京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

松の芯

2018年04月02日 | 日々の暮らしの中で
境内にその枝を張り巡らせた姿の美しさは自慢の一つでしたが、30年以上も前、当時各所で被害が相次いだ松くい虫にやられ、手当の甲斐なく切り倒す羽目になりました。何本もの添え木を当てた長寿の松は、おいおい根っこから引き起こされ、内をくりぬかれ、火鉢となって披露され、冬場には車座の談の中心に鎮座することになりました。ふちにかざされる皺しわのいくつもの指先を温めます。


代わって植えた2本の松ですが、今ちょうど枝先に「若緑」とか「松の芯」などと言われる新芽が伸びています。すきっと、いずれも天を指すように伸びた姿は晴れ晴れとして、この時季にとても清々しく映ります。やわらかな緑の美しさは「初緑」と。そして、自然と背筋も引き上げられる気分に浸ります。   

大層なものではありませんが、この6日から新たな仲間と集う楽しみを思って準備してきたことがあります。が、私の予定は見送らざるを得なくなりました。というのも、6日には午前中に中学校、午後から小学校の入学式が催され、またまたあのLukasを預かることになったからです。孫たちの門出に、「わかったわ」と返事…。同時スタートのチャンスでもあったのに、条件が整いません。辛抱、心棒。出ばなはくじかれましたが、志はどこへもいきません。背筋を伸ばして。

     志(こころざし)松にもありて松の芯   鷹羽狩行

コメント (8)
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