北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

「話は空中に消えるからね、だから言いたいことは形にして残さないと」

2019-04-15 23:38:11 | Weblog

 新年度に入ってから、ある団体の支部長になったり、ある冊子の編集部長になったりと、いわゆる「長」がつく立場になってきました。

 そうなってみて、つくづく『ミッションを具体化することと、その会を支える組織体制づくりこそが長の仕事』だと思うようになりました。

 まずはなんのために集まっているのか、せっかく集まったのだからなにをしたいのか、のイメージを共有すること。

 そして会を支えるメンバーを選定して了解を取り付けて、『あなたに期待するミッションはこれね』と伝えて、あとは組織の運営を見守る。

 自覚をもって主体的に活動してくれるメンバーに恵まれるとよいけれど、そうでないときはどうやって活性化をするべきか。

 自分で何かをする能力を磨くのも大切ですが、組織を動かすということはもっと大変なんだな、と改めて感じる今日この頃です。

 
    ◆


 かつて仕えた掛川市の榛村元市長さんは、とにかく自分の知った情報をあけすけに語り、説明し、感想を述べる方でした。

 それらはあまり具体的な指示を発していたというよりも、自分自身の価値観を大っぴらに語ることで、(ああ、市長はこういうことを喜ぶんだ)とか、(この場合、市長ならこのように判断するだろうな)という感覚を職員にもってもらいたかったのじゃあなかろうか、と今ならわかる気がします。

 そういう判断力が身につくためには、いろいろな知識があることはもちろん、人とはどういう存在か、とか歴史とはどのように動いてきたか、とか、目に見えない関係性をどう理解するか、といった経験と人間力が必要になるのであって、そのための情報をたくさん発信していたのが榛村さんだったと今思います。

 指示を出すだけなら簡単です。しかしどうしてそういう判断や指示になるかを部下の人たちが理解しなければ、単なる指示待ちロボットに成り下がる。それは生涯学習ではない、と思ったのでしょう。

 情報は発信したほうが良い、と思った挙句の行動が、毎回はなしの時にはレジメを作ってそれを渡す、という具体的な行為だったのだとも思います。

 首長さんをはじめ、トップリーダーに、自分の考えはこうだよと伝えるのに、空中に消えてしまう話だけではなく、きちんとレジメを渡してくれる人がどれだけいるでしょうか。

 そういう陰の苦労と努力を検分できた自分はまだ幸せでした。

 平成ど真ん中の幸せだった日々の話。

 

 

コメント
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