北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

お腰につけたものがない

2019-04-23 23:45:46 | Weblog

 

 この春に元の職場を退職した後輩たちをねぎらう会が開かれました。

 元公務員だった後輩たちは一様に晴れ晴れした顔で、「妻孝行のために旅行をしましたが、腰に防災携帯がないことだけでとても気が楽になりました(笑)」という挨拶に一同爆笑。

 防災携帯とは、事故や災害があったときに呼び出しに用いられる携帯電話で、管理職など枢要な立場に立つ者は、常にこれを身に着けて、いざという時に対応できるようにしています。

 そしてそれは、宴会をしていたり休暇で遊びに行ったりしていても、常に頭の片隅の何パーセントかで非常事態を意識していなくてはならない緊張の要素です。

 現役時代の最後は、心の底から楽しむということが難しかったに違いありません。

 しかしようやくそういう緊張から解き放たれた安堵の気持ちがほとばしると、同じ思いをした先輩たちから暖かい笑いと拍手が起きるのです。

 公共施設を守り続けたご苦労に感謝です。


    ◆


 またそういう後輩たちは、30数年から40年に亘る公務員生活の中で、転勤生活を繰り返し続けてきた人たちでもあります。

 最近は転勤がいやで職場を辞めるという人が増えていると聞きます。

 転勤をなくして安心して家族と暮らせる生活がないような職場はもう若者に選ばれないのかもしれません。

 今や「滅私奉公」という言葉が流行らないことはわかります。

 それでも、地域のため、人のために尽くす仕事がなくなるわけではありませんし、そのときに私の部分をやせがまんしている人たちも少なからずいるのです。

 
 ある後輩は、「退職して単身生活を解消し家にいると、それまで何も要求してこなかった妻から、『ようやくお願いができるわ、あれやって、これやって』と次々に用事を言いつけられるんです」と渋い顔を、それでも嬉しそうに言っておりました。

「案外離れて暮らしていた方が幸せだったんじゃないの(笑)」というヤジも飛びますが、不安な者も多そうです。

 まずは無理をしていた体を養生したり、家庭の中の関係性もケアすることがよさそうです。

 まずはお疲れさまでした。

コメント
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