CLASS3103 三十三組

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【読書】ハチはなぜ大量死したのか

2014-09-12 21:47:20 | 読書感想文とか読み物レビウー
ハチはなぜ大量死したのか  著:ローワン・ジェイコブセン

何年か前に話題になった、
アメリカでミツバチが脱走したという事件について、
その原因は何かを探った本であります
そういや、そんな事件があったけど
その後、なんとも言われてない気がするが、
解決したんだろうかな、その答えがあるか
そう期待して読んだわけですが

題名詐欺だ、なぜなのかわからないじゃないか

そんなわけで、いくつかの示唆にとどめて、
実際はどれが、あるいは全部が原因という感じで
なんとなく、しょんぼりでありました
ま、それはそれとして、養蜂の本という
別のジャンル本として、大変有意義というか、
楽しい本でありました

アメリカの養蜂事情みたいなのの説明から、
養蜂という活動が、どうであるか、どんな歴史か
そういうことを説明し、これまでに起きた事故というか事件、
物凄い病気の蔓延や、害虫の発生とかを説明し、
それらのどれとも違う、
突然、ハチが失踪するという事件が起きた
これはなんだ、どういうことか
手探りで調べていく様と、その間にも
刻一刻と酷い有様となっていく、手の打ちようもない
圧倒的な絶望を描いたノンフィクションでありました

オチとしては、いかがなものかと想いつつも
最終的には、自然に対して無理をさせすぎたんじゃないか、
もっと自然に寄り添う形じゃないといけないのでは、
農業を工業化するというのがおこがましい、
できると思っていたその手法は、長い時間をかけて
間違えてきた結果ではないかと、
まぁ、言いたくないが、ありがちな
自然派宣言的な内容となって落ちたのであります
納得できるような部分もあるものの
それだけでは、絶対ないだろうと思うような
自然崇拝も見られたりするので
なんともいえないところでありますが、
これだけの商業規模でありながら、
案外、研究が進んでいないんだなと驚いた次第
そんなもんかしらとも思うのであります

いくつかの可能性のうち、ストレスだとか、
蓄積された薬だとか、様々なことが書かれるわけだが、
どれもこう、信憑性にかけるといってはなんだが、
決め手ではなさそうな感じ、
それは、書いている側もそう感じているようで、
なんといったらいいのか、落ちのつけどころに困ったけども、
本当に、自然というものに対しての畏怖は
持つべきだし、そこに逆らった結果ではないかなと
信じているという口ぶりは、
もやもやするが、そうかもしれないなんて
思わされるようでもありました

と、本編はおおむねそんな感じでありましたが
半分くらいは、養蜂の方法というか、
ハチと花の関係みたいなのを説明した部分で
学術的な本とも読め、なによりも、
その後の研究や、キラービー発生のお話といった
補足というか、おまけ文献が思いのほか面白くて
ハチものの本としては、非常にためになるというか
個人的に楽しく読めたのでありました

訳者のあれこれに、恩師の名前も出てきたので
当方としては非常に満足だったわけですが
なんというかな、養蜂やりたいなぁ
そういう気分になる本でありました


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