こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

忍び寄る闇の奇譚 メフィスト道場1

2008-12-27 00:00:00 | 未分類
メフィスト編集部編集による『忍び寄る闇の奇譚 メフィスト道場1』を読みました。

まずは「ボクのSF」というお題で、はやみねかおる氏と初野晴氏が執筆。
はやみね氏の『名探偵WHO 透明人間事件』は、子どもでも探偵や新聞記者になれて活躍できる
子どもにとってはワクワクする物語。
初野氏の『トワイライト・ミュージアム』は美術館を舞台にしたタイムトラベルの話。
どちらも面白さでは甲乙つけがたいけど、よりSFらしさを感じるのは、初野氏の作品でしょうか?

次のラウンドは、「フェティシズム・ホラー」
西澤保彦氏の『シュガー・エンドレス』は、題材が砂糖というあまりにも身近なものであるだけに、
感じる怖さがありますし、真梨幸子氏の『ネイルアート』は、インターネットという匿名性ゆえの
怖さを感じます。
好みは西澤氏の作品ですが、怖さは真梨氏に軍配を上げます。

最後は「都市伝説」
村崎友さんが描くのは、学校に伝わる伝説。
合宿中に行方不明になった女子生徒が、後に死体として発見され、以来、その合宿所には出るという『紅い壁』
北山猛邦氏は、言うに言われぬ『恋煩い』がもたらした人の心の裏側を描き出し、
身近な恐怖を感じさせてくれます。
この対戦は、私としては北山氏の現実的な怖さに強く惹かれました。

正直、どちらがいいかというのは好みの問題で、どれも違った面白さがありました。

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『カフェ・コッペリア』菅浩江

2008-12-26 20:03:03 | 本と雑誌
カフェ・コッペリア カフェ・コッペリア
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2008-11

表題作は、客とスタッフがモニターとスピーカーを介して一対一で話をするカフェ・コッペリアが舞台です。
スタッフは人間だけではなくAIの創作した人物を紛れ込ませている上、
映像や音声を加工し、いつでも、どのブースでも同一人物にしか見えないようにされています。
しかし、ある客がその微妙な違いを見分けてスタッフの一人に惚れてしまいます。
それはAIなのか人間なのか。
なまじ、客もAIが混じっているのを知っているため「コッペリア」より罪だなと思いました。

他には、「モモコの日記」や「笑い袋」は現代に通じる家族関係の切なさや温かみを感じますし、
「エクステ効果」は最先端美容室のヘアケア技術の思わぬ弊害と効果について考え、
私もそのお客様に共感を少し覚えました。
「リラランラビラン」は、私ならアロマペットよりも近所で餌なしでも遊んでくれる野良猫を探します。
寂しさには共感しますけどね。
「千鳥の道行」は日舞をなさっている菅さんならではの作品で、少しですけど、その奥の深さを感じ、
人間関係の微妙さに心動かされました。

未来でも、人の考え方感じ方の根本は変わらないのかもしれません。

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カフェ・コッペリア

2008-12-26 00:00:00 | 未分類
菅浩江さん『カフェ・コッペリア』を読みました。

表題作は、客とスタッフがモニターとスピーカーを介して一対一で話をするカフェ・コッペリアが舞台です。
スタッフは人間だけではなくAIの創作した人物を紛れ込ませている上、
映像や音声を加工し、いつでも、どのブースでも同一人物にしか見えないようにされています。
しかし、ある客がその微妙な違いを見分けてスタッフの一人に惚れてしまいます。
それはAIなのか人間なのか。
なまじ、客もAIが混じっているのを知っているため「コッペリア」より罪だなと思いました。

他には、「モモコの日記」や「笑い袋」は現代に通じる家族関係の切なさや温かみを感じますし、
「エクステ効果」は最先端美容室のヘアケア技術の思わぬ弊害と効果について考え、
私もそのお客様に共感を少し覚えました。
「リラランラビラン」は、私ならアロマペットよりも近所で餌なしでも遊んでくれる野良猫を探します。
寂しさには共感しますけどね。
「千鳥の道行」は日舞をなさっている菅さんならではの作品で、少しですけど、その奥の深さを感じ、
人間関係の微妙さに心動かされました。

未来でも、人の考え方感じ方の根本は変わらないのかもしれません。

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『まいなす』太田忠司

2008-12-24 19:43:39 | 本と雑誌
まいなす (ミステリーYA!) まいなす (ミステリーYA!)
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2008-11

那須舞は、英語にするとまいなすになる自分の名前を嫌っていたが、クラスメイトにはそう呼ばれているし、
嫌だと言ったことも無い。
ただ、名前の通りにならないように努力した結果、人に頼られて、分担以上の仕事まで背負わされる破目に
なりがちだった。

今回も、さほど親しくない女生徒に頼られ、乳母山の登山につきあわされたあげく、
「時渡りの祠」のあとの穴で遭難者を発見したのだ。
彼は学校の先輩で、未来へ行き虎槻橋が崩壊する現場を見てきたという。
その橋を調査してみると、言葉通り崩壊の寸前だった。

問題はもう一つの予言で、彼らが通う飛魚中学の女生徒が殺されるというものだった。
学校中が騒然となった。
先輩の予言は防ぐことができるのか?
様々な謎を解き明かしていく過程で、舞も成長し変わっていきます。
ぜひおすすめしたい成長ミステリです。

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まいなす

2008-12-24 00:00:00 | 未分類
太田忠司さん『まいなす』を読みました。

那須舞は、英語にするとまいなすになる自分の名前を嫌っていたが、クラスメイトにはそう呼ばれているし、
嫌だと言ったことも無い。
ただ、名前の通りにならないように努力した結果、人に頼られて、分担以上の仕事まで背負わされる破目に
なりがちだった。

今回も、さほど親しくない女生徒に頼られ、乳母山の登山につきあわされたあげく、
「時渡りの祠」のあとの穴で遭難者を発見したのだ。
彼は学校の先輩で、未来へ行き虎槻橋が崩壊する現場を見てきたという。
その橋を調査してみると、言葉通り崩壊の寸前だった。

問題はもう一つの予言で、彼らが通う飛魚中学の女生徒が殺されるというものだった。
学校中が騒然となった。
先輩の予言は防ぐことができるのか?
様々な謎を解き明かしていく過程で、舞も成長し変わっていきます。
ぜひおすすめしたい成長ミステリです。

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