新型インフルエンザの日本への上陸を見ました。
改めて、私たちがどのように行動すべきか、考えたいと思います。
朝日新聞の社説が、一般の人に対する説明として、うまくまとめられておりましたので、それを用いながら、考えて行きます。
下線、太字、赤字は、小坂による。
今、わかっていることや、課題は以下。
①今回の新型インフルエンザは弱毒で、通常のインフルエンザと同じ程度
②タミフルが効く
③若年者によりつよい症状を起こす場合がある
④基本は、手洗い、うがい、マスク。(感染者は、マスクしてウイルスをばら撒かないこと)不要不急の外出はさける。
⑤発熱相談センターにまず、電話すること
(23区の情報は、こちらのブログを⇒http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/196d3fd29fc5c8097a07f45b74025e92)
中央区の場合⇒中央区保健所03-3541-5254 平日のみ9:00~17:00
中央区情報のホームページ:http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/hokenzyo/hokenzyo1/butainfuru20090427/index.html
⑥水際対策には、限界がある
⑦医療体制の早急なる整備が緊急な課題
⑧受診拒否のトラブルが発生しないように情報を行き渡させることが大切
⑨(小坂の追加)
今回は幸いにして弱毒であった。今後来るべき強毒新型インフルエンザへの備えの意味もあり、この機会を利用して、医療体制、行政の体制、各事業所の事業継続計画の整備などの徹底を図っていくべきである。
言葉は悪いかもしれないが、「貴重な予行演習」である。(現段階では、不明確な部分もあるので、もしかして「本番」であるかもしれない可能性は、含み置きます。)
そして、ウイルスは、体制整備まで、そんなに時間的余裕は与えてくれないはずである。タイムリミットは、この冬まで。弱毒の顔は、この冬には、違う顔で猛威を振るう可能性は大いにある。
などが、主たることろ。
****朝日新聞 社説より*****
<新型インフル―早期発見で広がり防げ(朝日新聞社説09/05/10)>
日本国内で初めて、新型の豚インフルエンザへの感染が確認された。
カナダでの語学研修を終え、米国経由の飛行機で帰国した大阪府の高校の生徒と先生合わせて3人で、成田空港での検疫で見つかった。
もし、そのまま帰宅していたら、周辺に感染が広がっていた恐れがあった。ウイルスの列島上陸を防ぐ水際作戦が功を奏したといってよい。
ただ、3人のうち1人は機内では発熱などの症状はなかった。機外に出てから異常を訴え、検査して感染がわかった。そのまま帰宅していても、不思議はなかった。
念のため、機内ですでに症状があった2人の近くに座っていた乗客らは感染のおそれがないことがはっきりするまでの10日間、近くの宿泊施設にとどまってもらう。だが、機外で体調不良を訴えた3番目の人の周りにいた約10人はそのまま入国したりした。
症状が出る前の潜伏期だと検疫をすり抜けてしまう。その結果、感染した人やそのおそれのある人が国内に入ってしまう。そんな、水際作戦の限界もまた、明白になった。
今回は空港での発見だったので、政府の新型インフルエンザ対策上は国内での発生には当たらず、なお水際に重点が置かれることになる。しかし、検疫の抜け穴に対する懸念が目に見えてきたことを考えれば、国内での広がりを前提にした医療態勢の整備などに一層、力を入れるべきときだろう。
いま大切なのは、感染が広がった国から帰国して、発熱やせき、くしゃみなどインフルエンザを疑わせる症状が出た人たちはすぐに、発熱相談センターに電話して指示を受けるようにすることだ。それが本人ばかりでなく周囲の人も守り、感染の広がりを抑えることになる。
幸い、今回の新型の症状はふだんのインフルエンザとあまり変わらず、早く見つけて早く治療すれば、タミフルなどの抗ウイルス薬が効く。
患者を確実に治療することで感染の拡大を防ぐ。それが着実に行われていることがわかれば無用の心配が広がることもないだろう。
そのためには相談をためらうことのないよう、患者を特別視したり、責めたりするようなことは厳に慎まなければならない。そして、医療機関できちんと治療が受けられる態勢が必要だ。
予防には、まず健康を保ち、丁寧に手を洗うことだ。ウイルスは、しぶきにくっついて飛ぶ。ウイルスのついたものに触れた手で口や鼻に触れることで感染するおそれがあるからだ。
マスクは、患者がウイルスをまき散らさないためには欠かせないが、感染を防ぐ効果はそれほど確実ではない。
予防は重要だが、限界があることもまた、理解しておきたい。
<新型インフル―国内の流行に備えよう(朝日新聞09/05/09社説)>
新型の豚インフルエンザは、衰えを見せない。最初に見つかったメキシコではやや収まってきているようだが、米国や欧州諸国などすでに20カ国以上に及び、患者も2千人を超した。
日本政府は、ウイルスの上陸を防ごうと、空港などで乗客の健康状態を調べ、懸命の水際作戦を続けている。しかし、数日間の潜伏期間もあり、検疫をすり抜けても不思議はない。国内に入ってくるのは時間の問題だろう。
舛添厚労相が認めたように、水際作戦は「時間稼ぎ」だ。肝心なのは水際作戦の先、つまり、国内で感染が広がったときに社会が混乱しないよう、しっかり備えを固めておくことだ。
これまでにわかっている範囲では、今回の新型ウイルスの毒性は弱く、毎年冬に流行するインフルエンザとほぼ同じ程度らしい。タミフルなどの薬が有効で、重症になるのは、もともとほかの病気があったり、受診が遅れたりした人が多いようだ。
ただ、理由はわからないが高齢者より若い人に感染が多く、下痢も目立つなど、ふだんのインフルエンザとの違いもある。恐れすぎることはないが、警戒は怠らないようにしよう。
気がかりなのは、発熱などを訴えて病院を訪れた人が、受診を拒否される例が早くも相次いでいることだ。
政府の新型インフルエンザに関する行動計画は、毒性がもっと強い鳥インフルエンザを想定しているため、防護服に身を固めた重装備で訓練が行われてきた。現在の検疫も、ゴーグルをつけたものものしい姿で行われている。こうしたことが医療機関の側に過剰な警戒心を生み、診療拒否につながっていることはないだろうか。
厚生労働省は、正確な情報を行き渡らせ、医療現場が混乱しないよう、努めてもらいたい。
現在の計画では、流行の初期は、患者を隔離するとともに学校閉鎖などで感染の拡大を抑えるとされている。だが問題は、感染がさらに拡大したときだ。医療機関には大勢の患者が殺到することが予想される。
計画では、この段階になると病院には重症者だけを受け入れ、軽症者は自宅で療養することになっている。しかし現実には、医師や看護師も、感染したり、子どもの学校が閉鎖されたりして、職場に出られないことも増えるだろう。そうした中で、大勢の患者にどう対応するのか。
綿密な計画作りが必要だ。ドライブスルー方式や宅配などで軽症者に薬を配る仕組みも考えておきたい。
私たち一人ひとりの行動も、きわめて重要だ。健康管理や手洗いを徹底する。もし感染したら、できるだけ外出せず、外に出るときはマスクをして、せきやくしゃみを通じて他人にうつさないようにする。それが基本だ。
****転載終わり****