「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

新型インフルエンザ 予防接種 集団接種の一日 10ccワクチンを手に

2009-11-15 20:01:09 | 各論:新型インフルエンザに備える

 11/15日曜日の今日、新型インフルエンザの予防接種(集団接種)を当院で施行いたしました。新型インフルエンザ予防接種“のみ”で特別枠を設けて行いました。

 正直、新型インフルエンザ患者をふくめ一般外来診療や季節性インフルエンザ予防接種、健診や他の予防接種で時間を要し、平日の診療では、新型インフルエンザ予防接種まで実施する時間がないというのが実情です。
 新たな時間を生み出すには、日曜日や土曜日午後の時間しかもうありません。
 
 今日一日のうちで、某テレビ局3社が新型インフルエンザ予防接種の現場の取材に来られました。


 
 中央区の掲げる優先接種対象者接種スケジュールでは、優先接種対象者のうち、「①妊婦(11/9開始)」と「②基礎疾患のある患者(11/9開始)」が、本日のところの予防接種の対象者であります。
⇒中央区の優先接種対象者接種スケジュールhttp://www.city.chuo.lg.jp/chumoku/sinngatainnfuru/sinbata_inhuru_yobousessyuH21.10/index.html

 
 ただ、写真でみてわかりますように、10ccワクチンを使用します。小さなワクチンは1ccワクチンです。(両方とも頭にピンクのキャップがついている開封前です。)
 小児は、0.2ccや0.3ccの接種ですから、10ccワクチンは、30~50人分となります。
 また、一度開封すると、24時間以内に使用するという指導がある状況です。
⇒24時間以内の使用の根拠http://www-bm.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/10/dl/info1020-01.pdf

 
 「妊婦」と「基礎疾患のある患者」だけで本日分10ccワクチンを使用すると、あまってしまい、残りを廃棄することになってしまいます。
 ワクチンがまったく足りないといわれている中で、当然、廃棄することなく、0.1ccたりとも無駄にすることなく、接種すること(10ccワクチンを一度に使い切ること)が医療者側に求められていると思います
 
 早く、その他の優先接種対象者(③1歳~未就学児(11/16開始)、④小学校低学年(12月中旬開始))に接種を行っていきたいという状況下、これら次の優先順位の子ども達への接種を前倒しして、残り分を接種いたした次第です。
⇒前倒しの根拠http://www-bm.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/11/dl/info1106-01.pdf

 
 当院で新型インフルエンザワクチン接種を希望する多くの方がいらっしゃいます。
 情報提供を希望する患者さんに鋭意、ワクチン入荷の状況を電話連絡いたしているところですが、ワクチン入荷そのものが、まったく希望者全数に対して行き渡らない状況です。
 どのクリニックでも同じ状況と思いますが、どうかしばらくお待ちいただけますようによろしくお願い申し上げます。

 また、保健所なりで複数医師参加のもと「集団接種が実現できるように医師会を中心に働きかけておりますので、これも今しばらくお待ちください。

 なお、中央区では、優先接種者の新型インフルエンザ実施費用は、自己負担なしの「全額助成」が実現されることになりました!
 11月20日からはじまる中央区議会第四回定例会において、「優先対象者への新型インフルエンザ予防接種全額助成」に対し平成21年度一般会計補正予算1億7785万4千円が計上されます。

 

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