山本弘さんの『MM9』を読みました。
怪獣が、現実のものとして存在する世界。
そこでは、地震、台風などと同じ自然災害の一種として、怪獣災害が発生していた。
世界有数の怪獣大国・日本では、気象庁の中に「気象庁特異生物対策部」があり、
日夜を問わず、日本の防衛に駆け回っていた。
発想はおバカかもしれませんが、その論理性とリアリティは本格SFそのものです。
登場人物それぞれに日常があり、災害予測があり、その延長線上に怪獣退治もしくは保護という
仕事があるだけで、他は我々となんら変わりありません。
予測が外れてたいした被害じゃなくても、世間から批判を受けるし、むやみと退治したら
動物保護団体から非難を受けるので、よく考えて言動を行わなくてはならないという生々しさ。
実際、彼らも怪獣に情が移ったりして退治できない場合もあるのです。
最後には、話のスケールがすさまじく大きくなり、読み応え十分です。
ああ、面白かった。