面白かったのでありました

それだけ、理論でもないが、哲学を振り回しておきながら
最期のオチというべきか、納得の部分は、
そういうことではない、もっと身近といっていいのか
卑近と呼べばいいのか、感触のある机上ではないものを
得るように思えてならないのでありました

何書いてるか、わからん感じが
読後混乱している私を言い当てている
そんなメモになってしまう