ちぎれた鎖と光の切れ端 作:荒木あかね
長大なミステリ小説でした
二部構成になっていて、一部で起きた事件が二部の事件とリンクする
そのリンクの先で、一部の謎の全体が解かれるといった感じだが、
なかなか構成が面白くて、一部の展開は読者としては内実をわかっていながらも、
二部の人たちにはわからない、そこを解決していく、
近づいていくというのが新鮮な面白さだと思ったのだが、
半面、推理が長いので、どれが本当で、どれが嘘かさっぱりわからんと
こんがらがって大変でもあった
トリックがというのも面白いところだけども、
大きな謎は人の気持ちといったところで、
人間関係や機微による動機というのが入り組んでいるので、
ミステリではあるんだが、人間模様を描いたものでもあって
なかなか楽しめたのでありました
しかし、怨嗟の連鎖といったものが、
タイトルの鎖でもあるんだろうし、光があるともいえるというので
なるほどなというタイトルではあるものの、
その鎖がなかなかひどいというか、実際そこまでなるかなと
ちょっと恨みが強すぎたり、そこに至るまでが短絡的に悲惨であったりと
実際また、そういうこともありそうだなと思わせるあたりが怖いというか
嫌な感じではあるんだが、そこをクローズアップして、
物語全体がすさまじい重さにならない、そういう背景はありそうだが、
それはそれとして、単純に人間として怒る、むかつくというあたりでとどめて
登場人物たちが、本音を隠しているというでもなく、
殺意というものへのアプローチをあぐねているといった感覚が
すごいリアルに思えて、簡単に他人を罵ってしまう、
またそういうつもりがなくても、強い言葉になってしまう
その捉え方の誤解と、リカバリの不出来、下手さというのが
人間模様だなと納得できるようでもあった
そんな中で、嫌な思い出しかない田舎で、
些細な言い合いのあと、すぐに謝ることができた
そのシーンの印象が気持ちよくて、
光の切れ端さるものと思いつつ、まぁ、悲しい物語ではあるが
一つ終わりを迎えたと思えたのでありました
とはいえ、ちょっと登場人物全員が
どうも擁護しようがない感じなのは否めないとも思ってしまうんだが
人間案外そういうもんかと納得してしまいがちである
長大なミステリ小説でした
二部構成になっていて、一部で起きた事件が二部の事件とリンクする
そのリンクの先で、一部の謎の全体が解かれるといった感じだが、
なかなか構成が面白くて、一部の展開は読者としては内実をわかっていながらも、
二部の人たちにはわからない、そこを解決していく、
近づいていくというのが新鮮な面白さだと思ったのだが、
半面、推理が長いので、どれが本当で、どれが嘘かさっぱりわからんと
こんがらがって大変でもあった
トリックがというのも面白いところだけども、
大きな謎は人の気持ちといったところで、
人間関係や機微による動機というのが入り組んでいるので、
ミステリではあるんだが、人間模様を描いたものでもあって
なかなか楽しめたのでありました
しかし、怨嗟の連鎖といったものが、
タイトルの鎖でもあるんだろうし、光があるともいえるというので
なるほどなというタイトルではあるものの、
その鎖がなかなかひどいというか、実際そこまでなるかなと
ちょっと恨みが強すぎたり、そこに至るまでが短絡的に悲惨であったりと
実際また、そういうこともありそうだなと思わせるあたりが怖いというか
嫌な感じではあるんだが、そこをクローズアップして、
物語全体がすさまじい重さにならない、そういう背景はありそうだが、
それはそれとして、単純に人間として怒る、むかつくというあたりでとどめて
登場人物たちが、本音を隠しているというでもなく、
殺意というものへのアプローチをあぐねているといった感覚が
すごいリアルに思えて、簡単に他人を罵ってしまう、
またそういうつもりがなくても、強い言葉になってしまう
その捉え方の誤解と、リカバリの不出来、下手さというのが
人間模様だなと納得できるようでもあった
そんな中で、嫌な思い出しかない田舎で、
些細な言い合いのあと、すぐに謝ることができた
そのシーンの印象が気持ちよくて、
光の切れ端さるものと思いつつ、まぁ、悲しい物語ではあるが
一つ終わりを迎えたと思えたのでありました
とはいえ、ちょっと登場人物全員が
どうも擁護しようがない感じなのは否めないとも思ってしまうんだが
人間案外そういうもんかと納得してしまいがちである