土木、都市整備のあるべき姿を、述べられた文章がありましたので、掲載します。
ポイントは、土木の役割として、過去の「ものづくり」だけの時代から大きく変わり、「社会づくり」が求められるようになった。そのためには、地域と一体となって、事業を進めることが必要である。特に、造るプロセス、社会とかかわるプロセスを大切にして、事業を進めていかねばならない。
以前から、「まちづくり協議会改革」を主張してまいりましたが、中央区の開発が、少しでも、この述べられたことに近づくように今後とも努力してまいります。
すなわち、「まちづくり説明会」でなく、真の意味の「まちづくりに対する住民との意見交換ができる場」となることを目指したいと思います。
下線、赤字、太字は、小坂による。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/column/20090501/532360/
****以下、ケンプラッツ土木より転載*****
編集長が語る日経コントラクションのみどころ
土木は市民から感謝されてなんぼの商売
2009年5月8日号
2009/05/01
やりがい 感謝 プロセス やはり、自分の手掛ける土木事業が社会のためになっていると実感しながら仕事をしたい。そう考えるのはごく普通のことです。ところが、そんな普通の願いがかないにくくなってきています。日経コンストラクション5月8日号の特集では、実際に市民から感謝され技術者がやりがいを感じた事例を通して、土木の意義や社会とのかかわり方を見つめなおしました。題して「市民に教わる『土木の意義』」です。
取り上げた七つの事例に共通するのは、市民の声に耳を傾け、身近な問題を解決しようとしていることです。そして、地元を巻き込みながら、あるいは事業者と地域が一体となって進めるプロセスに特徴があることです。土木の枠内だけで問題解決を図ろうとするのでなく、土木の外の人たちと交流することで思わぬ解決策が見つかり、互いにハッピーになった例もありました。
それらは「事業」というより「運動」と呼んだほうがよさそうなものばかりです。事業によって得られる成果だけでなく、造るプロセスや社会とかかわるプロセスを大切にして、プロセスをデザインすることが求められていると思います。真の意味で土木が市民の身近な困りごとに取り組んできたかどうかも問われています。
さらに言えば、土木の役割はいまや「ものづくり」そのものにあるというより「社会づくり」にあるという認識が必要だと感じます。社会資本の整備水準が低く、ものづくりが社会づくりに直結した時代は過去のものとなりました。ものづくりは社会づくりのための一つの手段にすぎないと認識し、ものづくりによらない手段を含めて社会づくりをいかに進めるかを考えていかなければなりません。
そのような方法論がすべての土木事業に通用するとは限りません。しかし、シビルエンジニアリング(市民工学)でありながら、市民と乖離(かいり)してしまった土木が生まれ変わるための突破口の一つになるのではないでしょうか。
本号の特集は、4月10日号の創刊20周年記念特集「土木復権」に引き続き、土木が社会とのつながりを再構築し、技術者がやりがいを取り戻すヒントを探しました。最近、やりがいを感じなくなった、感謝されたことがないという土木技術者に読んでいただきたい特集です。
畠中 克弘=日経コンストラクション編集長[日経コンストラクション]
*****転載以上*****