将棋エッセイコレクション 編:後藤元気
タイトルの通り、様々な人の将棋に関する文章を集めたもので
なかなか味わい深い読み物でありました
今でこそ、結構古いといえるような時代の文章がいくつかあり
その頃、つまるところ、現在大御所として君臨する人たちが若手の頃の話もあったり、
もっと前の、大山升田といった頃の話もありというわけで
大変読み応えがあってよかった
特に、加藤一二三先生についての描写が、
当時の感覚、やはり天才として受け入れられていた様子が見られて
読んで大変楽しかったのである
まぁ、この頃の将棋指しって、おおよそ変な人ばっかりであったが
天才だから仕方ないで、全部済ませてたわけだな
そう思うと、現在の将棋界の状況は随分異なるものになったと
改めて思い知るのでありました
個人的によかったなと思ったのは、
河口先生と、桐谷先生の戦記に関する往復書簡めいた応酬の分で、
まぁ、この頃の観戦記、それも同業者内のそれというのは
なかなか辛辣であったのだろうとうかがい知れるところで、
これでもまだ、遠慮した文章だろうが、本当の控室風景だと
だいぶひどい言いざまであったろうことが透けて見えて
凄くよかった
やっぱり、こういう底意地の悪さがいっぱいであってこその将棋よなと
最近の、一見すると聖人君子っぽい集まりというのへの違和感というか
一種の安心があって、とてもよかった
いずれも天才の集まりであるということに端を発するわけで
誰もが自分は天才だと思っているから、観戦しているそれのミスであったり
指し手のあれこれについての野放図なやりとりというのが
物凄く面白くて、また、真剣に怒るというのもまたわかる感じがして
いい口喧嘩だなと思ったのでありました
こういうのをもっと読みたいなと思うのだが、最近ではもう見られないだろうと
コンプライアンスでもないが、炎上案件がどうしたという時勢
絶対世に出てこないんだろうと淋しいかぎりである
もしかすると、イベントなんかで、さらっと喋ったりとかもしていそうな気がするけども
それもまた、ファンの中身が変わって来た昨今、あり得ないのかもしれない
この頃に、すでに将棋界の未来を憂えての文章もいくつか収録されているのが興味深いところで
その通りの部分もあるし、まるで違うところもあるしと思うのだが
どうしたら将棋が興行として成り立つかについては、その通りの路線に
現在うまく着地しつつあるんじゃないかと思えて
なかなか興味深いのであった
極論して、現名人と元名人さえいれば、将棋という文化自体は続けられるというのも
ひとつ、考え方としてなるほどと思うところなわけだけども
普及においての難しさというのを改めて思うばかりであった
ともあれ、大変楽しい一冊で、あれこれ楽しめた本でありました
タイトルの通り、様々な人の将棋に関する文章を集めたもので
なかなか味わい深い読み物でありました
今でこそ、結構古いといえるような時代の文章がいくつかあり
その頃、つまるところ、現在大御所として君臨する人たちが若手の頃の話もあったり、
もっと前の、大山升田といった頃の話もありというわけで
大変読み応えがあってよかった
特に、加藤一二三先生についての描写が、
当時の感覚、やはり天才として受け入れられていた様子が見られて
読んで大変楽しかったのである
まぁ、この頃の将棋指しって、おおよそ変な人ばっかりであったが
天才だから仕方ないで、全部済ませてたわけだな
そう思うと、現在の将棋界の状況は随分異なるものになったと
改めて思い知るのでありました
個人的によかったなと思ったのは、
河口先生と、桐谷先生の戦記に関する往復書簡めいた応酬の分で、
まぁ、この頃の観戦記、それも同業者内のそれというのは
なかなか辛辣であったのだろうとうかがい知れるところで、
これでもまだ、遠慮した文章だろうが、本当の控室風景だと
だいぶひどい言いざまであったろうことが透けて見えて
凄くよかった
やっぱり、こういう底意地の悪さがいっぱいであってこその将棋よなと
最近の、一見すると聖人君子っぽい集まりというのへの違和感というか
一種の安心があって、とてもよかった
いずれも天才の集まりであるということに端を発するわけで
誰もが自分は天才だと思っているから、観戦しているそれのミスであったり
指し手のあれこれについての野放図なやりとりというのが
物凄く面白くて、また、真剣に怒るというのもまたわかる感じがして
いい口喧嘩だなと思ったのでありました
こういうのをもっと読みたいなと思うのだが、最近ではもう見られないだろうと
コンプライアンスでもないが、炎上案件がどうしたという時勢
絶対世に出てこないんだろうと淋しいかぎりである
もしかすると、イベントなんかで、さらっと喋ったりとかもしていそうな気がするけども
それもまた、ファンの中身が変わって来た昨今、あり得ないのかもしれない
この頃に、すでに将棋界の未来を憂えての文章もいくつか収録されているのが興味深いところで
その通りの部分もあるし、まるで違うところもあるしと思うのだが
どうしたら将棋が興行として成り立つかについては、その通りの路線に
現在うまく着地しつつあるんじゃないかと思えて
なかなか興味深いのであった
極論して、現名人と元名人さえいれば、将棋という文化自体は続けられるというのも
ひとつ、考え方としてなるほどと思うところなわけだけども
普及においての難しさというのを改めて思うばかりであった
ともあれ、大変楽しい一冊で、あれこれ楽しめた本でありました
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