京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

梅にも春

2018年02月25日 | こんなところ訪ねて
学問の神様は東京にもおはしまして、一度だけ湯島天神にお参りしたことがある。大学受験を迎えた年、父は長期で海外出張が決まっており、私の受験日にも合格発表日にも家を留守にしなくてはならなかった。その出張前の或る日、父は私を天神さんへと誘ったのだった。

  
              梅咲くや白くも濃くも大自在  移竹

北野天満宮は天満大自在天神・北野聖廟と呼ばれた。毎月25日には市が立つ。そこに今月は梅花祭開催の華やぎがあった。早咲き、遅咲きと、梅はぱっといっときに咲いて散る桜と違って、つぎつぎ咲いていく。タネから育つので開花の時期も違うし、驚くほど典雅な呼び名が木々につけられていてゆかしい。それぞれに風情、佇まいを持つようだ。

「梅にも春」で、ほころび始めた。「もう少しだね」など言葉を交わしながら、満開の頃はどれだけ華やかに咲き匂うことかと気持ちもあたたかい。今楽しむは、まさに未生の美。 
コメント (4)
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