CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】その先の道に消える

2019-03-04 22:46:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
その先の道に消える  作:中村 文則

かなりハードなSM小説でありました
官能小説なのかと見まがうほどの、執拗なSM描写、
それも緊縛と精神支配に特化したそれで、
なかなか面白く読めたのであります
形而上というか、精神を言葉でどうにかして、
文章だけで伝えるという、いかにも小説にうってつけな題材で
ステキだと思うのでありました
読み手の想像力次第で、どんどん怖いことになってしまうわ

当初主人公だと思っていた男が、錯乱に似た様相を呈していく様も、
かなり読み応えがあるのだけど、中盤になって、
こっちが主人公だったのかと気付いてからは、
主人公の一歩ひいたような生き方が、
引きすぎて、結局踏み込んだようにも見えてしまう
世間とのずれというか、虚無、捨て鉢みたいな姿、
ともかくかっこいいとすら思えなくもない内容でありました

ミステリ小説ではあるのだけど、
事件が入り組んでいるうえに、SMのパートナーシップや、
師匠弟子の筋だとか、人間関係もそうとうにややこしく、
把握するのにいささか骨が折れる小説でありました

謎をといてどうしたという物語というよりも、
この、独特の世界観を堪能して、
狂ったと形容したい、よくわからないものたちへの
接し方と、別れ方が、なんとも
読んでいて、面白かったと思わせてくれた
不思議な読後感を味わいましたとさ

何書いてんだか、さっぱりわからんな
面白かったんだよ、確かに
それ以上に、エロかったけどもさ


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