CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】射精責任

2024-02-07 21:05:10 | 読書感想文とか読み物レビウー
射精責任  著:ガブリエル・ブレア

アメリカで、Twitterだか、ブログだかで発表した内容をまとめなおした本のようだが、
中絶問題について言及した内容で、アメリカ大統領選でよく話題になるそれについて
勉強がてらと読んでみたのでありました
読むほどに、ジェンダーの問題に肉薄するそれだなと思わされるばかりである

アメリカでは、と断りを入れたくなる感じだと思ってしまうのだが
それは、男性側だからそう思うのかもしれないと
やや反省はするものの、日本では、ここまで問題になってないのは
お手軽に中絶できてしまっているからなのか
このあたりがわからないところであります
アメリカでは宗教の問題も絡んで、中絶そのものを否定して、
それによる不幸が女性のみに負担させられているということについて
そもそも妊娠の問題は、男の方にあると
まぁそういう形で論点を明らかにしている本でありました

妊娠という事態において、女性ができること
いわゆる避妊という選択肢をどう選ぶかについて、
女性の方がきわめて難しいうえにコストとリスクが非常に高いという事例紹介から、
男の方はコンドームとりあえずつけてさえすれば、それを叶えられる
なのになぜしないのかというあたりから、
男の身勝手さに言及していくわけだが、まぁ実際どうだなと思うところ
ただ、このリスクについて、娘が妊娠させられたということへの
親の怒りのようなものが、アメリカのほうがむしろ強そうだから、
そういった事態に対しての歯止めになりそうなと思ったりしたんだが
多分そういう問題ではなく、望まない妊娠というケースが起きるパターンにおいて
社会というか、おかれた立場なんかも色々と考える必要があり、
アメリカではそうじゃない部分での被害が大きいと
まぁ、そういう話なのかとも思ったり考えたりするのである

中絶というタブーに触れず解決しようとするならば、
男の方がちゃんと気をつけろと、そういうお話になっているんだが
それができないなら、中絶認めるべきじゃない?と暗にしているようでもあるけど
そこへのアプローチは弱いというか、事実を述べただけで
実際の建設的にどうだというところは、意見として強くないなと
感じたりしたのである

そのあたりも含めて、父長制の是非というか、そういう前時代的とされる倫理への苦言もあり、
女性の権利問題として非常に重要なものであるなと感じるのでありました
付録にて日本の場合、どういう論理で中絶が法律で扱われているかが添えられているんだが
これを向こうで議論してもらった方がいいんじゃないかと思うんだが
著者のいうように中絶というものにクローズアップすると解決しないという
無理筋になるんだろうなとも思ったりすると、消極的であるが
男性へのモラル定義というところに落ち着くのも、ままわからんでもないと思うのであった

【映画】哀れなるものたち

2024-02-06 21:02:27 | ドラマ映画テレビ感想
前評判とか調べないで見てきたんだが、
R18指定だったようで、直接的な性描写とかあって驚いたんだが
大変面白い映画だったように思う
映画初心者の自分には、ちょっと難解だったというべきなのかもと思うくらい、
なんかよくわからんが、よさそうな雰囲気と、一言では言い表せない何かだったことで
素晴らしいものを見たと結論づけたのでありました

SF設定、というか、荒唐無稽な内容なんだけども、
根底のテーマには女性が自身の人生を生きるために思想解放される
みたいな感じにも見えたけど、それは表層的なもので
もっと根元的にかっこいいメッセージがありそうな、
それでいて、気負いなく面白い映画だったようなと
そんな風に考えるところ

まず手法からして凝っていて、
序盤は白黒で、まるで古い映画のような雰囲気のまま、
古いロンドンが舞台で始まり、馬車と馬車風の石炭自動車が走っているという
結構クラシカルな雰囲気がいいなというところなんだけども、
主人公の成長につれて、また見ている世界観を顕すようにカラーになってきてと
このあたりの描写が、まだまだファンタジー世界っぽく、
女性が知らない世界に飛び込んで、無我夢中であるという夢見心地を顕しているような
そうともみえる映像になってるのが素晴らしかった
やがて、地に足がつくというか、自身で稼ぐ方法を会得して、
それにより自身をはっきりと自覚したとでもいうべき頃には、
言動も行動も、映像もはっきりとしてきて、見ているこっちもどんどんとのめりこむようになってて
非常に面白かった

ストーリーとしては、ある身投げした女性の遺体を手に入れた外科医が、
その死体の腹に子供がいることに気づき、外科手術で、母親の脳に子供の脳を入れて助ける
というか、このあたりも医学研究の実験として行われているわけだけども
そこに感情の介在や、外科医の生い立ちとか、色々あわさって仕方ないというか
そこはそういうもんだと、あまり考えないようになっているわけだが
ともかく、救われた胎児の脳が入った女性が主人公である
これが、大人のなりなんだが、頭は完全に子供なので
序盤は白黒映像もあいまって、滑稽というか、ある種グロテスクな障害児のような印象すらあるんだけど
見終わってみれば、子供って、ああいう感じで動くし喋るなと、
それを大人の体でただやっていただけだと気づいて、なんとも驚いたのでありました

で、この子供大人が世界を知りたいと冒険の旅に出るというあたりから
どんどんと本人は成長していくし、社会的通念的なものを理解しないことから
あれこれ悶着があって、結局性風俗で働くようになったりとか
まぁ、なんとも、面白いのでありました
貧困と死生観を取り扱う道徳的内容でもあるし、
鬱屈して窮屈な世間批判でもあるしといった感じが、実に軽やかで
また主人公のありようが、天真爛漫とは異なるが、晴れやかで力強い様が実によくて
知性をはっきりと構築していく様、それによって意見と言動と行動がともなっていく様が
猛烈にかっこいいのがとてもよかった
全体的に男性が物を知ってそうだけど、その程度という扱いなのも面白くて
実際、女性として世間を生きていくと、こんなに滑稽ではないにしても
似たようなことがいっぱいありそうだなんて思わされたりしながら
非常に楽しく見終えたのでありました

終わりも結構鮮烈な感じだったが
まぁ、オチのためのという感じの終わり方でもあり
見所は途中で、哲学を語るおばあさんとの出会いと娼館での働きだなと
シーンのいかがわしさより、それにより成長する姿というのが実によかったと
大変楽しんでみたのでありました

【読書】諸葛亮

2024-02-05 21:05:41 | 読書感想文とか読み物レビウー
諸葛亮  作:宮城谷昌光

タイトルの通り、孔明を主役にした小説なんだが、
序盤の幼少のみぎりはともかく、しばらくはいわゆる三国志の話をなぞっているだけともいえるような
えらい静かな小説だった
孔明の凄さの描き方が独特というか、もう手あかがついてしまっているから、
凄さというのを書く必要がないとも思えるようなあっさりさ、
序盤で学んでいく姿とかも、その鋭さというものは特に描かれず
むしろ「頭の血のめぐりが悪い」なんて言われてしまっていたりと
だからといって怒るわけではなく、当然のように、そこから学んでいくんだが
なかなか独特な、しかし確かに成長していくという姿なんだが
きっかけという、大きなイベントではなく
流されるようにともいえそうな感じで、劉備と出会い出世していくんだが
このあたりの淡さというのが独特だと感じた

赤壁までは、ほとんどそんな感じで、劉備との水魚の交わりについては
まさに言葉の説明だけにとどめるような感じだが、
魯粛が出てきたあたりから、孔明の出番がまめやかになってきて、
三兄弟が亡くなってからが、いよいよ孔明の人生とでもいうように
物語としても、孔明の活躍というか、その動き、政治が、蜀そのものの歴史になっていくのが
非常に面白かった、また、孔明がそうなってからやっと成長していく
馬謖が街亭でしくじったところから、学び多く成長していくというのがよくて
ちょっと贔屓がすぎるともいえるけど、非常に満足な内容でありました
劉備後の蜀を描いている部分も結局は五丈原までなのではあるけども
様々な将官がいたこと、蜀のありようというのが面白くて
わくわく読めたのでありました
姜維も名前だけで必要以上に出てこないし、それよりは内政の官がいっぱいでてきて
どれも、誠実であるということを一等にしているというのが
ある意味宮城谷先生らしいといえるような、徳を重視したキャラクタたちだったと思うのである

そして、南蛮とのあれこれも大変楽しいというか、
よく知られたエピソードそのままといった感じなわけだけども、
よくよく考えてみると、孟獲と孔明だけでみたら、7回捕まえたという面白い話ではあるんだが、
実際は将兵が干戈を交えているわけで、死人もでていると考えると
あんまり褒められたことでもないようなと思ったんだが、まぁいいや

当たり前の三国志の物語だったともいえるけど、
さらりと読みながら、ちゃんと蜀の物語として、変なアレンジもなく読めたということが
貴重な本だったようにも思うのである
終わりもすごいあっさりだったわけだが、三国のいずれがという話ではなく
あくまで孔明がその生を全うした、その姿を淡々と描いたものでありました

光る君へ  告白

2024-02-04 20:53:13 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「光る君へ」
視聴完了しました
まひろの方の話は、まぁギャグパートかねと
ふわっと見ていたのでありますが、今回のまひろパートはよかった
まだ子供なんだなという年なのかどうかが、いまいちよくわかってないんだが
母親のあの一連をようやく誰かに話せて、
なによりも、その重荷を自分に向けていたものを言葉にしたというのが
演技とセリフと場面とで、実によくできてて
結構感動的でありました、あの子供みたいに嫌な思い出に食い破られて泣く感じは
かなり見ごたえがあったというか、覚えがあるという気持ちにすらなる
素晴らしいシーンでありましたわ

宮廷闘争の相変わらずあれやこれやは
さらっと見せつつも、だいぶ黒いことやっとるなと
特に、パパの暗躍というか、当たり前にのし上がっていくためのムーブすべてが素晴らしく
息子二人の喧嘩も、実に楽しそうに、手ごまが増えたくらいにしか思ってないのが
なんというか、人間の心というものが見えなくなる感じがしてよきよきでありました
清明もなかなか大変だと思ってたら、
えらい人いっぱい出てきたとか、悪事に加担させられるそれが
実にわかりやすくて、なかなかどうしてでありました
まぁ、セリフ上だけども、清明にやっぱりなんらかのパワーがあることも示唆してて
面白いと思うのである
その前に、まひろの狐落としみたいな、実に偽物くさい祈祷のうさん臭さと
よい意味で対比になってすごくよかった
お金ないと、あの程度しか呼べないんですとか
そういう悲しいセリフがあいそうな具合が実によいわ

あとは、相変わらず便利な忍者が、今後日に陰にと
二人のために暗躍していくんだろうなと思うと
そのあたりも楽しみというか、少女漫画的三角関係になりそうなのが
面白そうとにやにやしつつ

ハードプレイの挙句、皇后が倒れるとか
どうかしとるなというのが、一番面白かったわけだけども
早く、花山天皇の活躍が見たいと思うばかりである

将棋ウォーズ2級でかまいたち戦法(2013)をとる

2024-02-03 18:19:15 | 将棋

かまいたち戦法

自分の最新棋譜からもってきてるんだが、本当にあってんのか?
銀が右に出ているけども、確か左に出ないといけない戦法だったと思うのだが
中飛車で銀がすいすい出ていって、棒銀めいて使うものではないかと思う
中飛車党なら、特に意識せずとも、何回か獲得していると思われる戦法である

角道をあけて、中飛車にかまえて、
左銀がひょいひょいと上がっていくと出ると思われる
この形の前に、ささっと美濃にでも囲っておいた方がよいと思うのだが
割とオーソドックスな中飛車戦法の一つだと思うところ
本来は対振り用なんだそうだが、
要点がいまいちわかってない上に、この棋譜の対戦相手がAIだったので
もはや何を狙っているのか、摩訶不思議な内容になっていて
何一つよいことが書けないのだが、ともかく形だけとったらあとは
ごりごり中飛車で攻め倒して勝つとそれくらいしか書きようがない

他人の棋譜を見ていると、銀を6五に出てから、5五の歩はそのままに
角を8六に上がって6筋の銀頭あたりからごりごりいく作戦が決まっている様子
対振りなので、玉が左側にいるので、そのあたりをついていくと嫌らしいという作戦ではないかと思うが
まぁ、とりあえずエフェクト出して、難しいこと考えずに中央から銀交換でどうかと思う

【読書】ミスしない大百科

2024-02-01 20:55:22 | 読書感想文とか読み物レビウー
ミスしない大百科  著:飯野謙次

ミスの理屈をとてもわかりやすくというか、
結局のところ、ミスというのは単純なことであると
その仕組みから説明して、それを防ぐ方法も
まぁ、よくあるそれなわけだけど、そういう積み重ねが
ミスを減らすのだという、失敗学の話と織り交ぜて説明されていてとてもよかった

というわけで、新しい発見があるわけでもなく、
まぁ、気を付けていることを改めて解説されてるだけだなとも思うんだが
スマホの写真をメモに利用する方法が、
これもまた、気づいているけども、最近はがっつり使われているようで
ワンタイムパスワードとかもさておき、付箋とかにとったメモも写真にしておくと
バックアップというか、いつでも使えるというのは
まぁ確かにそうかもなと思ったりするのでありました

ミスを防ぐには、そういう環境にしないようにという
いつも気を付けているけど、それが難しいということに挑むというでもないが
あれこれアドバイスがあるわけだが、
やっぱり、人間の注意力には、個人差はあれど限界があるのは間違いないので
そういうところにリソースを割かないようにする、
心配事とか、いらん情報とかをことごとく絞っていくというのが
注意散漫から守る方法というのは、ミスだけじゃなくて
人生そのものにとって大切なことだよなと思いつつ読むのでありました

正しいルーティンの構築やら、忘れない仕組み作りといったことは
基本的なことであるけども、一つずつ確認するように活用すると
なかなか良い本だったのではないかと思うのでありましたとさ