京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

春の先触れ

2018年02月01日 | 日々の暮らしの中で
朝は細かな細かな、霰のような雪が降っていました。今日から2月。まだまだ厳しい寒さに震えながらも春の気配を感じとったりして、もう一歩も二歩も季節がぐんっと進むのを楽しみに待っているのです。

昨年、花期が終わって掘り上げておいた球根を、ついうっかり土にもどすのを忘れていました。秋も深まった11月初旬、さすがに遅過ぎるだろうと諦めていたところ、「まだ大丈夫だから、すぐに!」と教えられ、大急ぎで植えたオーソニガラム・ウンべラタムとチューリップでした。
いきなり冷え冷えとした土の中に埋められては地上の寒風さえも寒かろうにと、冷え込みそうな日は茣蓙で覆いまでして気をかけて、その甲斐はありました。無事にどちらも土の中からその先端をのぞかせたのです。ほっ! この感覚、何やら温かな気持ちで満たされます。

   

「春は空からさうして土から微かに動く」という一節が長塚節の小説『土』にあることを知ったのは、ある書展からの帰り道でした。その後、書家の榊莫山さんが漢字の「土」の書き方について独特な思いを持つのを知ります。かたい土の表面を突き破って芽生え、成長する力のほとばしり。これはバクザン先生のお説のように、「土」の字の2画目は下から上への要領で突き上げるようにして書くのがふさわしいと共感します。こんな小さな芽を見るにつけても、春は隣。


昨日、左京区西寺町通にある大蓮寺さんにロウバイの花を見に出かけました。この見事なほころび。ほのかな香り。
春よ来い、は~やくこい。

コメント (4)
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