2006年(平成18年)約10ha(市場予定地の約27%)を720億円購入。
本年度新規購入予算は約23.5haを1260億円、購入予定。
両者、汚染を知りながら、ないものとした価格で購入または、予算審議での付帯決議が守られれば購入する予定。
都民の税金の違法な無駄遣いが行われ、また、行われようとしています。
昨日、2006年購入分にかかった購入代金の違法な支出分の公金返還を求めた裁判の初公判が、東京地裁522号法廷において行われました。
裁判の背景や要点を述べた裁判での弁護団陳述書をいただきましたので、こちらでも掲載いたします。
豊洲土壌汚染土地の売買に関する問題点を、共有できましたら幸いです。
****以下、原告側弁護団 陳述書****
1本件の背景について
今回監査の対象となった豊洲の土地は,元々東京ガスの操業跡地であります。そして,ご承知のとおり築地市場の移転先として石原都政が画策しているところであります。都政における現在進行形の最大級の問題となっています。
この築地市場の豊洲移転問題をめぐっては,様々な問題が次から次に起こっています。
現在では,専門家会議・技術者会議での検討を経て,当該土地がベンゼン・シアン等を初めとして高濃度の汚染まみれの土地であることが判明しています。しかも,当時公表されていなかった発がん性物質ベンゾ(a)ピレンの存在が後になって新聞ですっぱ抜かれたり,最近では,東京ガスが盛り土をして安全であることが前提になっていたその盛り土についても,新聞によって指摘されて初めて汚染があるということが判明し,今後の汚染対策が必要であるという話になってきています。
本件は,そういった問題の内包する土地を平成18年,2006年に立て続けに都が購入したという問題であります。3回の売買で約600億円以上の莫大なお金が動きました。
この土地が東京ガスの豊洲操業跡地であることはもちろん誰もが承知しています。そして,もともと築地市場の再整備ということで進んでいた話が,石原都政誕生とともに,豊洲移転論が台頭し,本件の売買に至っているわけであります。
しかし,この東京都の動きに対して,平成12年6月東京ガスは「弊社豊洲用地への築地市場移転に関わる御都のお考えについて(質問)」を提出し,当該土地が生鮮を扱う市場には適さないのではないかと,当該土地での操業者として当然汚染者負担の問題が発生しうることを念頭においた指摘をしていた経緯もあります。
にもかかわらず,その後も都は豊洲移転を既定路線として推し進め,本件売買契約を締結しました。それぞれの契約書には,通常ありえない瑕疵担保責任についての免責規定があります。あろうことか,汚染者負担の責任原則を自ら放棄し,600億円もの都民の血税を汚染まみれの土地の購入のために使ったのであります。
2本件の争点
本件の争点は,監査請求をした時期が平成18年の売買契約のときから1年を経過しているではないかというものであります(地方自治法242条2項)。
しかし,平成18年当時石原都知事を含めた都の責任者以外の誰が,問題の本質を知りえたでありましょうか。
都が売主側の汚染者負担の責任原則を免責させていたと誰が考えたでしょうか。そのような無責任な行動を都知事が行っているとは考えておりませんでした。それどころか,都はこの契約の時期にさらに都民に対する背信的な言動に出たのであります。
一つ目の契約は平成18年2月に行われ,その報告が同年3月になされたのでありますが,その報告では,「すべての土地が安全となるよう処理を行っております」と,これも事実に反する答弁を行うのみでした。従って,この時点では都民は単に契約の存在を知りえたというにとどまります。本件の契約にあたっては。平成18年3月に至るまでに東京ガスの汚染処理がなされることになっておりました。その時点で環境確保条例に基づく平成15年指針が既に策定されておりましたが,東京ガスは基準の甘い平成13年指針に基づいて汚染処理を行ったのであります。このような事情を知りながら,都は,そのことを都民に対して隠匿し,東京ガスの汚染処理によって安全性は確保されていると強弁していたのであります。
また,汚染処理の責任問題についても事実を隠し続けました。
平成18年10月25日の,公営企業会計決算特別委員会第一分科会において,都は「東京ガスの操業に基づく汚染物質等が発見された場合につきましては,・・・東京ガスが処理するという了解は得てございます」という事実に真っ向から反する答弁をし,さらに平成19年6月21日の経済・港湾委員会における答弁においてすら,「追加調査で新たに土壌汚染が見つかった場合,その処理については誰が行い,…誰が費用を負担するのか」という都議の質問に対して「操業由来の汚染土壌について,東京ガスが適切に処理を行うという内容の確認書を交わしている」とこれまた虚偽の答弁を繰り返したのであります。
このような状況では,原告を含めた都民が本件で問題としている土地の売買について監査を必要とするという正確な判断ができなかったことは言うまでもありません。都民が問題の所在を知りえたのは,まさに平成22年1月5日の朝日新聞の報道「汚染処理 都だけ負担も 東ガス義務規定なし」との内容によったのであります。この報道によって,初めて原告の方々は,4月1日になって監査請求をなしえたのであります。
今回被告東京都は,これまでの都議会での答弁の延長線上の答弁しかしておりません。被告は,監査請求期間が経過しているのだから門前払いをすべきだと裁判所に却下決定求めていますが,これまでの経過に鑑みれば極めて不誠実と言わざるを得ません。また,これだけの都民の税金が無駄に使われているという事実を直視し,さらなる損害の拡大を防止するためにも本件訴訟が有する社会的な意義を十分に理解した答弁をすべきものと考えます。
ぜひ裁判所には,本件訴訟についての意義を十分にご理解いただき,充実した実質審理をお願いし陳述を終わります。
以上
本年度新規購入予算は約23.5haを1260億円、購入予定。
両者、汚染を知りながら、ないものとした価格で購入または、予算審議での付帯決議が守られれば購入する予定。
都民の税金の違法な無駄遣いが行われ、また、行われようとしています。
昨日、2006年購入分にかかった購入代金の違法な支出分の公金返還を求めた裁判の初公判が、東京地裁522号法廷において行われました。
裁判の背景や要点を述べた裁判での弁護団陳述書をいただきましたので、こちらでも掲載いたします。
豊洲土壌汚染土地の売買に関する問題点を、共有できましたら幸いです。
****以下、原告側弁護団 陳述書****
1本件の背景について
今回監査の対象となった豊洲の土地は,元々東京ガスの操業跡地であります。そして,ご承知のとおり築地市場の移転先として石原都政が画策しているところであります。都政における現在進行形の最大級の問題となっています。
この築地市場の豊洲移転問題をめぐっては,様々な問題が次から次に起こっています。
現在では,専門家会議・技術者会議での検討を経て,当該土地がベンゼン・シアン等を初めとして高濃度の汚染まみれの土地であることが判明しています。しかも,当時公表されていなかった発がん性物質ベンゾ(a)ピレンの存在が後になって新聞ですっぱ抜かれたり,最近では,東京ガスが盛り土をして安全であることが前提になっていたその盛り土についても,新聞によって指摘されて初めて汚染があるということが判明し,今後の汚染対策が必要であるという話になってきています。
本件は,そういった問題の内包する土地を平成18年,2006年に立て続けに都が購入したという問題であります。3回の売買で約600億円以上の莫大なお金が動きました。
この土地が東京ガスの豊洲操業跡地であることはもちろん誰もが承知しています。そして,もともと築地市場の再整備ということで進んでいた話が,石原都政誕生とともに,豊洲移転論が台頭し,本件の売買に至っているわけであります。
しかし,この東京都の動きに対して,平成12年6月東京ガスは「弊社豊洲用地への築地市場移転に関わる御都のお考えについて(質問)」を提出し,当該土地が生鮮を扱う市場には適さないのではないかと,当該土地での操業者として当然汚染者負担の問題が発生しうることを念頭においた指摘をしていた経緯もあります。
にもかかわらず,その後も都は豊洲移転を既定路線として推し進め,本件売買契約を締結しました。それぞれの契約書には,通常ありえない瑕疵担保責任についての免責規定があります。あろうことか,汚染者負担の責任原則を自ら放棄し,600億円もの都民の血税を汚染まみれの土地の購入のために使ったのであります。
2本件の争点
本件の争点は,監査請求をした時期が平成18年の売買契約のときから1年を経過しているではないかというものであります(地方自治法242条2項)。
しかし,平成18年当時石原都知事を含めた都の責任者以外の誰が,問題の本質を知りえたでありましょうか。
都が売主側の汚染者負担の責任原則を免責させていたと誰が考えたでしょうか。そのような無責任な行動を都知事が行っているとは考えておりませんでした。それどころか,都はこの契約の時期にさらに都民に対する背信的な言動に出たのであります。
一つ目の契約は平成18年2月に行われ,その報告が同年3月になされたのでありますが,その報告では,「すべての土地が安全となるよう処理を行っております」と,これも事実に反する答弁を行うのみでした。従って,この時点では都民は単に契約の存在を知りえたというにとどまります。本件の契約にあたっては。平成18年3月に至るまでに東京ガスの汚染処理がなされることになっておりました。その時点で環境確保条例に基づく平成15年指針が既に策定されておりましたが,東京ガスは基準の甘い平成13年指針に基づいて汚染処理を行ったのであります。このような事情を知りながら,都は,そのことを都民に対して隠匿し,東京ガスの汚染処理によって安全性は確保されていると強弁していたのであります。
また,汚染処理の責任問題についても事実を隠し続けました。
平成18年10月25日の,公営企業会計決算特別委員会第一分科会において,都は「東京ガスの操業に基づく汚染物質等が発見された場合につきましては,・・・東京ガスが処理するという了解は得てございます」という事実に真っ向から反する答弁をし,さらに平成19年6月21日の経済・港湾委員会における答弁においてすら,「追加調査で新たに土壌汚染が見つかった場合,その処理については誰が行い,…誰が費用を負担するのか」という都議の質問に対して「操業由来の汚染土壌について,東京ガスが適切に処理を行うという内容の確認書を交わしている」とこれまた虚偽の答弁を繰り返したのであります。
このような状況では,原告を含めた都民が本件で問題としている土地の売買について監査を必要とするという正確な判断ができなかったことは言うまでもありません。都民が問題の所在を知りえたのは,まさに平成22年1月5日の朝日新聞の報道「汚染処理 都だけ負担も 東ガス義務規定なし」との内容によったのであります。この報道によって,初めて原告の方々は,4月1日になって監査請求をなしえたのであります。
今回被告東京都は,これまでの都議会での答弁の延長線上の答弁しかしておりません。被告は,監査請求期間が経過しているのだから門前払いをすべきだと裁判所に却下決定求めていますが,これまでの経過に鑑みれば極めて不誠実と言わざるを得ません。また,これだけの都民の税金が無駄に使われているという事実を直視し,さらなる損害の拡大を防止するためにも本件訴訟が有する社会的な意義を十分に理解した答弁をすべきものと考えます。
ぜひ裁判所には,本件訴訟についての意義を十分にご理解いただき,充実した実質審理をお願いし陳述を終わります。
以上