今、あらゆる分野で、パラダイムシフトが必要になっていると考えます。
中央区の街づくりのあり方も、保留床売却で事業費をまかなう高容積の超高層建築物ありきの考え方から、新しい発想が求められていると考えています。
興味深い論説が日経新聞夕刊コラムに掲載されていましたので、転載します。
****日経新聞(09/11/13)夕刊コラム『あすへの話題』*****
「独創性とパラダイムシフト」 日立製作所フェロー 小泉英明
21世紀を迎えるにあたって、20世紀最大の名曲はどの作品だろうかと、多数の音楽専門家と愛好家のそれぞれが問われた。両者の意見は一致して、多くの人々がストラビンスキーの「春の祭典」を選んだ。しかし、この曲は、初演のときに演奏会場が大混乱におちいったことでも知られる。演奏の真っ最中に聴衆の不満が爆発。怒号で音楽が聞こえなくなり、バレエを振り付けたニジンスキーは、舞台の袖からダンサーたちに拍子を送ったといわれる。
新しいものはパラダイム(考え方の枠組み)の変化をともなう。だからこそ本質的に新しい。しかし一方、その時点での一般常識からは遠いものとなる。「最先端」と認められること自体、その概念がもはや古いということだ。画家のゴッホも生きている間には、一枚の絵も売れなかったとされる。芸術だけではく、学術や科学技術、あるいは政治や経済の世界でも、新たな創造については似たものがあるだろう。
社会問題の解決や、人文学・社会科学に科学技術が斬りこむイノベーションには、領域を架橋融合させ、新たな枠組みを創発させねばならない。しかし、そのような考え方自体が過去には存在しないからやっかいだ。考え方の土台ごと別のところへいってしまうのであるから、取り残された人にはさっぱり訳がわからない。しかし、じぶんにわからないはずはないとのプライドが傷つくから、反論は感情的となる。
若い人々が斬新で創造的な仕事に夢中になっているときに、黙って応援する気持ちが先輩には必要だろう。その寛容さが、明日の世界を変えていく。
*****以上、*****
中央区の街づくりのあり方も、保留床売却で事業費をまかなう高容積の超高層建築物ありきの考え方から、新しい発想が求められていると考えています。
興味深い論説が日経新聞夕刊コラムに掲載されていましたので、転載します。
****日経新聞(09/11/13)夕刊コラム『あすへの話題』*****
「独創性とパラダイムシフト」 日立製作所フェロー 小泉英明
21世紀を迎えるにあたって、20世紀最大の名曲はどの作品だろうかと、多数の音楽専門家と愛好家のそれぞれが問われた。両者の意見は一致して、多くの人々がストラビンスキーの「春の祭典」を選んだ。しかし、この曲は、初演のときに演奏会場が大混乱におちいったことでも知られる。演奏の真っ最中に聴衆の不満が爆発。怒号で音楽が聞こえなくなり、バレエを振り付けたニジンスキーは、舞台の袖からダンサーたちに拍子を送ったといわれる。
新しいものはパラダイム(考え方の枠組み)の変化をともなう。だからこそ本質的に新しい。しかし一方、その時点での一般常識からは遠いものとなる。「最先端」と認められること自体、その概念がもはや古いということだ。画家のゴッホも生きている間には、一枚の絵も売れなかったとされる。芸術だけではく、学術や科学技術、あるいは政治や経済の世界でも、新たな創造については似たものがあるだろう。
社会問題の解決や、人文学・社会科学に科学技術が斬りこむイノベーションには、領域を架橋融合させ、新たな枠組みを創発させねばならない。しかし、そのような考え方自体が過去には存在しないからやっかいだ。考え方の土台ごと別のところへいってしまうのであるから、取り残された人にはさっぱり訳がわからない。しかし、じぶんにわからないはずはないとのプライドが傷つくから、反論は感情的となる。
若い人々が斬新で創造的な仕事に夢中になっているときに、黙って応援する気持ちが先輩には必要だろう。その寛容さが、明日の世界を変えていく。
*****以上、*****