忍び寄る闇の奇譚 メフィスト道場1 (講談社ノベルス) 価格:¥ 1,082(税込) 発売日:2008-11-07 |
まずは「ボクのSF」というお題で、はやみねかおる氏と初野晴氏が執筆。
はやみね氏の『名探偵WHO 透明人間事件』は、子どもでも探偵や新聞記者になれて活躍できる
子どもにとってはワクワクする物語。
初野氏の『トワイライト・ミュージアム』は美術館を舞台にしたタイムトラベルの話。
どちらも面白さでは甲乙つけがたいけど、よりSFらしさを感じるのは、初野氏の作品でしょうか?
次のラウンドは、「フェティシズム・ホラー」
西澤保彦氏の『シュガー・エンドレス』は、題材が砂糖というあまりにも身近なものであるだけに、
感じる怖さがありますし、真梨幸子氏の『ネイルアート』は、インターネットという匿名性ゆえの
怖さを感じます。
好みは西澤氏の作品ですが、怖さは真梨氏に軍配を上げます。
最後は「都市伝説」
村崎友さんが描くのは、学校に伝わる伝説。
合宿中に行方不明になった女子生徒が、後に死体として発見され、以来、その合宿所には出るという『紅い壁』
北山猛邦氏は、言うに言われぬ『恋煩い』がもたらした人の心の裏側を描き出し、
身近な恐怖を感じさせてくれます。
この対戦は、私としては北山氏の現実的な怖さに強く惹かれました。
正直、どちらがいいかというのは好みの問題で、どれも違った面白さがありました。