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「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

いよいよ、明日4/14開催です。第三回築地市場を考える勉強会

2009-04-13 13:04:01 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 築地市場移転問題につきまして、勉強会を開催してまいりました。

 今回は、公害病イタイイタイ病の原因物質、カドミウムの汚染対策に約40年取り組んできた大阪市立大学大学院の畑明郎特任教授(環境政策論)をお招きし、退任講演の内容を中心に御講演いただきます。

 あわせて、土壌汚染対策法改正や築地市場移転問題・豊洲土壌汚染問題に関して、都政・国政報告、市場内外の状況の報告をそれぞれの分野から述べていただき、最後に質疑応答の時間を持ちたいと考えます。

 414日午後6時から、下記のようなプログラムで、築地市場の地元中央区の月島区民館で行います。
 月島区民館:http://mappage.jp/S/S04.php?L=12&X=2.4397582200009&Y=0.62238395999932
 似た名前の施設として、「月島区民センター」があります。お間違えになられませんように念のため、お伝えいたします。

お気軽にご参加下さい。

お待ち申し上げております。

 もし、なにかご不明な点が、ございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

電話03-5547-1191 ファックス03-5547-1166 メール kazuki.kosaka@e-kosaka.jp


                記

日時:平成214月14日火曜日 午後6時から午後9時
場所:月島区民館 大会議室(中央区月島2-8-11、電話03-3531-6932
(注、月島区民センターとは、異なります。月島保健センター近くです。)

参加費:500円(資料代含め)

プログラム:
午後6時~ 第一部:国政・都政報告ー土壌汚染対策法改正案も含めー
都政報告:(順不同)
◎日本共産党東京都議会議員団  小竹ひろ子 議員
◎自治市民’93              福士敬子  議員
◎市民の党                伊沢けい子 議員
(都議会全会派にご案内を通知し、4/12現在の出席のお返事をいただいた回答の状況です。)

国政報告:
◎衆議院議員    民主党      川内博史 代議士

午後7時~ 第二部:特別講演
  演題「金属産業の技術と公害の歴史土壌汚染を中心としてー」
   
畑 明郎先生
 (日本環境学会会長、大阪市立大学大学院特任教授)

午後8時~ 第三部:討論
  築地市場移転の問題点、豊洲土壌汚染対策の問題点
  ◎「豊洲土壌汚染の実態」   
  
日本環境学会土壌汚染ワーキンググループ長             坂巻幸雄氏
  子どもたちに残したい世界ネット、オリンピックを考える市民の会  水谷和子氏
  ◎「築地移転計画の裏側―外資に差し出す?官製地上げ」
  子どもたちに残したい世界ネット、オリンピックを考える市民の会  田中宏治氏
  ◎「夢のある築地市場を目指して」 
  NPO法人市場を考える会                          野末 誠氏

以上、

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【歌舞伎座 UP DATE 10】地下広場?取り壊し計画問題。明日4/13、都市計画審議会

2009-04-12 10:01:34 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 歌舞伎座の取り壊し計画が浮上し、保存すべきであるという多くの声が、中央区だけでなく、全国から届いています。

 専門の先生方にお伺いし、計画の問題点を調査中です。

 歌舞伎座取壊し計画には、同時に地下広場なる計画があります。 この地下広場が、逆に、銀座のシンボルとなっている歌舞伎座建物の保存を不可能にしてしまっています。 そして、地下広場が、地域貢献性という名のもとに、銀座ルール高さ制限56mをやぶり、ルールの3倍もの高さの“超”高層ビルを可能にする理由とされているのだと推察いたします。 悪く表現するなら、この計画の“トリック”です。

 歌舞伎座の建物と、地下広場の位置関係を示す資料がございましたので、掲載します。 写真の赤色の部分が、地下広場の計画されている位置です。 建物を保存しながら、赤色の地下広場を作るのは、難しいようです。

 そもそも地下広場は、災害時の避難者の滞在場所という名目です。 もし、地域住民のための避難広場をつくるのであれば、1階に作るべきではないでしょうか?
 災害時、地下の広場なるものは、本当に機能するのでありましょうか? 余震が続く中、人の心理として、本当に地下に避難するのだろうか??災害時、電気供給が不安定で、一旦停電するとまっくらな地下広場に、人はいたいと思うものなのだろうか??

<以下は、歌舞伎座取り壊し案に対する意見書>http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/939e0ed94bad7f98deaab698a393e257
「東京都市計画地区計画銀座地区地区計画の変更」に対する意見書
平成21年3月4日                   
東京都中央区月島3-30-3                     
中央区議会議員                     
小児科医師(医学博士)                        
小坂和輝(42歳)

 本計画は、銀座一丁目~八丁目各地内の地区計画区域、銀座四丁目12番において開発により計画される地区広場を地区施設に位置づけるものです。 地区広場を、東銀座駅からのバリアーフリー動線の整備に役立てると共に、災害時の帰宅困難者一時避難スペースとして、地下広場で約1000人、劇場で約2000人、合計3000人を収容し、かつ約3000人分の3日分の水・トイレ等の備蓄を可能とする備蓄倉庫を備えている計画を高く評価いたします。 ただし、この地区施設を整備することに合わせ、地上29階建て、高さ約150mの超高層ビルを許容し、かつ、今や銀座のランドマークとなっている歌舞伎座を取壊してしまうという重大な問題を有した計画でもあります。 これらの問題点を明らかにする形で、以下、意見を述べさせていただきます。

一、 現在の歌舞伎座を取り壊わす案の再検討を求めることについて 現在の歌舞伎座を取壊してしまうことを合わせ持つ計画である以上、本地区計画は、認めることはできません。 保存することの価値については、日本建築学会が、2006年4月18日に、中央区長矢田美英氏、株式会社歌舞伎座代表取締役社長 大谷信義氏の両氏宛てに出した「歌舞伎座の保存に関する要望書」に詳しく述べられています。本文最後の部分に、同学会建築歴史・意匠委員会委員長 吉田鋼市氏記載の「歌舞伎座についての見解」と合わせて、添付しますので、ご参照をお願いいたします。 なお、後述する「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」(2005年12月、社団法人 日本都市計画学会)作成において、日本建築学会のメンバーも入っておりますが、同報告書の内容も踏まえて、要望書が2006年4月に出されていることも念頭においていただけますようにお願いします。

一、 現在の歌舞伎座が保存できないことを裏付ける科学的データの提出を求めることについて 現在の歌舞伎座が保存できないということの理由を、科学的データを示しながら、公けの場で説明をする機会を設けるべきです。 現に、「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」(2005年12月、社団法人 日本都市計画学会)の分析によりますと、【コンクリート圧縮強度試験】では、「コンクリートの推定設計強度は保持されていると考えられる。」とあります。コンクリートの強度は大丈夫のようでございます。 また、引き続きの記載では、【コンクリート中性化調査】「一般的な建物と比較すると中性化の経年進行がやや進んでおり、一部中性化が鉄筋付近に達している部分もある。」【鋼材の発錆と被り厚さ調査】「鉄筋の全周に錆が発生し、かつ中性化が進行していることから、今後発錆の進行により構造耐力が低下する可能性が考えられる。」とあります。前者は、すなわち、コンクリート内の鉄筋を錆びないように水との接触を防ぐ手立てを講ずれば大丈夫であることを意味しますし、後者は、発錆の進行を止める処置をすれば、鉄筋の構造耐力を保持し続けることを意味し、この記載自体もなんら、保存が出来ない理由とはなりません。 保存できないというのであれば、きちんとその理由を科学的データに基づき、説明することを求めます。

一、 現在の歌舞伎座の保存を第一にした改修案作成を求めることについて よって、本地区計画を認めるためには、現在の歌舞伎座の保存を第一におき、役者の皆様にとっての舞台設備の利用しづらさの課題を解決しつつ改修する計画に向けて、再検討することを求めます。

一、 保存できないのであれば、「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」の検討内容を実行することを求めることについて 現在の歌舞伎座を取り壊さざるを得ないというのであれば、「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」で謳っている、第3期岡田信一郎氏デザインの復元を忠実に実行すべきであると考えます。

一、「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」の意図から反するデザインを提出した理由の説明を求めることについて なぜ、上述の「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」の意図する第3期岡田信一郎氏デザインの復元に反して、縦覧資料記載 図.イメージパース(晴海通り側から)にあるデザインとしたのか、公けの場で説明をする機会を設けるべきであります。 もし、図.イメージパース(晴海通り側から)にあるデザインをもってして、第3期岡田信一郎氏デザインの復元というのであれば、どこがどのように復元といえるのか説明を求めます。岡田氏のデザインをまったく無視したデザインを出してきているとしか、考えようがございませんし、おそらく、二つのデザインを並べてみて、誰もが、同様の感を受けると思います。

一、地元及び中央区との約束を反故にした計画は、認めるわけにはいかないことについて 銀座、京橋地域の地元及び中央区は、「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」の意図する第3期岡田信一郎氏デザインの復元を実現し、伝統的な佇まいを残し、江戸文化の継承を意図するものであるならばという条件で、取り壊し及び超高層ビルの建設を容認した経緯があります。 今回のデザインは、「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」に反したデザインである以上、その地元との約束を反故にしたものであり、断じて認めるわけにはいきません。計画の再検討を求めます。

 以上、意見を申し述べましたが、現在の歌舞伎座の保存は、地元だけでなく、日本中の多くの方々が求めるところです。2002年国の登録有形文化財に登録されたのも、その文化的価値の高さが、万人が認めるものだからこそです。 歌舞伎座自体は、松竹の一民間企業の所有のものであり、登録有形文化財に何の効力も有しないとのご認識に立たれるのでしょうか。 歌舞伎や松竹の繁栄は、それを観て楽しむお客様あってのものです。 この度の、理由なき取り壊し、理由なき復元デザインの変更は、断じて認めるわけにはいきません。 経済性・効率性を重んじるあまり、お客様を無視することは、松竹の姿勢としては、あってはならないことです。 日本の建築学の英知を結集し、どうか歌舞伎座の保存を第一においた改修を実現して、真に日本文化・伝統の拠点となり、日本、いや世界中の皆様から愛される歌舞伎座を作っていただけますようにお願い申し上げます。 あわせまして、歌舞伎座の保存の実現に向けましては、東京都及び中央区による格段の取り計らいがなされますようにお願い申し上げます。
 引き続き、添付資料を掲載しますので、ご参照願います。

<添付資料 1>
2006 年4 月18 日

東京都中央区長 矢田美英 殿株式会社歌舞伎座代表取締役社長 大谷信義 殿                                                          社団法人 日本建築学会                                                             会 長 村上 周三

                歌舞伎座の保存に関する要望書

 拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 日頃より、本会の活動につきましては多大なご協力を賜り、厚くお礼を申し上げます。 去る2005 年11 月17 日の各紙朝刊において、中央区銀座四丁目に建つ歌舞伎座の建替えが計画されているとの新聞発表がありました。御承知のように、この建物は木造の初代歌舞伎座(1889 年竣工)が1921 年10 月に焼失したのを受け、新たに「不燃構造で和風意匠を持つ劇場建築」として1924(大正13)年12 月に竣工した建物であり、1945 年5 月の空襲では被災したものの、1950(昭和25)年12 月には復旧と設備の増強を意図した戦災復興工事を終了し、現在まで伝統芸能である歌舞伎の殿堂として多くの市民に親しまれてきた建物です。 また、2002 年2 月には国の登録有形文化財に登録されましたように、その文化的価値の高さが既に評価されている建物でもあります。建物の設計者は、当初が当時東京美術学校(現・東京芸術大学)の教授であった岡田信一郎(1883~1932)で、戦災復興工事では同じく当時東京芸術大学の教授であった吉田五十八(1894~1974)が意匠設計を担当しました。 歌舞伎座は「不燃構造の和風意匠」によって造られたため、大正時代から現在に至るまで近代化し続けてきた銀座の都市景観において、日本の伝統芸能である歌舞伎の伝統・文化を広く市民に伝えることに成功し、それゆえ銀座を代表するランドマークとして長く親しまれてきました。すなわち、歌舞伎座の建築史的価値はこの「不燃構造の和風意匠」にこそあり、別紙「見解」にて詳しく示します通り、そこには上記二人の建築家の創意が十分に発揮されています。 復興工事から55 年が経過しており、大都市の劇場建築としては時代と共に機能面において不備が生じ、耐震化の必要も懸念される事情は理解できます。しかし、わずか4 年前に国の登録有形文化財に認められたばかりの文化遺産でありますし、その伝統的な意匠の価値が今後も近代化してゆく銀座の都市景観において更に重要性を増してくるのではないかと思われます。貴下におかれましては、この貴重な建物の持つ高い文化的意義と歴史的価値についてあらためてご理解いただき、このかけがえのない文化遺産の価値を最大限に考慮した保存改修を行っていただけますよう、また、それが困難な場合でも上記二人の建築家のすぐれた伝統的意匠を継承した建築計画がなされますよう、格別のご配慮を賜りたくお願い申し上げる次第であります。 なお、本会はこの建物の保存に関して、できうる限り協力させていただく所存であることを申し添えます。敬具

<添付資料2>
 2006 年4 月18 日

歌舞伎座についての見解

                                                                                         社団法人 日本建築学会                                                                                         建築歴史・意匠委員会                                                                                          委員長 吉 田 鋼 市

 東京都中央区銀座四丁目12 番15 号に建つ歌舞伎座は、木造の初代歌舞伎(1889 年竣工)が漏電による出火で1921 年10 月30 日に焼失したのを受け、新たに「不燃構造で和風意匠を持つ劇場建築」として設計され、1922 年6 月2 日に起工し、途中で関東大震災による工事中断(1923 年9 月1 日~1924 年3 月15 日)を挟みながら1924(大正13)年12 月15 日に竣工した建物である。当初の建物は、当時東京美術学校(現・東京芸術大学)教授であった岡田信一郎(1883~1932)が設計を担当し、施工は株式会社大林組が請け負った。同建物はその後、1945 年5 月25 日の空襲によって被災したが1949 年12 月には復興工事に着工し、1950年12 月30 日に竣工した。この復興工事では、意匠設計をこれも当時東京芸術大学教授であった吉田五十八(1894~1974)が担当し、施工は清水建設株式会社が請け負った。この建物の最大の特徴は、不燃構造で和風意匠を用いて設計された点にある。そして現存建物の設計者としては、このような経緯から見て、岡田信一郎と吉田五十八の二人を挙げるべきと考えられる。 上記建物はこのような複雑な経緯を持つため、まずここでは当初建物の概要と戦災復興工事における改修内容を比較・検討し、岡田信一郎と吉田五十八の和風デザインが現存建物にどのような形で見られるかという点を明らかにし、その上でこの建物の建築史的価値について述べることとする。

1. 当初建物の特徴と戦災復興工事の内容

1-1. 当初建物の特徴について(出典:『建築雑誌』1925 年3 月号)竣工当時の歌舞伎座の構造形式は、鉄骨鉄筋コンクリート造の地下1 階・地上4 階建てで、小屋組を鉄骨造、屋根スラブを鉄筋コンクリート造とした不燃構造であった。床面積は、敷地面積の2,133.5 坪に対して建築面積が約1,062 坪、延床面積が約2,894 坪で、平面計画では、敷地北側を走る晴海通りに面して中央に正面玄関および玄関ホールを設け、反対側(南側)に舞台を配し、その間に客席を広く確保している。劇場内部は近代的な劇場建築としての機能を満たすように、客席は椅子式で床に傾斜を付けた形式が取られ、花道を撤去すれば現代劇や映画館としても対応できるように設計された。客席は2 階・3 階にも設けられ、4 階には天井桟敷の「一幕見席」が設けられた。近代設備としては、電気照明の他に劇場空間に蒸気暖房設備が導入された。 建物の意匠的特徴としては、特に外観意匠において不燃構造の建物を伝統的な和風意匠でまとめ上げた点が特筆される。具体的なモチーフとしては、本瓦葺きの入母屋屋根や車寄せの唐破風、壁面に見られる柱型と長押、軒裏の組物といった江戸時代以前の寺院・城郭に見られる伝統的な意匠が建物の外観に適用された。この意匠表現は特に晴海通り側のファサードにおいて歌舞伎の賑やかさ・豪華さと格式を表現するのに成功している。すなわち、中央の劇場部分に入母屋の大屋根を架けて大きな妻面を見せるとともに、正面中央に唐破風の車寄せを配することで建物の正面性をまず強調し、更に左右相称に配された両脇の階段室の壁面をやや前にせり出し、その上に架けた入母屋屋根の妻を正面に向けることで、建物のファサードに豪華さと安定感をもたらすことに成功している。加えて一階部分に庇を廻して水平感を持ち込むことで、立面のタチの高いプロポーションを和らげることにも成功している。 一方、内部空間では丸い柱型や虹梁風の梁型などの細部に和風意匠が用いられており、劇場の天井には芝居小屋に伝統的に見られる格天井が用いられた。

1-2. 戦災復興工事における改修内容(出典:歌舞伎座出版部『歌舞伎座』1951 年) 戦災復興工事の総工事費は、合計2 億5824 万3522 円であった。この復興工事では建物の復旧だけでなく、最新式の設備(舞台装置、冷暖房、音響、照明設備)の導入が図られ、設備工事に多額の予算が注ぎ込まれた。設備設計は木村武一が担当した。 建物の意匠については、設計を担当した吉田五十八がこの復興工事での改修内容として以下の点を挙げている。1) 観客席と舞台の屋根については、当初の大屋根を復原せず、陸屋根に変更した。2) 正面外観はほとんど以前のまま補修した(大屋根の破風以外)。3) 構造体は既存の躯体を補強し、その結果、当初より座席の柱が太くなり、廊下の天井が低くなった。4) 客席の天井を当初の格天井から変更し、新たに舞台から一幕見席(天井桟敷)まで通した尾州桧の「吹寄棹縁天井」として、そこに間接照明を設置した。5) 玄関ホールのインテリアを変更し、当初の白を基調としたものから濃朱の丸柱などの「日本味豊かな色彩」(吉田)へと変更し、天井を下げて間接照明とした。以上のことから、まず現存建物の外観意匠、特に軒下のファサードと正面両脇の入母屋屋根については岡田信一郎の設計が現存建物まで保存されてきたこと、吉田は客席・舞台部分の屋根を陸屋根に改修したのに伴い、正面の破風を取って両脇の入母屋屋根を棟で繋ぐように屋根を作り替え、新たに従来にはなかった軽快さを建物のファサードに加えたことなどがわかる。一方、室内意匠については、構造補強と設備の増強に伴い、吉田によって新たに設計されたものが現存建物の基本となっていると見て良い。

2. 現存建物の建築史的価値について 現存建物の建築史的価値は、以下に述べるように外観意匠については岡田信一郎の設計した和風意匠という点において、また室内意匠については吉田五十八の設計した和風意匠という点において、その重要性を指摘することができる。

2-1. 岡田信一郎の設計した不燃構造・和風意匠の最初の作品としての重要性 歌舞伎座のもつ建築史的価値としてまず第一に挙げるべきは、この建物が岡田信一郎の設計した不燃構造・和風意匠の最初の作品であり、その主たる表現である外観の和風意匠が復興工事おいて吉田五十八によって保存され、現存建物まで継承されてきたという点である。 岡田信一郎は、明治生命館(1934)などの優れた古典主義建築を設計するとともに、一方では1924 年から1934 年にかけて鎌倉国宝館(1927)や虎屋(1932)など、不燃構造で和風意匠の建物を複数設計した。不燃構造で和風意匠の建物を設計することは、大正時代の日本の建築家にとって新しいテーマの一つであり、岡田もそのテーマに取り組んだ一人であったが、歌舞伎座はその最初の作品であり、岡田の伝統観や「和風」に対する考え方を知る上で極めて重要な建物といえる。岡田は歌舞伎座での和風意匠の用い方について、「奈良時代の典雅壮麗な趣と桃山時代の豪宕妍爛な味とを一処に」し、また「各デテールは各時代の長所を採り入れて、一つの時代様式に拘泥しない」ことを述べており、複数の様式を折衷して全体をまとめ上げることを意図していたと考えられる。具体的には、破風や虹梁のデザインにおいて豪壮な桃山時代を意識したと見られ、一方では庇やテラス部分には鎌倉時代以降に用いられた挿肘木のデザインを用いており、そうした点などに岡田の設計意図を窺うことができる。

2-2. 吉田五十八の和風意匠をインテリアに適用した劇場建築としての重要性 一方、現存建物の室内意匠にはもう一人の設計者である吉田五十八が得意とした和風意匠の扱い方を見ることができる。特に客席の吹寄棹縁天井については、同時に間接照明を仕込んでデザインした点が注目され、これは吉田が「新興数寄屋」と称して独自に創出した和風のデザイン手法を劇場空間に応用したものと見ることができる。また、吉田の伝統理解は壁仕上げや塗装などの内装にも反映していると考えられ、吉田は玄関ホールについて「色彩は日本味豊かな古代色を基調と致し」(吉田)て濃朱の柱を用いたと述べ、また劇場の壁面については「日本的文様」(吉田)を用いたと述べている。 なお、吉田は劇場部分と舞台部分の大屋根を陸屋根に替えたことについて、「近代感覚と藤原桃山時代の優雅な味とを持たしたつもり」と述べているが、陸屋根を用いて和風を軽快に表現するのは吉田の得意とする手法であり、日本芸術院会館(1958)や五島美術館(1960)などがその事例として良く知られている。

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地下広場???歌舞伎座取り壊し計画問題。明日4/13、都市計画審議会

2009-04-12 10:01:34 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 歌舞伎座の取り壊し計画が浮上し、保存すべきであるという多くの声が、中央区だけでなく、全国から届いています。

 専門の先生方にお伺いし、計画の問題点を調査中です。

 歌舞伎座取壊し計画には、同時に地下広場なる計画があります。 この地下広場が、逆に、銀座のシンボルとなっている歌舞伎座建物の保存を不可能にしてしまっています。 そして、地下広場が、地域貢献性という名のもとに、銀座ルール高さ制限56mをやぶり、ルールの3倍もの高さの“超”高層ビルを可能にする理由とされているのだと推察いたします。 悪く表現するなら、この計画の“トリック”です。

 歌舞伎座の建物と、地下広場の位置関係を示す資料がございましたので、掲載します。 写真の赤色の部分が、地下広場の計画されている位置です。 建物を保存しながら、赤色の地下広場を作るのは、難しいようです。

 そもそも地下広場は、災害時の避難者の滞在場所という名目です。 もし、地域住民のための避難広場をつくるのであれば、1階に作るべきではないでしょうか?
 災害時、地下の広場なるものは、本当に機能するのでありましょうか? 余震が続く中、人の心理として、本当に地下に避難するのだろうか??災害時、電気供給が不安定で、一旦停電するとまっくらな地下広場に、人はいたいと思うものなのだろうか??

<以下は、歌舞伎座取り壊し案に対する意見書>http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/939e0ed94bad7f98deaab698a393e257
「東京都市計画地区計画銀座地区地区計画の変更」に対する意見書
平成21年3月4日                   
東京都中央区月島3-30-3                     
中央区議会議員                     
小児科医師(医学博士)                        
小坂和輝(42歳)

 本計画は、銀座一丁目~八丁目各地内の地区計画区域、銀座四丁目12番において開発により計画される地区広場を地区施設に位置づけるものです。 地区広場を、東銀座駅からのバリアーフリー動線の整備に役立てると共に、災害時の帰宅困難者一時避難スペースとして、地下広場で約1000人、劇場で約2000人、合計3000人を収容し、かつ約3000人分の3日分の水・トイレ等の備蓄を可能とする備蓄倉庫を備えている計画を高く評価いたします。 ただし、この地区施設を整備することに合わせ、地上29階建て、高さ約150mの超高層ビルを許容し、かつ、今や銀座のランドマークとなっている歌舞伎座を取壊してしまうという重大な問題を有した計画でもあります。 これらの問題点を明らかにする形で、以下、意見を述べさせていただきます。

一、 現在の歌舞伎座を取り壊わす案の再検討を求めることについて 現在の歌舞伎座を取壊してしまうことを合わせ持つ計画である以上、本地区計画は、認めることはできません。 保存することの価値については、日本建築学会が、2006年4月18日に、中央区長矢田美英氏、株式会社歌舞伎座代表取締役社長 大谷信義氏の両氏宛てに出した「歌舞伎座の保存に関する要望書」に詳しく述べられています。本文最後の部分に、同学会建築歴史・意匠委員会委員長 吉田鋼市氏記載の「歌舞伎座についての見解」と合わせて、添付しますので、ご参照をお願いいたします。 なお、後述する「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」(2005年12月、社団法人 日本都市計画学会)作成において、日本建築学会のメンバーも入っておりますが、同報告書の内容も踏まえて、要望書が2006年4月に出されていることも念頭においていただけますようにお願いします。

一、 現在の歌舞伎座が保存できないことを裏付ける科学的データの提出を求めることについて 現在の歌舞伎座が保存できないということの理由を、科学的データを示しながら、公けの場で説明をする機会を設けるべきです。 現に、「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」(2005年12月、社団法人 日本都市計画学会)の分析によりますと、【コンクリート圧縮強度試験】では、「コンクリートの推定設計強度は保持されていると考えられる。」とあります。コンクリートの強度は大丈夫のようでございます。 また、引き続きの記載では、【コンクリート中性化調査】「一般的な建物と比較すると中性化の経年進行がやや進んでおり、一部中性化が鉄筋付近に達している部分もある。」【鋼材の発錆と被り厚さ調査】「鉄筋の全周に錆が発生し、かつ中性化が進行していることから、今後発錆の進行により構造耐力が低下する可能性が考えられる。」とあります。前者は、すなわち、コンクリート内の鉄筋を錆びないように水との接触を防ぐ手立てを講ずれば大丈夫であることを意味しますし、後者は、発錆の進行を止める処置をすれば、鉄筋の構造耐力を保持し続けることを意味し、この記載自体もなんら、保存が出来ない理由とはなりません。 保存できないというのであれば、きちんとその理由を科学的データに基づき、説明することを求めます。

一、 現在の歌舞伎座の保存を第一にした改修案作成を求めることについて よって、本地区計画を認めるためには、現在の歌舞伎座の保存を第一におき、役者の皆様にとっての舞台設備の利用しづらさの課題を解決しつつ改修する計画に向けて、再検討することを求めます。

一、 保存できないのであれば、「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」の検討内容を実行することを求めることについて 現在の歌舞伎座を取り壊さざるを得ないというのであれば、「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」で謳っている、第3期岡田信一郎氏デザインの復元を忠実に実行すべきであると考えます。

一、「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」の意図から反するデザインを提出した理由の説明を求めることについて なぜ、上述の「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」の意図する第3期岡田信一郎氏デザインの復元に反して、縦覧資料記載 図.イメージパース(晴海通り側から)にあるデザインとしたのか、公けの場で説明をする機会を設けるべきであります。 もし、図.イメージパース(晴海通り側から)にあるデザインをもってして、第3期岡田信一郎氏デザインの復元というのであれば、どこがどのように復元といえるのか説明を求めます。岡田氏のデザインをまったく無視したデザインを出してきているとしか、考えようがございませんし、おそらく、二つのデザインを並べてみて、誰もが、同様の感を受けると思います。

一、地元及び中央区との約束を反故にした計画は、認めるわけにはいかないことについて 銀座、京橋地域の地元及び中央区は、「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」の意図する第3期岡田信一郎氏デザインの復元を実現し、伝統的な佇まいを残し、江戸文化の継承を意図するものであるならばという条件で、取り壊し及び超高層ビルの建設を容認した経緯があります。 今回のデザインは、「歌舞伎座再生検討委員会 報告書」に反したデザインである以上、その地元との約束を反故にしたものであり、断じて認めるわけにはいきません。計画の再検討を求めます。

 以上、意見を申し述べましたが、現在の歌舞伎座の保存は、地元だけでなく、日本中の多くの方々が求めるところです。2002年国の登録有形文化財に登録されたのも、その文化的価値の高さが、万人が認めるものだからこそです。 歌舞伎座自体は、松竹の一民間企業の所有のものであり、登録有形文化財に何の効力も有しないとのご認識に立たれるのでしょうか。 歌舞伎や松竹の繁栄は、それを観て楽しむお客様あってのものです。 この度の、理由なき取り壊し、理由なき復元デザインの変更は、断じて認めるわけにはいきません。 経済性・効率性を重んじるあまり、お客様を無視することは、松竹の姿勢としては、あってはならないことです。 日本の建築学の英知を結集し、どうか歌舞伎座の保存を第一においた改修を実現して、真に日本文化・伝統の拠点となり、日本、いや世界中の皆様から愛される歌舞伎座を作っていただけますようにお願い申し上げます。 あわせまして、歌舞伎座の保存の実現に向けましては、東京都及び中央区による格段の取り計らいがなされますようにお願い申し上げます。
 引き続き、添付資料を掲載しますので、ご参照願います。

<添付資料 1>
2006 年4 月18 日

東京都中央区長 矢田美英 殿株式会社歌舞伎座代表取締役社長 大谷信義 殿                                                          社団法人 日本建築学会                                                             会 長 村上 周三

                歌舞伎座の保存に関する要望書

 拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 日頃より、本会の活動につきましては多大なご協力を賜り、厚くお礼を申し上げます。 去る2005 年11 月17 日の各紙朝刊において、中央区銀座四丁目に建つ歌舞伎座の建替えが計画されているとの新聞発表がありました。御承知のように、この建物は木造の初代歌舞伎座(1889 年竣工)が1921 年10 月に焼失したのを受け、新たに「不燃構造で和風意匠を持つ劇場建築」として1924(大正13)年12 月に竣工した建物であり、1945 年5 月の空襲では被災したものの、1950(昭和25)年12 月には復旧と設備の増強を意図した戦災復興工事を終了し、現在まで伝統芸能である歌舞伎の殿堂として多くの市民に親しまれてきた建物です。 また、2002 年2 月には国の登録有形文化財に登録されましたように、その文化的価値の高さが既に評価されている建物でもあります。建物の設計者は、当初が当時東京美術学校(現・東京芸術大学)の教授であった岡田信一郎(1883~1932)で、戦災復興工事では同じく当時東京芸術大学の教授であった吉田五十八(1894~1974)が意匠設計を担当しました。 歌舞伎座は「不燃構造の和風意匠」によって造られたため、大正時代から現在に至るまで近代化し続けてきた銀座の都市景観において、日本の伝統芸能である歌舞伎の伝統・文化を広く市民に伝えることに成功し、それゆえ銀座を代表するランドマークとして長く親しまれてきました。すなわち、歌舞伎座の建築史的価値はこの「不燃構造の和風意匠」にこそあり、別紙「見解」にて詳しく示します通り、そこには上記二人の建築家の創意が十分に発揮されています。 復興工事から55 年が経過しており、大都市の劇場建築としては時代と共に機能面において不備が生じ、耐震化の必要も懸念される事情は理解できます。しかし、わずか4 年前に国の登録有形文化財に認められたばかりの文化遺産でありますし、その伝統的な意匠の価値が今後も近代化してゆく銀座の都市景観において更に重要性を増してくるのではないかと思われます。貴下におかれましては、この貴重な建物の持つ高い文化的意義と歴史的価値についてあらためてご理解いただき、このかけがえのない文化遺産の価値を最大限に考慮した保存改修を行っていただけますよう、また、それが困難な場合でも上記二人の建築家のすぐれた伝統的意匠を継承した建築計画がなされますよう、格別のご配慮を賜りたくお願い申し上げる次第であります。 なお、本会はこの建物の保存に関して、できうる限り協力させていただく所存であることを申し添えます。敬具

<添付資料2>
 2006 年4 月18 日

歌舞伎座についての見解

                                                                                         社団法人 日本建築学会                                                                                         建築歴史・意匠委員会                                                                                          委員長 吉 田 鋼 市

 東京都中央区銀座四丁目12 番15 号に建つ歌舞伎座は、木造の初代歌舞伎(1889 年竣工)が漏電による出火で1921 年10 月30 日に焼失したのを受け、新たに「不燃構造で和風意匠を持つ劇場建築」として設計され、1922 年6 月2 日に起工し、途中で関東大震災による工事中断(1923 年9 月1 日~1924 年3 月15 日)を挟みながら1924(大正13)年12 月15 日に竣工した建物である。当初の建物は、当時東京美術学校(現・東京芸術大学)教授であった岡田信一郎(1883~1932)が設計を担当し、施工は株式会社大林組が請け負った。同建物はその後、1945 年5 月25 日の空襲によって被災したが1949 年12 月には復興工事に着工し、1950年12 月30 日に竣工した。この復興工事では、意匠設計をこれも当時東京芸術大学教授であった吉田五十八(1894~1974)が担当し、施工は清水建設株式会社が請け負った。この建物の最大の特徴は、不燃構造で和風意匠を用いて設計された点にある。そして現存建物の設計者としては、このような経緯から見て、岡田信一郎と吉田五十八の二人を挙げるべきと考えられる。 上記建物はこのような複雑な経緯を持つため、まずここでは当初建物の概要と戦災復興工事における改修内容を比較・検討し、岡田信一郎と吉田五十八の和風デザインが現存建物にどのような形で見られるかという点を明らかにし、その上でこの建物の建築史的価値について述べることとする。

1. 当初建物の特徴と戦災復興工事の内容

1-1. 当初建物の特徴について(出典:『建築雑誌』1925 年3 月号)竣工当時の歌舞伎座の構造形式は、鉄骨鉄筋コンクリート造の地下1 階・地上4 階建てで、小屋組を鉄骨造、屋根スラブを鉄筋コンクリート造とした不燃構造であった。床面積は、敷地面積の2,133.5 坪に対して建築面積が約1,062 坪、延床面積が約2,894 坪で、平面計画では、敷地北側を走る晴海通りに面して中央に正面玄関および玄関ホールを設け、反対側(南側)に舞台を配し、その間に客席を広く確保している。劇場内部は近代的な劇場建築としての機能を満たすように、客席は椅子式で床に傾斜を付けた形式が取られ、花道を撤去すれば現代劇や映画館としても対応できるように設計された。客席は2 階・3 階にも設けられ、4 階には天井桟敷の「一幕見席」が設けられた。近代設備としては、電気照明の他に劇場空間に蒸気暖房設備が導入された。 建物の意匠的特徴としては、特に外観意匠において不燃構造の建物を伝統的な和風意匠でまとめ上げた点が特筆される。具体的なモチーフとしては、本瓦葺きの入母屋屋根や車寄せの唐破風、壁面に見られる柱型と長押、軒裏の組物といった江戸時代以前の寺院・城郭に見られる伝統的な意匠が建物の外観に適用された。この意匠表現は特に晴海通り側のファサードにおいて歌舞伎の賑やかさ・豪華さと格式を表現するのに成功している。すなわち、中央の劇場部分に入母屋の大屋根を架けて大きな妻面を見せるとともに、正面中央に唐破風の車寄せを配することで建物の正面性をまず強調し、更に左右相称に配された両脇の階段室の壁面をやや前にせり出し、その上に架けた入母屋屋根の妻を正面に向けることで、建物のファサードに豪華さと安定感をもたらすことに成功している。加えて一階部分に庇を廻して水平感を持ち込むことで、立面のタチの高いプロポーションを和らげることにも成功している。 一方、内部空間では丸い柱型や虹梁風の梁型などの細部に和風意匠が用いられており、劇場の天井には芝居小屋に伝統的に見られる格天井が用いられた。

1-2. 戦災復興工事における改修内容(出典:歌舞伎座出版部『歌舞伎座』1951 年) 戦災復興工事の総工事費は、合計2 億5824 万3522 円であった。この復興工事では建物の復旧だけでなく、最新式の設備(舞台装置、冷暖房、音響、照明設備)の導入が図られ、設備工事に多額の予算が注ぎ込まれた。設備設計は木村武一が担当した。 建物の意匠については、設計を担当した吉田五十八がこの復興工事での改修内容として以下の点を挙げている。1) 観客席と舞台の屋根については、当初の大屋根を復原せず、陸屋根に変更した。2) 正面外観はほとんど以前のまま補修した(大屋根の破風以外)。3) 構造体は既存の躯体を補強し、その結果、当初より座席の柱が太くなり、廊下の天井が低くなった。4) 客席の天井を当初の格天井から変更し、新たに舞台から一幕見席(天井桟敷)まで通した尾州桧の「吹寄棹縁天井」として、そこに間接照明を設置した。5) 玄関ホールのインテリアを変更し、当初の白を基調としたものから濃朱の丸柱などの「日本味豊かな色彩」(吉田)へと変更し、天井を下げて間接照明とした。以上のことから、まず現存建物の外観意匠、特に軒下のファサードと正面両脇の入母屋屋根については岡田信一郎の設計が現存建物まで保存されてきたこと、吉田は客席・舞台部分の屋根を陸屋根に改修したのに伴い、正面の破風を取って両脇の入母屋屋根を棟で繋ぐように屋根を作り替え、新たに従来にはなかった軽快さを建物のファサードに加えたことなどがわかる。一方、室内意匠については、構造補強と設備の増強に伴い、吉田によって新たに設計されたものが現存建物の基本となっていると見て良い。

2. 現存建物の建築史的価値について 現存建物の建築史的価値は、以下に述べるように外観意匠については岡田信一郎の設計した和風意匠という点において、また室内意匠については吉田五十八の設計した和風意匠という点において、その重要性を指摘することができる。

2-1. 岡田信一郎の設計した不燃構造・和風意匠の最初の作品としての重要性 歌舞伎座のもつ建築史的価値としてまず第一に挙げるべきは、この建物が岡田信一郎の設計した不燃構造・和風意匠の最初の作品であり、その主たる表現である外観の和風意匠が復興工事おいて吉田五十八によって保存され、現存建物まで継承されてきたという点である。 岡田信一郎は、明治生命館(1934)などの優れた古典主義建築を設計するとともに、一方では1924 年から1934 年にかけて鎌倉国宝館(1927)や虎屋(1932)など、不燃構造で和風意匠の建物を複数設計した。不燃構造で和風意匠の建物を設計することは、大正時代の日本の建築家にとって新しいテーマの一つであり、岡田もそのテーマに取り組んだ一人であったが、歌舞伎座はその最初の作品であり、岡田の伝統観や「和風」に対する考え方を知る上で極めて重要な建物といえる。岡田は歌舞伎座での和風意匠の用い方について、「奈良時代の典雅壮麗な趣と桃山時代の豪宕妍爛な味とを一処に」し、また「各デテールは各時代の長所を採り入れて、一つの時代様式に拘泥しない」ことを述べており、複数の様式を折衷して全体をまとめ上げることを意図していたと考えられる。具体的には、破風や虹梁のデザインにおいて豪壮な桃山時代を意識したと見られ、一方では庇やテラス部分には鎌倉時代以降に用いられた挿肘木のデザインを用いており、そうした点などに岡田の設計意図を窺うことができる。

2-2. 吉田五十八の和風意匠をインテリアに適用した劇場建築としての重要性 一方、現存建物の室内意匠にはもう一人の設計者である吉田五十八が得意とした和風意匠の扱い方を見ることができる。特に客席の吹寄棹縁天井については、同時に間接照明を仕込んでデザインした点が注目され、これは吉田が「新興数寄屋」と称して独自に創出した和風のデザイン手法を劇場空間に応用したものと見ることができる。また、吉田の伝統理解は壁仕上げや塗装などの内装にも反映していると考えられ、吉田は玄関ホールについて「色彩は日本味豊かな古代色を基調と致し」(吉田)て濃朱の柱を用いたと述べ、また劇場の壁面については「日本的文様」(吉田)を用いたと述べている。 なお、吉田は劇場部分と舞台部分の大屋根を陸屋根に替えたことについて、「近代感覚と藤原桃山時代の優雅な味とを持たしたつもり」と述べているが、陸屋根を用いて和風を軽快に表現するのは吉田の得意とする手法であり、日本芸術院会館(1958)や五島美術館(1960)などがその事例として良く知られている。

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がんばれ、東京青年会議所 60周年事業

2009-04-12 05:25:43 | NPO・地域力
 隅田川の桜も、葉桜になりかけております。
 そこで、恒例の東京青年会議所、中央区支部の仲間が花見をするとのことで、私も、4/14の企画の準備の合間をぬって、ほんの少しだけ顔を出させていただきました。
 青年会議所の愛称は、JCとも言います。

 私も、東京青年会議所に、そんなに活動できたわけではなかったのですが、属しておりました。40歳で卒業をすることになっている組織なので、今は、卒業生です。
 地域に根ざした活動をしている地域力の源の一つの組織であり、中央区では、5月の「わんぱく相撲」、8月の「わんぱくKIDS」の企画をし、地域の小学生やボランティア中学生ら、多くの子ども達が参加しています。卒業した今も、私は、医療班として、毎年、協力させていただいています。
 そうそう、「新しい築地をつくる会」の前身の「築地市場を断固反対する会」に構成メンバーの一員として、東京青年会議所中央区支部の長が加わっていました。

 昨日、メンバーの一人が、60周年事業の副委員長をするということを話していました。(ちなみに委員長も中央区支部のメンバーでした。)そのメンバーからは、事業に関しては、一言だけうかがったわけですが、その一言は、「動員数を多くしたい」とのことでした。その一言だけしか聞いていませんが、その目標たるや、桁外れなものでした。
 是非、達成してほしいと思います。
 応援しています。ご協力できることがあれば、なんでもご協力させていただきます。そんだけ人が集まれば、医療班も必要かもしれません。よんでいただければ、AEDをひっさげて、いつでも行きます。
 どうか頑張ってください。

 JCは、ひとことでいうと、“熱い”連中の集まりです。“あつくるしい”というぐらい“熱い”です。その“熱い”思いを分けていただいたお花見でした。
 
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スライドプロジェクターの知識

2009-04-12 05:18:35 | コミュニケーション
 スライドプロジェクターを探しに行きました。
 店の方に、教えていただいたのですが、結構、参考になったことを、メモとして書いておきます。

 プロジェクターの命は、その出せる明るさ(ルーメン)です。

 その判断ですが、映したいインチ×定数30=スライドプロジェクターのルーメン。

 例えば、100インチのスクリーン(だいたい畳が二畳分、私の主観で述べていますので、正確ではありません。)では、3000ルーメン(=100インチ×定数30)のスライドプロジェクターがよいそうです。

 メモ書きまでに。
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都庁からみた夕陽

2009-04-11 17:33:49 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 都庁回りに行った時、そこから見た夕陽がとてもきれいでした。
 4月、東京の街に沈む夕陽。
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コミュニティバス導入実施計画への意見書

2009-04-10 07:36:28 | 街づくり

コミュニティバス導入実施計画への意見書

                        提出日:平成21年4月10日
                        提出者:
                    小児科医師・区議 小坂和輝(42歳)
                           中央区月島3-30-3
                           ベルウッドビル2F
                           03-5547-1191

 この度の、コミュニティバス導入実施計画提示にあたりまして、区民の皆様に計画の周知を図ると共に、多くの皆様からご意見をお伺いいたしました。いただきましたご意見を参考にして整理し、この意見書を作成致しました。
 障がいのある方、高齢の方の足として十分機能すると共に、すべての区民に親しまれるバスとなりますように、以下、本案に対する改善点を含めた意見を述べます。
 十分ご検討いただけますように、よろしくお願い申し上げます。


一、ルートに関して
①「さわやかワーク中央」前までの延伸、及びその前にバス停を設置(ブログ写真はその概要です。)
 北循環において、小伝馬町で右折後、江戸通りに入る。江戸通りを北上後、馬喰町で右折をしてすぐ清洲橋通りに入らず、江戸通りを直進し、浅草橋交差点で右折し靖国通りへ入る。両国橋手前まで来て左折し(Vターンし)、両国郵便局通りへ入る。
 その両国郵便局通りが、「さわやかワーク中央」が面する通りであり、「さわやかワーク中央」でバス停をもつ。その後、清杉通りは左折し、直進。東日本橋交差点で、左折し、清洲橋通りに入るように変更すべきである。
 なお、このことにより、走行距離は、従来案の380mから、変更案1280mで、900mの距離が伸びることになる。もともと、北循環は、南循環より1km程度短い。この変更により、距離が同じになり、両循環が同期して循環し、乗り継ぎの利便性の向上に役立つはずである。

理由:障がいのある方の就労支援施設「さわやかワーク中央」へのアクセス向上のため。
 また、このルート設定により、日本橋馬喰町、東日本橋、日本橋横山町、同時にすべての交通不便地域の解消をすることができる。
 かつ、「区立産業会館」へのアクセスの向上にもつながり、区が取り組む『東日本橋地区活性化アクションプラン』の趣旨にも合致する。

②「レインボーハウス明石」前までの延伸
 南循環において、晴海通りから、勝鬨橋を渡った後に、聖路加病院方向へ右折する。その後、聖路加病院前をすぎ、すぐ、左折することになっている。それを、佃大橋の通りまで直進し左折、「レインボーハウス明石」前に停留所をもった後直進し、入船橋交差点を左折、新大橋通りを南下し、築地三交差点を区役所方向へ右折というように変更すべきである。
理由:障がいにある方の生活支援施設「レインボーハウス明石」へのアクセス向上のため。

③築地社会教育会館、築地場外市場までの延伸
 南循環において、中央区役所を出てから、区役所前の通りを南下、本案では松屋通りにあたったところで左折になっているが、左折せず、ずっと直進し、晴海通りも横断、采女橋のところで左折、「築地社会教育会館」前に停留所を持った後、平成通り方向に左折、京橋郵便局横を通過し、晴海通りを横断し北上、京橋築地小学校のところで右折して松屋通りに入るという変更をすべきである。
理由:築地社会教育会館へのアクセスの向上及び、築地場外市場へのアクセスを向上のため。

④日本橋と月島往復便の第三のルートの開設
 本案において、多くの区民から要望の出ている日本橋と月島の両者間の行き来のし辛さをなんら解消していない。
 月島側は、「ほっとプラザ はるみ」を一方の起点、日本橋側は、「浜町体育館」をもう一方の起点とし、この両者を往復のみする第三のルートを開設すべきである。
 経路は、極力直線的に結ぶ。但し、その間に、月島第一小学校(通級学級あり)、子ども家庭支援センターの停留所は入れる。
理由:従来より、多くの区民から、日本橋と月島の行き来が不便であるという声が届いている。
 既存の交通機関では、一度、江東区に入って乗り換え、行き来するなどするしかない。
 本案の北循環、南循環を用いて両者を行き来するのは、時間がかかりすぎて現実的ではない。
 月島、日本橋を双方向性に往復する第三のルートを開設し、不便な状況を改善することが必要である。
 すぐにできなくとも、将来的な設定を、考慮していくべきである。

一、バス車両について
①36人乗り程度ノンステップバス
 本案にあるように、「日野ポンチョ」あたりが妥当であると考える。ただし、ノンステップバスであることを求める。
理由:車両購入費、燃料費を極力削減し、赤字を小さくすべきである。環境への負担も同時に小さくすべきである。

②将来的に、環境へ配慮した車両導入を
 現状での、ディーゼルエンジン車はやむを得ないにしても、将来的に技術革新により、ディーゼルエンジン車から、太陽光発電車、電気自動車が開発される可能性がある。
 よって、より環境負荷のかからない車両を導入していく姿勢をもつべきである。
理由:排ガス公害を削減、地球温暖化防止対策のため。

③車椅子は同時に二台乗車可能に
 現状、車いすは一台とあるが、同時に二台入るようにすべきである。そのスペースは、ベビーカー利用のためにも必要であろう。
理由:障がいのある方、高齢の方、ベビーカー利用の方への利便性向上のため。

④コミュニティボード、電子ボードを設置
 バス車両内及びバス停留所には、コミュニティボードを設置し、地域の情報交換の場として使えるようにする。
 電子ボードなども設置し、区の情報、区議会の情報が伝わるように工夫する。
理由:情報媒体を増やし、区民が多くの情報を得られるようにするため。

⑤車内に「貸し出し用傘」を設置
 バス車両内に「貸し出し用傘」たてを置き、急な雨でも使えるように配慮する。
理由:利便性向上。

⑥民間広告収入による赤字の補填
 バス車両外壁、バス車内、停留所など広告スペースをとり、広告収入を上げることで、赤字を極力少なくなるようにする。
理由:赤字幅削減のため。


一、運賃
 一律100円。ただし、小学生以下は、半額。小学生未満は、無料。
 障がいのある方、高齢の方は、無料券を配布することで対応。
 SUICAとの互換性を可能にすることも検討していく。導入経費が高額につくであろうから、利用者の増加を見て判断する。
理由:ワンコインで手軽に乗車することを可能にするため。

一、運行間隔
 20分程度。ただし、バス停の時刻表は、覚えやすくするように、すべて、“同じ分”でそろえる。
 例、19時 00分  20分  40分
   20時 00分  20分  40分

一、今後のスケジュールについて
①業者選定
 業者選定は、一般公開のプレゼンテーションの場を持ち、透明性をもって決定すべきである。
 もしくは、一般区民に対して、決定業者による運営方針の公表の場を、設定するべきである。
理由:決定過程の透明性の確保。

②第4回 検討会開催の必要性
 4月の試験運行を実施した後、生じた課題を再度協議するため、第4回検討会の開催を行うべきである。
 試験運行では、多くの区民に試乗の機会を与え、幅広く意見を聴取すべきである。
理由:試験運行で生じた課題を解決し、区民の声を十分反映した、よりよい計画を作成するため。

③本格運行後の計画の見直し
 実際に本格運行を開始した後も、周辺環境の変化に伴う人口増減・人口構成比率の変動や、結果としての利用者数及び実績を評価し、5年後に必ず見直しをするということを、導入実施計画で謳っておくべきである。
理由:中央区の街並みは、急激に変わりつつある。
実施して、将来5年後も「そのままでよい」ならその判断を、周辺環境が変わり、修正すべき点が、区民から多く寄せられるのであれば、その是非を検討する場が必要であると考える。
 また、東京五輪が、万が一、決定した場合は、それに合わせた変更を五年後といわず即座に検討していくべきである。

④コミュニティバス運営協議会(公開)の設置
 区民代表も入れた同協議会を設置し、常に、コミュニティバスが区民目線に立っているか、検証をしていく。例えば、ルートの不便さの有無、新たなルートの設定の必要性、利用状況の把握、財政運営の健全性など、定期的に検証していく。
理由:区民の利便性の向上に立った運営をし、さらなるサービスの向上に努めるため。

以上、


 

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【第4報】第3回築地市場を考える勉強会 4月14日開催決定

2009-04-09 23:00:00 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 築地市場の移転問題を考える勉強会を以下の日程で開催いたします。お気軽にご参加下さい。
 都議会、国会、市場関係者、専門家、都民区民の皆様とコンタクトを取り、勉強会において、様々な観点から、御発言をいただけることが固まりつつあります。
 

               

日時:平成21年4月14日火曜日 午後6時から午後9時

場所:月島区民館 大会議室(中央区月島2-8-11、電話03-3531-6932)
(注、月島区民センターとは、異なります。月島保健センター近くです。)

参加費:500円(資料代含め)

プログラム:

午後6時~ 第一部:国政・都政報告ー土壌汚染対策法改正案も含めー
 現在、国政で、衆議院議員1名御発言いただける内諾を得ています。4/10、衆議院議員会館を回って、この勉強会のご案内を行う予定にしています。
 都政では、4会派から御発言いただける内諾を得ています。4/9は、東京都庁記者クラブに勉強会のご案内をお伝えしに行って参りました。

午後7時~ 第二部:特別講演
  畑 明郎先生 (日本環境学会会長、大阪市立大学大学院特任教授)

  演題「金属産業の技術と公害の歴史―土壌汚染を中心としてー」

午後8時~ 第三部:討論
  築地市場移転の問題点、豊洲土壌汚染対策の問題点

 市場関係者には、特に水産仲卸業者の皆様には、全社約800社に手渡しにて、勉強会のご案内を配布いたしたところです。市場関係者として、NPO法人市場を考える会 野末誠氏から御発言いただける内諾を得ています。
 専門家として、日本環境学会土壌汚染ワーキンググループ長 坂巻幸雄氏から、また、市民グループの方々から、問題提起いただく内諾を得ています。

 以上、中間報告まで。

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4/10 締め切りです!! コミュニティバス導入実施計画への意見募集について

2009-04-08 20:11:27 | 街づくり

 締め切りが近づいて参りました。
 どうか、みなさんの声を中央区へ届けてください。

***以下、意見募集の案内、区のホームページをもとに作成****


コミュニティバス導入実施計画への意見募集について

 昨年12月に実施した「コミュニティバス導入基本計画」の意見募集の際には、ご協力をいただきありがとうございました。お寄せいただいたご意見を第3回コミュニティバス導入検討会に提案、議論してルートや運行時間帯などを改善した実施計画を作成しましたので、再度、区民の皆さんのご意見を募集します。

 寄せられたご意見は、今後作成する運行計画案(運賃、運行ダイヤといった、バス事業者が運輸局へ行う運行許可申請の案)にできる限り反映してまいります。


募集するご意見
(1)コミュニティバス導入実施計画について
 主に運行システム(運行時間、運行間隔等)、バス停位置についての意見を募集します。
(2)運賃について
 コミュニティバスの運賃についての意見を募集します。皆様からのご意見、運行事業者の提案、事業収支予測等をもとに第4回検討会で決定します。


意見募集期間
 平成21年3月16日月曜日から平成21年4月10日金曜日まで


ご意見の提出方法
 住所、氏名(団体名の場合は代表者氏名を含む)、年齢、電話番号等の連絡先を明記し、郵送、ファクスまたはEメール、電子申請システムでお寄せください。
 区役所5階土木部管理課窓口に直接お持ちいただくこともできます。書式は自由です。
 なお、提出されたご意見及び記載内容は個人情報を除き公表する場合があります。

 ※個別の回答は行いませんので、あらかじめご了承ください。


(1) 郵送の場合
  〒104-8404
  東京都中央区築地一丁目1番1号
  土木部管理課計画調整係 宛

(2) ファクスの場合
  03-3546-9550
  土木部管理課計画調整係 宛


(3) メールの場合(意見募集専用のアドレスです)
  bus@city.chuo.lg.jp

 

(4)電子申請システムの場合
 こちらからアクセスできます


 ※ご記入頂いた個人情報は、本意見募集のための事務及びコミュニティバス導入計画の検討以外には使用いたしません。なお、計画の検討のために使用する場合は統計処理を行い、個人が特定できない形で使用いたします。個人情報は公開いたしません。


コミュニティバス導入実施計画の内容 
  コミュニティバス導入実施計画の内容について PDF・1085KB

****【コミュニティバス導入実施計画の内容について 概要】*****
 区では、区内交通不便エリアを解消し、公共施設の利便性向上を図るため、コミュニティバスを導入する予定です。
 バスルートや運行間隔、バス停位置の概略(コミュニティバス導入実施計画)は、以下のとおりです。
 なお、平成21年4月から事業認可のための準備作業を開始し、12月から本格運行する予定です。
 コミュニティバス導入実施計画について寄せられたご意見は、今後作成する運行計画案(運輸局への許可申請案)にできる限り反映してまいります。

■ 中央区コミュニティバス導入実施計画
ルート
区の北と南に大きな円を描くルートとすることで、区内交通不便エリアを解消し、また、公共施設の利便性の向上を図ります。
※区のホームページにあるルート図をご覧ください
http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/kentiku/kmyunithibasu/jissikeikaku_ikennboshuu/files/bus_jissikeikaku.pdf


運行時間  平日(土曜日を含む)7時~19時台
        休日(日曜日・祝日)8時~19時台

運行間隔 20 分間隔程度


北循環便
1 周約8.9km(約60分)
区役所を起点に日本橋方面を循環します。

南循環便
1 周約10.0km(約70分)
区役所を起点に月島、晴海方面を循環します。

運行系統
乗換えポイント 区役所前などで南北各便の乗り継ぎを想定しています。


バス停位置
概略位置は、ルート図をご覧ください
バス停位置、名称は仮のものです。今後、変更になる可能性があります。


バス車両
小型(車幅2m、長さ7m 程度。乗車人員36人程度)
ノンステップバス、環境に配慮したエンジン


事業実施の枠組み
コミュニティバスの運行は、バス事業者が行います。
なお、運行によって発生した赤字は、区が補填します。


運賃案
100円、200円の主な検討要素は以下のとおりです。
100円
メリット :ワンコインで手軽に利用できる。わかりやすい。
デメリット:運賃収入が半分なので、区から事業者への補填額が大きくなる。

200円
メリット :区の補填額は少なくなる可能性が高い。
     既存路線バスの営業に与える影響が少ない。
デメリット: 手軽に利用できる、とはいえない。


****概要終わり****


※コミュニティバス導入実施計画の内容は、区役所1階情報公開コーナー、区役所5階土木部管理課、日本橋特別出張所、月島特別出張所でもご覧になれます。


【問合せ先】
土木部管理課計画調整係
電話 03-3546-5421

 

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【歌舞伎座 UP DATE 9】歌舞伎座 審議されます!!平成21年度 第1回中央区都市計画審議会

2009-04-08 17:50:31 | 街づくり

歌舞伎座の件が、審議される中央区の都市計画審議会が、4/13に開催されます。
傍聴可能です。ただし、申し込みが、明日4/9までとなっています。

傍聴をお考えの方は、お忘れなくお願いします。

平成21年度 第1回中央区都市計画審議会

日時:平成21年4月13日(月)午後1時30分から

場所:中央区役所本庁舎10階 第1委員会室

議題
1  東京都市計画都市再生特別地区の変更について(銀座四丁目12地区)
 関連 ・地区計画の変更について(銀座地区地区計画)

⇒小坂注釈:歌舞伎座の取り壊しと関連する議題です。

2  東京都市計画都市再生特別地区の変更について(京橋二丁目3地区)
 関連 ・第一種市街地再開発事業の決定について(京橋二丁目西地区)
   ・地区計画の変更について(日本橋・東京駅前地区地区計画)

3  東京都市計画特定街区の決定について(江戸橋特定街区)

公開・非公開の別:公開 
傍聴定員:10 名 (定員を超える申込みがあった場合、事前に抽選となります。)
傍聴手続: 平成21年4月9日(木)までに下記へ電話でお申し込みください。
問い合わせ先: 都市整備部都市計画課都市計画係  
           電話 03-3546-5469(直通)

コメント (1)
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【第3報】第3回築地市場を考える勉強会 4月14日開催決定

2009-04-08 00:57:57 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 4/7午前中、4/14の勉強会の案内http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/ba2cdd8c1bf8a97018ed8a4baf1ecc44
を、築地市場水産仲卸全社約800社に一軒一軒回って手渡しにて配布致しました。

 
 午後は、都議会の各会派を回り、勉強会で設けさせていただきました都政報告の時間においての報告のご依頼http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/cc24f50dc81fd374e0330fa02a25c9dfを配布致しました。

 都議会の各会派、突然の訪問にもかかわらず、丁寧に応対くださり、誠に感謝申し上げる次第です。
 配布状況を、順不同で述べます。

東京都議会自由民主党:政務調査会の方がお受け取りくださりました。

都議会民主党:受付の方がお受け取りくださりました。

都議会公明党:受付の方がお受け取りくださりました。

日本共産党東京都議会議員団:事務局の方がお受け取りくださりました。

都議会生活者ネットワーク:事務局長がお受け取りくださりました。

行革110番:一人会派のご本人後藤氏がお受け取りくださりました。

自治市民’93:一人会派のご本人福士氏がお受け取りくださり、即、参加の意志を表明くださりました。

市民の党:ご不在のため、ポストにおき、事務所にファックスさせていただきました。

民主フォーラム:ご不在のため、ポストにおき、事務所にメールさせていただきました。

 以上、9会派の配布状況でした。
 急な話、かつお忙しい中とは思いますが、築地市場移転問題に関しての都政報告を是非、行っていただけますことを期待いたします。

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2009-04-07 05:45:40

2009-04-07 05:45:40 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
中央区の夜明け。今日も晴れそうです。素敵な一日を!
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本日4/7、都議会へ

2009-04-07 04:57:40 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 本日4/7、4/14開催の「築地市場を考える勉強会」の場で、築地市場移転問題に関する都政報告にご協力いただけるようにお願いをしに、各会派回りに都議会に行くことを考えております。

***お願いの文書*****


                                        平成21年4月7日

(会派名) 御中

中央区議会議員
築地市場を考える勉強会 代表 小坂和輝
〒104-0052 中央区月島3-30-3ベルウッドビル2F
電話 03-5547-1191
Fax 03-5547-1166

第三回「築地市場を考える勉強会」開催のお知らせと都政報告ご協力のお願い

拝啓
 桜花のよき季節、皆様にはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

 さて、築地市場の移転候補地 豊洲の土壌汚染対策につきましては、この2月に「豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議(以下、技術会議)」の最終報告書が提出され、石原慎太郎都知事は、豊洲新市場の平成26年12月の開場を表明いたしました。
 しかし、それから約2ヶ月が経つも、東京都は、地元中央区をはじめ都民に対し、土壌汚染の現状および技術会議で選考された“新技術”に関する実行可能性などに関して詳細な説明を行っておりません。東京都は、専門家会議の場で再三、傍聴者から要望が出された公開討論の場もしくはリスクコミュニケーションの場を、直ちに設けるべきであると考えております。
 私達は、都民、市場関係者、区政・都政・国政の議員らの有志で、「築地市場を考える勉強会」という場を設け、豊洲土壌汚染問題や築地市場移転問題の勉強会を開催してまいりました。(第一回平成20年7月22日出席者19名、第二回平成20年12月19日出席者28名)この度、同封のご案内の通り、築地市場の地元中央区におきまして4月14日午後6時~午後9時に第3回目の勉強会を、さらに規模を大きくした形で開催する予定です。現在、新聞各社をはじめ、幅広く開催のお知らせは、広報しているところです。
 この勉強会において、都政報告の時間を設けさせて頂きました。土壌汚染対策法改正案についてや、築地市場移転問題や豊洲土壌汚染について、都政の動きを踏まえ、ご報告をいただけますと幸いです。移転賛成・反対に係らず、どうか、都議会議員の皆様の屈託のないお考えをお聞かせ下さい。都政報告へのご協力の可否を、次頁の回答用紙にご記入いただき、4月12日までにご返答いただけますようお願い致します。なお、このお願い文は、都議会のすべての会派にお出ししております。
 時間的に急なお知らせ、お願いとなり、誠に申し訳ございません。もし可能でございましたら、よろしくご協力の程、お願い申し上げます。
                                              敬具

 

****回答書******

ファックス送付先 築地市場を考える勉強会 事務局宛て  fax03-5547-1166

第三回「築地市場を考える勉強会」
日時:平成21年4月14日火曜日 午後6時から午後9時
場所:月島区民館 大会議室(中央区月島2-8-11、電話03-3531-6932)
都政報告時間:原則午後6時~7時の間で、各会派5~10分程度で調整させていただきたく存じます。

都政報告を行うことに協力することが   できる・できない
                      (いずれかに○をして下さい。)

ご所属会派名:(会派名)       記入者ご氏名:                                   

都政報告をできる場合
都政報告を行う方のご氏名:           
会派内のご役職:                               
都議会でのご役職:                                 
ご連絡手段 電 話:                
      ファックス:                
        メール:  
              
できない場合
理由等、差し支えなければ、ご記入下さい。
(理由:                      )

*恐縮ですが、準備の都合上、平成21年4月12日までのご回答をよろしくお願い申し上げます。
 急なお願いとなり、誠に申し訳ございません。

***以上****

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【重要な記事】サンデー毎日の最新号(19日号)“豊洲「新市場」が1年で42センチも沈んでいく!” 

2009-04-06 04:46:14 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
サンデー毎日 最新号4月19日号 (4月6日(月曜)駅頭販売、一般販売は翌日の火曜日)

表紙タイトルの上に“豊洲「新市場」が1年で42センチ沈下”となっています。

電車の中刷りにも“豊洲「新市場」が1年で42センチも沈んでいく!”とあります。

   東京都がひっそりと公表 土壌汚染問題だけではない!
   ◇豊洲「新市場」が1年で「42センチ」も沈んでいく!


 いままで、軟弱地盤の解析資料が公表されてきませんでした。
 軟弱地盤問題は、専門家会議でも技術会議でも、きちんと論議されてきませんでした。

 汚染が沈むことを理由に(技術会議議事録より)有楽町層内部の液状化対策は取られていません。
 地震対策工事も出来ない様ならば、そもそも「開発が不可能な土地」だったと言えます。

 これでは、市場は建設できません。

 築地市場現在地再整備を、真剣に考える時が、来たのではないでしょうか。
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【第二報】第3回築地市場を考える勉強会 4月14日開催決定

2009-04-06 03:34:30 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

築地市場の移転問題を考える勉強会を以下の日程で開催いたします。お気軽にご参加下さい。

               

日時:平成21年4月14日火曜日 午後6時から午後9時

場所:月島区民館 大会議室(中央区月島2-8-11、電話03-3531-6932)
(注、月島区民センターとは、異なります。月島保健センター近くです。)

参加費:500円(資料代含め)

プログラム:

午後6時~ 国政・都政の動きー土壌汚染対策法改正案も含めー

午後7時~ 
    畑明郎先生 (日本環境学会会長、大阪市立大学大学院特任教授)

  ご講演「金属産業の技術と公害の歴史―土壌汚染を中心としてー」

午後8時~ 築地市場移転の問題点、豊洲土壌汚染対策の問題点

 

勉強会開催の主旨:『築地市場の豊洲土壌汚染地への移転の問題点』

 平成21年2月6日、築地市場の移転候補地、豊洲の土壌汚染の土壌処理対策を検討する「技術会議」の最終報告が提出されました。石原慎太郎都知事は、2月18日の第一回都議会定例会の施政方針表明において、豊洲新市場の平成26年(2014年)12月の開場を表明しました。

 それに対し、矢田美英中央区長は2月20日の環境建設委員会の場で、私の質問を受けて、「築地市場移転に断固反対する姿勢に変わりはない。特に技術会議の方針には疑念が残る。」と発言し、あらためて中央区は移転に断固反対であることを確認したところです。

 「技術会議」の土壌汚染処理に向けた提言は、一言でいうと「安かろう、悪かろう」の提言です。まったく信憑性のない提言であると考えます。

 以下に、理由を述べます。

一、密室の中で進められた会議であること

 東京都は、会議内容を公開していると述べていますが、どうみても密室の中で、非公開に会議を進めています。座長以外、誰が委員であるのかすら、2月6日のプレス発表まで明かされませんでした。会議録は、最終報告の段階でも、一切公開されず、2月17日になって、ようやく東京都中央卸売市場のホームページ上で公開されました。アップされた会議録をご覧いただくと分かりますが、発言委員名が明らかにされておらず、どの委員の発言か、わかりません。なお、会議録が本当に会議を再現したものかどうかの疑いも残ります。

 ベンゾ(a)ピレン問題や不透水層欠落・不透水層への汚染の拡大問題など朝日新聞1月のスクープ記事でもお分かりのように東京都に情報の隠蔽体質がある以上、様々な不都合を隠すため密室で会議を進行させたと疑わざるをえません。

 科学技術の検討は、万人監視の公開のもと実施すべきであり、非公開で進められたこと自体、この会議の結論の信憑性が疑われます。

一、会議の中立性が担保されていないこと

 会議の座長を務めた原島文雄氏は、元東京都立科学技術大学長であり、首都大学東京の学長に就任を予定されており、東京都と密接な利害関係を有しています。

 このような座長のもとになされた検討結果が、果たして中立な結論を導き出せるのでしょうか?

 なにがなんでも移転を強行したいと考える東京都側に立った結論を導き出すと誰もが疑うわけであり、中立性が担保されていない以上、この会議の結論の信憑性が疑われます。


一、そもそも座長は、土壌汚染の専門家ではないこと

 会議の座長を務めた原島文雄氏の現在の肩書きは、「東京電機大学 未来科学部 教授、システムエンジニアリング」となっています。早い話が、「ロボット工学が専門の電気工学者」ということです。

 ロボット工学という畑違いの方が、土壌汚染処理の検討を進める会議の座長をすること自体に無理が見られます。この会議の結論の信憑性が疑われます。

 なお、2月6日提出されたその他の構成メンバー6名の経歴は、座長代理をつとめられた矢木修身氏は、元環境省国立環境研究所水土壌圏環境部水環境室長、日本大学大学院総合科学研究科教授で専門は環境微生物工学。安田進氏は、東京電機大学理工学部教授で、原島座長が東京電機大学長時の学長補佐であり、専門は地盤工学(液状化対策)。長谷川猛氏は東京理科大学工学部工業化学科卒業後、東京都に入都され、東京都環境科学研究所長。小橋秀俊氏は、国土交通省の独立行政法人土木研究所 つくば中央研究所技術推進本部 主席研究員で専門は土木。川田誠一氏は、東京都立科学技術大学教授、産業技術大学院大学 産業技術研究科長 教授で専門はシステムエンジニアリング。根本祐二氏は、国が出資する元日本開発銀行(現:日本政策投資銀行)、東洋大学大学院経済学研究科教授で専門はプロジェクトマネジメント。つまり、東京都関係者、国関係者など御用学者で固めたメンバーと言え、土壌汚染に少しは係わりがある者は、矢木氏と長谷川氏の二人だけであり、液状化に詳しい者が安田氏のみです。これでは、土壌汚染対策の技術工法を審査する委員会としては、失格ではないでしょうか。専門家会議委員4人中、平田氏、森澤氏および駒井氏の3人は土壌汚染の専門家であり、技術会議は専門家会議よりも専門的レベルがかなり劣る構成であると言えます。


一、「専門家会議の提言の具現化」という当初約束された方向性から外れた検討結果を出してきていること

 技術会議は、先立って開催された「専門家会議」の提言を具現化するためには、どの技術を実際に用いたらよいのかを検討することが約束されていました。

 実際に比較いただくとわかるのですが、汚染地下水の流れを制御するために建物下空間と外部空間の遮水壁を省略したり、現地の土壌を、浄化済みと称して入れ替え用の土壌に転用するなど、「専門家会議」が出した提言と、「技術会議」が出した結論が全く異なっています。

 「技術会議」は、当初約束されたように「専門家会議の提言の具現化」を目指すべきであり、その提言からずれた結論は、食の安心・安全やその場所で働く市場関係者の健康への影響の安全性が担保されているとはいい難いと考えざるを得ません。


一、「有楽町層が不透水層」という一番の大前提が崩れていること

 土壌汚染の対策にあたり、大前提として「有楽町層」は“不透水層”であり、汚染は、その下に広がらないということがありました。

 1/26、1/27と朝日新聞のスクープ記事が出されてお分かりのように、不透水層の有楽町層が確認できない箇所が数箇所存在したり、実際に有楽町層があった場所でさえ、有楽町層内へ汚染が拡大している箇所が数箇所存在していました。

 「有楽町層」は“不透水層”で汚染が広がらないとして、詳細な土壌汚染調査はなされておりません。どれだけ深刻な汚染があるのか、誰も知らないまま、対策を強引に進めようとしているのです。土壌汚染は、深層部まで深く広がっていると考えるのが、一般的な考え方と思います。

 このままでは、食の安全・安心やその場所で働く市場関係者の健康への影響の安全性を担保とした土壌汚染対策がなされると信用することはできません。


一、地盤の弱い新市場予定地では、土盛り後、地盤の安定を確認するため最大沈下場所で2年間放置する必要があるが、整備方針のスケジュールにはその期間の想定がまったくないこと

 建築工事のあり方では、「余盛り」は常識となっています。豊洲移転候補地では、あらたに土壌の入れ替えを行うわけであり、その後、地盤の安定をみる期間が最大沈下場所で2年間必要です。
 実際、平成18年に中央卸売市場が作成した地盤解析報告書には、全域に2.5mの余盛りをして1年間放置が施工条件とされています。
 この期間をもたずに、土壌汚染対策工事20ヶ月後、“即”建築工事開始となっていますが、このスケジュールの出し方自体に無理があります。

 このようなスケジュールを出してきたこと自体、技術会議の結論の信憑性が疑われます。


一、有効性が立証されていない“新技術”を採用していること

 「最先端の新たな技術・工法の採用」と銘打っていますが、“最先端”とは、すなわちそれだけ、使用実績が少ないということです。それを安易に採用しています。

 土壌汚染の微生物処理が果たして有効であると立証されているでしょうか。東京ガスによる以前の土壌汚染処理でも微生物処理が採用されたにも関らず、これだけベンゼンの汚染が残っている事実が現に存在しています。今回の微生物処理が従来のものに比べて最先端である根拠を示す必要がありますが、明らかにされていません。

 “最先端”の技術・工法が有効であるという根拠をきちんと示さずに、採用するのは非常に危険であると思います。根拠なしであるが故に、食の安全・安心を担保した土壌汚染処理がなされると信用することはできません。



次に、土壌汚染に関連して、小児科医師の立場から述べさせていただきます。

一、ベンゼン、ベンゾ(a)ピレン、シアン化化合物の有害性について

 専門家会議の報告書から分かる汚染の実態は、とても深刻です。土壌からは、ベンゼンが環境基準の4万3000倍の430mg/lで、シアン化合物は、定量下限値(0.1mg/l)の860倍の86mg/lで見付かりました。地下水においては、全調査地点4122地点の13.6%でベンゼン(最高1万倍、100mg/l)が、約1/4の23.4%にシアン化合物(定量下限値の最高130倍 13mg/l)が検出され、広範囲に土壌汚染が広がっています(『専門家会議報告書』5-37)。なお、シアン化合物で、定量下限値という語を使用しておりますのは、環境基準では、「検出されてはならない」からであり、環境基準との比較ができないためです。

 情報の隠蔽として疑われているベンゾ(a)ピレンは、最大値は590mg/kgで、自然界値1.2μg/g(2002年の環境省底質調査)の約500倍、07年調査時点の最大値の115倍でありました。検出個所は151地点あり、そのうち50mg/kg以上が15地点、5mg/kg以上も58地点あります。ベンゾ(a)ピレンについての環境基準や指針は国内にはありませんが、専門家会議の座長は「米国やドイツなどでは2mg/kgや3mg/kgがリスク評価のための基準」と発言しています。

 各物質の毒性に関しましては、RBCAによるリスク評価モデルを用いる中で、高濃度のベンゼンにより発がんリスクがあったり、シアンによる急性障害が出るとして、専門家会議の委員自体が毒性を認めています。

 ベンゼンの慢性毒性として、発がん性がありますが、それのみではなく、文献的には、妊娠中の胎児への催奇形性も言われており、市場内で働く女性が多い中、健康被害が懸念されます。

 ベンゾ(a)ピレンは、石炭から燃料をつくるときに生じるコールタール、たばこ、車の排出ガスなどに含まれる揮発性物質であり、極度に強い発がん性があるといわれています。マウスを用いた実験では、僅かな量でも皮膚がんを引き起こすことが明らかになっています。

 シアン化合物は、呼吸障害や頭痛、めまいなど急性障害を起こす猛毒物質で、健康被害を及ぼす可能性は大いに考えられます。特に、シアン化カリウム(青酸カリ)は、150~300mgが致死量となります。シアン化ガスは、青酸ガスのことで、ご存知のように、ホロコーストでも用いられました。気体の毒性の報告では、270ppmで即死というものから、5000ppm(0.5%)の1分間の吸入で半数死亡などがあります(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)。

 このようにベンゼン、ベンゾ(a)ピレン、シアン化合物など、今回言われている土壌汚染物質の毒性は、非常に強く、厳重な管理を要します。特に、シアン化合物は、環境基準の「検出されてはいけない」ことを達成させる必要があります。技術会議の報告書で、「地下水を敷地全面にわたって早期に環境基準以下に浄化」と述べられていますが、専門家会議の調査で全体の約4分の1、すなわち約10ヘクタールにシアンの汚染が広がっており、果たして浄化が可能なのか大いに疑問の残るところです。



次に、地元中央区議会議員の立場(無所属)から述べさせていただきます。

一、日本国憲法 地方自治の章において保障する「団体自治」の観点から、東京都の独断による移転の強行に抗議します。

 中央卸売市場は、都道府県が策定する卸売市場整備計画に基づき、農林水産大臣の認可を受けた都道府県または人口二十万人以上の指定都市が開設できるものとされています。しかしながら、現在、特別区は指定都市に含まれていないことから、都が築地市場をはじめ特別区内十箇所で市場を開設、運営しております。

 卸売市場は、その周辺地域の産業や経済、住民の暮らし、さらにはまちづくりに大きな影響力を有する施設です。日本国憲法で謳われている団体自治の観点からしても、また、地方分権の流れからみても、地域の総合的、一体的なまちづくりを可能にするために、都に留保されている市場の都市計画決定や開設に関する事務に、築地市場の所在地を有する地元の区が関与することが当然のあるべき姿と考えます。

 中央区ホームページ内『築地市場再整備問題の経緯と中央区の取り組み』をご覧いただきますと分かりますように、築地市場再整備を求め、中央区長、中央区議会議長は、平成10年(1998年)の「築地市場再整備に関する要望書」提出から始まり、再三にわたり「抗議」「要望書」「意見書」を東京都に提出して参りました。平成11年(1999年)当時、中央区は、築地市場現在地再整備する場合の種地として、築地川東支川の2851㎡の提供を市場当局に申し入れをしたり、平成12年(2000年)には、『築地市場現在地再整備促進基礎調査報告書』も作成し、具体的な再整備に向けた提案も行ってまいりました。

 しかし、石原都知事の平成11年9月築地市場視察における「古い、狭い、そして危ない」の発言で象徴されますように、地元自治体のそれらの意見・提案を真摯に受け止めることなく、東京都は、強引に移転の方針で計画を進めてまいりました。

 日本国憲法では、地方自治の大原則である「住民自治」と「団体自治」が謳われていますが、これまでの経過を見ていただければ、東京都の地元自治体である中央区に対して、その「団体自治」のあり方に大きく反して行動してきたことがお分かりいただけると同時に、このようなことは、あってはならないのではないでしょうか。私は、「団体自治」の原則を踏みにじる東京都に対して、強く抗議を致します。



 以上、都民・仲卸業者・土壌汚染専門家の皆様と共に行動してきた立場として、小児科医師の立場として、そして地元中央区の区議会議員の立場として申し述べました。

 最後に、しきりに東京都は、築地市場廃止、豊洲新市場開設を“決定事項”のように述べておりますが、事実無根であります。

 中央卸売市場は、「中央卸売市場整備計画」に基づいて設置されると「卸売市場法」に定められています。そしてその「中央卸売市場整備計画」は農林水産大臣が定めます。今後土壌汚染のことがきちんと審議され、「卸売市場整備基本方針」に謳われている「食の安全・安心」が担保されて「築地市場の豊洲移転」は初めて“決定”されることになるわけです。現段階では、豊洲での生鮮食料品を扱う市場開設は、多くの難題が残されていると考えざるを得ず、よって“決定事項ではない”のです。

 まだ、決まったことではない以上、食の安心・安全を守るため、世界のtsukijiブランドを守るため、都民・日本の“食文化の象徴”としての文化的遺産を守るため、今こそ立ち上がるべきであると考えます。

 なぜ、築地市場を破壊して、その土地を売却した代金で、国内最大級の土壌汚染地を特定私企業から買い上げ、移転や汚染対策に注ぎ込む費用に充てねばならないのでしょうか。

 それは、市場関係者をないがしろにし、都民の利益を損ね、単に事業を受注する企業を潤すだけの愚策です。

 築地市場の現在地での再整備は、十分可能です。今、あらためて真剣に考えようとしていないだけの話です。

 現在地での再整備を実現し、築地の活気とにぎわいをさらに発展させ、銀座などの周辺地域の連携により、日本の食文化の中心として、さらには、都心観光拠点・都心商業の一大集積地として繁栄に導くことこそが、選択すべき道だと考えます。


平成21年4月6日

築地市場を考える勉強会 代表 小坂和輝

(中央区議会議員・小児科医師・医学博士)

104-0052中央区月島3-30-3ベルウッドビル2F
03-5547-1191fax03-5547-1166
メールkazuki.kosaka@e-kosaka.jp
 
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