本日10・23から三日間、行政視察中です。
診療時間は、表題のごとくになっています。
ご注意ください。
さて、まず第一日目、幼保一元化の施設を見学。
愛知県豊田市立渡刈保育園
まさにトヨタのお膝元の市の保育園で、
幼保一元化が実現されていた。
ひとつの施設に、幼稚園と保育園が二つ存在するという
ものではなく、
ひとつのカリキュラムを、
子ども達が共有した幼保一元化なのである。
渡刈保育園が実施にいたった
ポイントをあげたい。
一時中断
(行政視察をともにしている福祉保健委員会の委員の議員、福祉保健関係の部長ら、議会局の方と一緒に、夕食をしてきました。委員会では、議員が質し、理事者が区の姿勢、行政サービスの実施を説明する、真剣勝負を行う関係であるが、向く方向は、中央区民に最大限、よりよいサービスを提供していくことであり、区民の目線に立つ点で同じです。日ごろ見せないご自身の生活、趣味などを話しながら、和やかに食事をしました。)
話をもどします。
豊田市の幼保一元化 実施内容
①基本的な保育時間 平日8:30~15:00
②早朝保育 7:30~8:30
延長保育 15:00~19:00
土曜日保育 8:30~15:00
夏休み(7・21から8・31)期間保育あり
(利用者は、別途料金追加)
③配置基準 保育士一人が担当するこどもの数
0歳児3人 1・2歳児5人 3歳児15人 4歳児28人 5歳児30人
参考:国の基準
保育園
0歳児3人 1・2歳児6人 3歳児20人 4歳児30人 5歳児30人
幼稚園
3歳児35人 4歳児35人 5歳児35人
④保護者負担は、幼稚園であった人も、保育園であった人も、同じになるように。
(利用時間がちがっても、公平になるように、利用時間に応じ負担する部分がある。)
⑤職員は、保育園・幼稚園で同じ給与体系
さて、
豊田市は、なぜ、幼保一元化を実現しえたのか。
そのポイントを述べたい。
ポイント:1(おそらくこれが、一番重要)
「独自に幼稚園と保育園の一体的な運用を進めてきた経緯がある」
①昭和40年から保育園に“保育に欠けていない児童(4・5歳児)”を受け入れる
②昭和40年代から保育園と幼稚園の人事交流を行う
すなわち、給与体系も同じに
③平成3年から、保育園と幼稚園の保育カリキュラムを統一
午前8時30分から午後3時を共通保育時間として実施してきた。
④平成13年から保育園と幼稚園の所管部署を統一
ポイント:2
「外部有識者からなる幼保一体化検討部会の開催」
平成17年10月から平成18年3月までに計6回、上記部会を開催。
構成は、有識者、公募市民、保育園・幼稚園経営者ら。
この会議が、有効に機能したのであろうと私は、類推する。
ポイント:3
「先日の平成19年9月議会で一体的運用のための条例改正案の可決」
施設名称の変更、保育料の統一に関わる関係条例の一部改正議案を上程し、可決。
その議案は、以下の3点からなる。
①施設名称を「こども園」に統一
②保護者負担を統一し、あわせて負担の軽減
③職員の配置基準(クラス編成)を統一
幼稚園と保育園の保護者の利用料負担を平等にしたことに伴い、18億円の負担料が入るところが、14億円になり、4億円の減額。
以上が、私が説明を受けて、考えたポイント。
説明を受けて、私は、以下3点の質問をした。
①幼保一元化をしようとした理念
回答⇒本日担当の職員が考えるに、保護者の就労形態から子どもを見たら、保育園児・幼稚園児と子どもが分かれるが、子どもの方から見るとだれもが、同じである。子どもの側から見て、施策を実施していった。
②幼保一体化検討部会の経過の中で実施したパブリックコメントで、得られた意見を聞かせて欲しい。
回答⇒18の意見があった。料金に関することが主なものであった。
③独自の一体的運用を実施した際の、「学校教育法」「児童福祉法」の法律の壁は、どのようなものがあったか。
回答⇒それら法律の適応の中で、独自の一体的運用はできた。とくに保育園は8時間預かりが、共通預かり時間が6.5時間になることは、何も言われなかった。一番の壁を感じたのは、保育園で“保育に欠けていない児童”を預かる点。
他の委員からの質問
④私立幼稚園も、「こども園」に名称を変えたのか?
回答⇒変えない園2園あり。
⑤保育時間変更に抵抗は?
回答⇒早朝保育、延長保育を実施し、問題の声はあがらなかった。
⑥カリキュラムの特徴は?
回答⇒地域の方も一緒に入ってきて、カリキュラムを行っている
⑦人員配置で、4歳児保育園では、豊田市は独自の配置基準25人に一人の保育士であったが、こども園では、28人に一人の保育士と緩和されているが。
回答⇒4歳児幼稚園では、豊田市の配置基準は32人に一人であった。これを一機に、7人減らすのは無理があり、28人とした。
結局、ここ豊田市では、幼保一体化の流れがスムーズに生まれたということ。
私は、幼保一元化が達成できた要因は、以下のように類推する。
流れを阻む要因、
①幼稚園と保育園の職員の違い
②幼稚園と保育園の利用者の負担を同じにすることに伴う財政負担
流れを生む要因、
①幼保一体化の理念
②たいへん広い地域で幼稚園や保育園を効果的に、効率的に運用したいという考え
③「認定こども園」制度を実施という国の流れ
結局、流れを生む要因が、流れを阻害する要因より強く豊田市では働き、
流れが生まれたということであろう。
さて、中央区では、流れが生まれるであろうか。
①幼保一元化で実現したいものがはっきりし、理念として謳われること
②その理念に共感し、流れを生みたいと言う中央区民の思い、それを代表する区長の強いリーダーシップが存在すること
③その区民の思いに応えるがための、幼稚園、保育園の現場での意識改革
これらが合致したとき、幼保一元化は本区でも実現できるであろう。
まずは、理念。
幼保一元化で何がしたいのか?
子ども達のために、何ができるのか?
それが、現在の幼稚園・保育園の枠組みの中では、本当に実現できないことなのか?
よくよく考えねばならないと思う。
診療時間は、表題のごとくになっています。
ご注意ください。
さて、まず第一日目、幼保一元化の施設を見学。
愛知県豊田市立渡刈保育園
まさにトヨタのお膝元の市の保育園で、
幼保一元化が実現されていた。
ひとつの施設に、幼稚園と保育園が二つ存在するという
ものではなく、
ひとつのカリキュラムを、
子ども達が共有した幼保一元化なのである。
渡刈保育園が実施にいたった
ポイントをあげたい。
一時中断
(行政視察をともにしている福祉保健委員会の委員の議員、福祉保健関係の部長ら、議会局の方と一緒に、夕食をしてきました。委員会では、議員が質し、理事者が区の姿勢、行政サービスの実施を説明する、真剣勝負を行う関係であるが、向く方向は、中央区民に最大限、よりよいサービスを提供していくことであり、区民の目線に立つ点で同じです。日ごろ見せないご自身の生活、趣味などを話しながら、和やかに食事をしました。)
話をもどします。
豊田市の幼保一元化 実施内容
①基本的な保育時間 平日8:30~15:00
②早朝保育 7:30~8:30
延長保育 15:00~19:00
土曜日保育 8:30~15:00
夏休み(7・21から8・31)期間保育あり
(利用者は、別途料金追加)
③配置基準 保育士一人が担当するこどもの数
0歳児3人 1・2歳児5人 3歳児15人 4歳児28人 5歳児30人
参考:国の基準
保育園
0歳児3人 1・2歳児6人 3歳児20人 4歳児30人 5歳児30人
幼稚園
3歳児35人 4歳児35人 5歳児35人
④保護者負担は、幼稚園であった人も、保育園であった人も、同じになるように。
(利用時間がちがっても、公平になるように、利用時間に応じ負担する部分がある。)
⑤職員は、保育園・幼稚園で同じ給与体系
さて、
豊田市は、なぜ、幼保一元化を実現しえたのか。
そのポイントを述べたい。
ポイント:1(おそらくこれが、一番重要)
「独自に幼稚園と保育園の一体的な運用を進めてきた経緯がある」
①昭和40年から保育園に“保育に欠けていない児童(4・5歳児)”を受け入れる
②昭和40年代から保育園と幼稚園の人事交流を行う
すなわち、給与体系も同じに
③平成3年から、保育園と幼稚園の保育カリキュラムを統一
午前8時30分から午後3時を共通保育時間として実施してきた。
④平成13年から保育園と幼稚園の所管部署を統一
ポイント:2
「外部有識者からなる幼保一体化検討部会の開催」
平成17年10月から平成18年3月までに計6回、上記部会を開催。
構成は、有識者、公募市民、保育園・幼稚園経営者ら。
この会議が、有効に機能したのであろうと私は、類推する。
ポイント:3
「先日の平成19年9月議会で一体的運用のための条例改正案の可決」
施設名称の変更、保育料の統一に関わる関係条例の一部改正議案を上程し、可決。
その議案は、以下の3点からなる。
①施設名称を「こども園」に統一
②保護者負担を統一し、あわせて負担の軽減
③職員の配置基準(クラス編成)を統一
幼稚園と保育園の保護者の利用料負担を平等にしたことに伴い、18億円の負担料が入るところが、14億円になり、4億円の減額。
以上が、私が説明を受けて、考えたポイント。
説明を受けて、私は、以下3点の質問をした。
①幼保一元化をしようとした理念
回答⇒本日担当の職員が考えるに、保護者の就労形態から子どもを見たら、保育園児・幼稚園児と子どもが分かれるが、子どもの方から見るとだれもが、同じである。子どもの側から見て、施策を実施していった。
②幼保一体化検討部会の経過の中で実施したパブリックコメントで、得られた意見を聞かせて欲しい。
回答⇒18の意見があった。料金に関することが主なものであった。
③独自の一体的運用を実施した際の、「学校教育法」「児童福祉法」の法律の壁は、どのようなものがあったか。
回答⇒それら法律の適応の中で、独自の一体的運用はできた。とくに保育園は8時間預かりが、共通預かり時間が6.5時間になることは、何も言われなかった。一番の壁を感じたのは、保育園で“保育に欠けていない児童”を預かる点。
他の委員からの質問
④私立幼稚園も、「こども園」に名称を変えたのか?
回答⇒変えない園2園あり。
⑤保育時間変更に抵抗は?
回答⇒早朝保育、延長保育を実施し、問題の声はあがらなかった。
⑥カリキュラムの特徴は?
回答⇒地域の方も一緒に入ってきて、カリキュラムを行っている
⑦人員配置で、4歳児保育園では、豊田市は独自の配置基準25人に一人の保育士であったが、こども園では、28人に一人の保育士と緩和されているが。
回答⇒4歳児幼稚園では、豊田市の配置基準は32人に一人であった。これを一機に、7人減らすのは無理があり、28人とした。
結局、ここ豊田市では、幼保一体化の流れがスムーズに生まれたということ。
私は、幼保一元化が達成できた要因は、以下のように類推する。
流れを阻む要因、
①幼稚園と保育園の職員の違い
②幼稚園と保育園の利用者の負担を同じにすることに伴う財政負担
流れを生む要因、
①幼保一体化の理念
②たいへん広い地域で幼稚園や保育園を効果的に、効率的に運用したいという考え
③「認定こども園」制度を実施という国の流れ
結局、流れを生む要因が、流れを阻害する要因より強く豊田市では働き、
流れが生まれたということであろう。
さて、中央区では、流れが生まれるであろうか。
①幼保一元化で実現したいものがはっきりし、理念として謳われること
②その理念に共感し、流れを生みたいと言う中央区民の思い、それを代表する区長の強いリーダーシップが存在すること
③その区民の思いに応えるがための、幼稚園、保育園の現場での意識改革
これらが合致したとき、幼保一元化は本区でも実現できるであろう。
まずは、理念。
幼保一元化で何がしたいのか?
子ども達のために、何ができるのか?
それが、現在の幼稚園・保育園の枠組みの中では、本当に実現できないことなのか?
よくよく考えねばならないと思う。