Q:心身症とは、どんな病気ですか?
A:精神的な緊張、不安が原因となり、身体、精神、行動に異常反応が現われることがあります。大きく分けて、次の3つの異常反応が起こり、その一つが心身症です。
3つの異常反応とは、
① 自律神経を介して、いろいろな器官に反応を起こし、症状が出る「心身症」。
② 心に反応を来たして、些細なことにも悩み、恐れ、不安、強迫観念など、精神面に異常反応を来たす「神経症」。
③ 習癖異常、暴力、反抗、非行などの社会的問題、登校拒否など、行動面にさまざまな障害をきたす「行動異常」。
Q:いま、ストレス社会といいますが、心身症も増えているのですか?
A:そうです。近年子ども達は、家族、学校、社会環境から様々な厳しいストレスにさらされています。自立心、社会性、精神的抵抗力の弱い子どもの増加とストレスに満ちた環境が相まって、心身症などをはじめ心因性の障害の患者さんが増えています。
Q:小学生と中学生など思春期では、現われる症状はことなりますか?
A:心身の発達が異なりますので、現われる心因性の障害も異なります。
小学校生では、心身ともに比較的安定した時期ではあるのですが、心因性の障害は、頭痛、めまい、起立性調節障害、喘息、チックなどの心身症、夜驚などの行動異常、転換反応(ヒステリー)などの神経症が生じます。
一方、思春期では、心身発育のバランスがこわれやすい時期で、胃潰瘍、過敏性大腸などの心身症。過食、拒食、登校拒否、非行などの行動異常。情緒不安定、強迫、不安などの神経症が生じます。
Q:心身症の原因は、どのように考えられていますか?
A:大脳には、大脳辺縁系―視床下部というところがあり、感情、感覚の中枢となっています。そして同時に視床下部には、自律神経や下垂体などの内分泌を支配する中枢も存在します。
強いストレスが加わると視床下部の感情中枢が興奮し、緊張、不安、欲求不満などの情動の変化によって、自律神経の働きが乱れ、ホルモン分泌のバランスが壊れます。結局、過敏な弱い臓器に反応が及び、ストレス刺激が繰り返すことで、症状が固定化し、病的変化が起こり心身症として発病します。
Q:小学生に多い心身症のそれぞれの特徴を教えてください。
A:小学生に起こりやすいものを、上げてみます。
頭痛:片頭痛として現われることが多いです。
めまい:「ふわふわする感じ」として訴える子が多いです。起立性調節障害とともに見られるものも多くあります。
起立性調節障害:立ちくらみ、めまい、気持ち悪い、腹痛、頭痛、朝起きれないなどの症状を示します。子どもにおける自律神経失調症。成長に伴う身体の変化の影響が大きいので、時期が来れば必ず治っていくものであります。
周期性嘔吐症(自家中毒・アセトン血性嘔吐症):風邪などの体調不良、発表会や試験などによる緊張、親による叱責、環境の変化などによるストレスが嘔吐中枢を刺激し発病します。一度吐き出すと繰り返し吐く症状を示します。点滴治療が必要な場合もあります。
喘息:気道へのアレルギー反応を根本原因としてもつが、発作には、心理的な状態が多分に影響を与えます。
チック:本人の意志に関係なく、突発的に、頻繁に繰り返される筋肉の速い運動です。まばたき、咳払い、首ふり、肩ゆすり、思わず声を出すなどがあります。
Q:体の病気と見分けずらいように思いますが、心身症の特徴は何かありますか?
A:いくつかの特徴を挙げています。
① 症状が変わりやすい
② 体の治療だけでは治りにくい
③ 発病前に精神的緊張、不安を来たすような環境的、心理的ストレスがある
④ 養育環境に影響を受ける
⑤ 神経質なくせが多い子がなりやすい
Q:対処法や治療法を教えてください。
A:小児科の外来では、
①親子関係、子どもの周りの環境調整
親とのカウンセリングを通して、問題となる点を明らかにし、子どもの周りの環境を調整したり、育て直しを含めた、子への接し方の改善を目指します。
②薬の内服
身体に現われている症状をよくするために、お薬を内服します。精神的な緊張や不安が強い時には、精神安定剤を、薬の有効性や安全性をよく理解いただきながら、使用することがあります。
③心理療法
傾聴、箱庭や絵画などの遊戯療法、行動療法、自律訓練法など臨床心理的な方法を用いることもあります。
Q:予防法的なことはありますか?
A: ストレスに強い子に、ということを日頃から心がけることです。温室育ちの問題のない快適な環境が、子ども達の心身の発達に好ましいわけではありません。適度なストレスは必要です。自分のことは自分でする、生活を規則的に、生活リズムを整えるなど自立心を養うことが大切です。
以上、子どもの心身症の解説でした。
A:精神的な緊張、不安が原因となり、身体、精神、行動に異常反応が現われることがあります。大きく分けて、次の3つの異常反応が起こり、その一つが心身症です。
3つの異常反応とは、
① 自律神経を介して、いろいろな器官に反応を起こし、症状が出る「心身症」。
② 心に反応を来たして、些細なことにも悩み、恐れ、不安、強迫観念など、精神面に異常反応を来たす「神経症」。
③ 習癖異常、暴力、反抗、非行などの社会的問題、登校拒否など、行動面にさまざまな障害をきたす「行動異常」。
Q:いま、ストレス社会といいますが、心身症も増えているのですか?
A:そうです。近年子ども達は、家族、学校、社会環境から様々な厳しいストレスにさらされています。自立心、社会性、精神的抵抗力の弱い子どもの増加とストレスに満ちた環境が相まって、心身症などをはじめ心因性の障害の患者さんが増えています。
Q:小学生と中学生など思春期では、現われる症状はことなりますか?
A:心身の発達が異なりますので、現われる心因性の障害も異なります。
小学校生では、心身ともに比較的安定した時期ではあるのですが、心因性の障害は、頭痛、めまい、起立性調節障害、喘息、チックなどの心身症、夜驚などの行動異常、転換反応(ヒステリー)などの神経症が生じます。
一方、思春期では、心身発育のバランスがこわれやすい時期で、胃潰瘍、過敏性大腸などの心身症。過食、拒食、登校拒否、非行などの行動異常。情緒不安定、強迫、不安などの神経症が生じます。
Q:心身症の原因は、どのように考えられていますか?
A:大脳には、大脳辺縁系―視床下部というところがあり、感情、感覚の中枢となっています。そして同時に視床下部には、自律神経や下垂体などの内分泌を支配する中枢も存在します。
強いストレスが加わると視床下部の感情中枢が興奮し、緊張、不安、欲求不満などの情動の変化によって、自律神経の働きが乱れ、ホルモン分泌のバランスが壊れます。結局、過敏な弱い臓器に反応が及び、ストレス刺激が繰り返すことで、症状が固定化し、病的変化が起こり心身症として発病します。
Q:小学生に多い心身症のそれぞれの特徴を教えてください。
A:小学生に起こりやすいものを、上げてみます。
頭痛:片頭痛として現われることが多いです。
めまい:「ふわふわする感じ」として訴える子が多いです。起立性調節障害とともに見られるものも多くあります。
起立性調節障害:立ちくらみ、めまい、気持ち悪い、腹痛、頭痛、朝起きれないなどの症状を示します。子どもにおける自律神経失調症。成長に伴う身体の変化の影響が大きいので、時期が来れば必ず治っていくものであります。
周期性嘔吐症(自家中毒・アセトン血性嘔吐症):風邪などの体調不良、発表会や試験などによる緊張、親による叱責、環境の変化などによるストレスが嘔吐中枢を刺激し発病します。一度吐き出すと繰り返し吐く症状を示します。点滴治療が必要な場合もあります。
喘息:気道へのアレルギー反応を根本原因としてもつが、発作には、心理的な状態が多分に影響を与えます。
チック:本人の意志に関係なく、突発的に、頻繁に繰り返される筋肉の速い運動です。まばたき、咳払い、首ふり、肩ゆすり、思わず声を出すなどがあります。
Q:体の病気と見分けずらいように思いますが、心身症の特徴は何かありますか?
A:いくつかの特徴を挙げています。
① 症状が変わりやすい
② 体の治療だけでは治りにくい
③ 発病前に精神的緊張、不安を来たすような環境的、心理的ストレスがある
④ 養育環境に影響を受ける
⑤ 神経質なくせが多い子がなりやすい
Q:対処法や治療法を教えてください。
A:小児科の外来では、
①親子関係、子どもの周りの環境調整
親とのカウンセリングを通して、問題となる点を明らかにし、子どもの周りの環境を調整したり、育て直しを含めた、子への接し方の改善を目指します。
②薬の内服
身体に現われている症状をよくするために、お薬を内服します。精神的な緊張や不安が強い時には、精神安定剤を、薬の有効性や安全性をよく理解いただきながら、使用することがあります。
③心理療法
傾聴、箱庭や絵画などの遊戯療法、行動療法、自律訓練法など臨床心理的な方法を用いることもあります。
Q:予防法的なことはありますか?
A: ストレスに強い子に、ということを日頃から心がけることです。温室育ちの問題のない快適な環境が、子ども達の心身の発達に好ましいわけではありません。適度なストレスは必要です。自分のことは自分でする、生活を規則的に、生活リズムを整えるなど自立心を養うことが大切です。
以上、子どもの心身症の解説でした。