石持浅海さんの『賢者の贈り物』を読みました。
昔話や童謡をモチーフにした日常ミステリ短編集なのですが、なぜかどれも主要人物として
磯風という女性が登場し、かといって同一人物とは思えないのです。
彼女らに関連性があるのか無いのか?それが一番のミステリだったとか?まさかね。
それはともかく、この中で特に気に入ったのは「最後の一目盛り」です。
みんな思いやりがあっていい人たちだと思いました。
こればかりでなく、全体としてみても善良な人物が多いのは確かで、読んでいて心穏やかになりました。
石持浅海さんの『賢者の贈り物』を読みました。
昔話や童謡をモチーフにした日常ミステリ短編集なのですが、なぜかどれも主要人物として
磯風という女性が登場し、かといって同一人物とは思えないのです。
彼女らに関連性があるのか無いのか?それが一番のミステリだったとか?まさかね。
それはともかく、この中で特に気に入ったのは「最後の一目盛り」です。
みんな思いやりがあっていい人たちだと思いました。
こればかりでなく、全体としてみても善良な人物が多いのは確かで、読んでいて心穏やかになりました。
上田早夕里さんの『ショコラティエの勲章』を読みました。
老舗の和菓子店<福桜堂>神戸支店に勤める絢部あかりは、短大を卒業して勤め始めた会社が
五年で倒産してしまい、父の働くこの店の手伝いをすることになった。
二軒先に一月初旬に新規オープンしたチョコレート店<ショコラ・ド・ルイ>は
バレンタインデーに向けて大繁盛だが、和菓子屋が洋菓子屋と同じことをやっても、
ちぐはぐな印象を与えるだけだ。
実際、若旦那のアイディアで作られたパステルカラーの練り霧など、常連客は見向きもしないし、
タウン誌の記事を見て訪れる若者は、たいてい一見さんで、定番の上生菓子を
買い続けてくれるわけではない。
和菓子屋に勤めていてもそこは女性、洋菓子も大好きであるあかりは、
たまたま<ショコレ・ド・ルイ>を訪れた日に起きた不可解な万引き事件をきっかけに、
ルイのショコラティエ・長峰と出会う。
和洋菓子をめぐるミステリが面白く、菓子職人の矜持も素晴らしいのですが、
人間関係があまり発展せず、いまだ平行線なのが物足りないです。
ぜひ、続きを書いていただきたいと思います。
三崎亜記さんの『失われた町』を読みました。
町の意志によって、そこの住民が消滅させられる世界。
月ヶ瀬もそんな町であり、例えその時に町の外へ出ていたとしても、
住民と関わる者とともに消滅させられていた。
これは、町の消滅を防ぐために全てをかけた人々の、日常と葛藤の物語です。
ジャンル分けの難しいこの物語ですが、とても面白く読めました。